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花組公演『The Fascination!』感想

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皆様こんにちは、霜柱です。

東京宝塚劇場で花組公演『元禄バロックロック』『The Fascination!』を観劇してきました。

今回はレビュー・アニバーサリー『The Fascination(ザ ファシネイション)!-花組誕生100周年 そして未来へ-』の感想を書いていきたいと思います。

「見方」で感想が変わる作品

「見方で感想が変わるとはどういう事か?」と思ったかもしれません。

今作はオーソドックスで品位のある『THE 宝塚』という作品です。その様な作品が好きな人にとっては、とてもお気に入りになるレビューと言えるでしょう。

しかし中村一徳先生の作品(←ここ非常に重要!)を期待している人にとっては、はっきり言って期待外れの作品になるでしょう。

正直に書きます。私は後者の意見です。

中村一徳先生と言うと、ハイ・テンポのロック調で観客の気持ちを熱くする主題歌が特徴です。
月組公演『REVUE OF DREAMS』、月組公演『Fantastic Energy!』、雪組公演『Music Revolution!』や星組公演『Ray -星の光線-』などを演出しており、どれもパワーと勢いがある主題歌が印象に残りますね。

ショーを手掛ける演出家では藤井大介先生と同じくらい、中村一徳先生の作品が私は大好きです、このお2人がレビュー/ショーを手掛けると聞くと、それだけでワクワクします。

・・・しかし、今作『The Fascination』の主題歌を聴いた時は「えっ・・・本当に中村一徳先生の作品?」と戸惑ってしまいました。むしろ酒井澄夫先生っぽい感じです。
曲もミドル・テンポで全くロック調ではありません。勢いのある曲を期待していたので、正直に言うと、肩透かしを食らった気分でした。

勿論曲は悪くはありません。上品でありながら、どこか懐かしさを覚える様な雰囲気の曲でした。

今作は花組誕生100周年を祝う作品ですが、その100周年をしっかりと纏められていなかった気がします。
もし、100周年を祝う作品を作るなら、それこそ酒井先生植田紳爾先生、岡田敬二先生などが演出した方が良かったのではないでしょうか?

私の意見ですが、今回の作品は中村一徳先生の良さが出ていない作品と言わざるを得ません。

イマイチと感じてしまった他の理由

最初に主題歌が中村一徳先生っぽくないと書きましたが、逆に言えば中村一徳先生の作品と思わなければOKだと言えます。主題歌は決して悪くはありません。
むしろ往年の宝塚ファンなら「宝塚の歌ってやっぱりこういうのだよね」と安心して聴く事が出来ます。

では、何故私はイマイチと感じてしまったのか? それを書いていきます。

【注意!】正直、ここからは辛口の意見になっています。読みたくないという方はブラウザバックを推奨します。

中盤から冗長な場面が続いた

序盤の方はまだ印象に残る場面などがあり良かったのですが、〈第6章 オマージュ〉の場面から、「とりあえず歌っておけ、とりあえず踊っておけ、とりあえず誰かしら組子を登場させておけ」という風に、ただ場面を雑に繋いでるだけの様な印象を受けてしまったのです。

歌や踊りは沢山登場しますが、その割にはインパクトがありませんでした。沢山の出演者に見せ場はありましたが、ただ忙しなく流れていっただけ。早口でまくし立てる自己紹介を聞いていた気持ちになりました。

正直、もうぐちゃぐちゃしていてはっきり覚えていません。

『EXCITER!!』の主題歌が出てきたが・・・

藤井先生が演出した『EXCITER!!』の主題歌が出てくる場面があります。私はその作品が好きなので、その歌が出てきた時は「オォ! EXCITER!!だ」と高揚した気持ちになりました。

この曲は花組を代表する名曲、それも後世に語り継がれる代表的な曲です。
しかし、脈絡もなくいきなり出てきた感じがして、先に書いた様に「とりあえず場面作っときました」感が否めません

正直に書きます。

この曲を披露する必要はなかったのでは?

〈第6章 オマージュ〉の場面も・・・

この場面に入る前に高翔みず希さんが下手から登場して、「ピアノ・ファンタジィのオマージュです」(←具体的な言葉は忘れましたが、この様な感じだったと思います)という紹介がありました。

ただ、わざわざ口頭で説明する必要はあったのでしょうか?
何だか高翔さんを無駄に扱っている気がしました。

この場面は1988年に上演された『フォーエバー!タカラヅカ』の中の〈ピアノ・ファンタジィ〉を再現しています。

まず聖乃あすかさんが登場して、ピアノを弾きながら踊ります。しかし「ピアノを弾くのか、踊るのか、どちらかにして」という気持ちになりました。

その後、ロケットが登場し、それが終わると、柚香光さん、水美舞斗さん、永久輝せあさんなどが登場します。

名場面の再現らしいですが、これもただ場面繋ぎの為だけの様な気がしました。

良かった点は?

色々書きましたが、良かった点もあります。

第2章 Fascination Music!

この場面は水美さんが主となる場面です。スーツにハットという姿で、とても格好良かったです。男役としての色気も増してきた気がします。
スモーキーな雰囲気を漂わせているのも目を引きましたね。

水美さんの相手役には星空美咲さんが選ばれています!
しなやかな長い手足を駆使し、しっかりと水美さんの相手役を務めていました。研3なのでまだあどけなさは残るものの、大人の女性の雰囲気が徐々に身に付いてきていると思います。

『元禄バロックロック』の時に演じていたくノ一のツバキでは、とても目を引きましたが、このレビューの場面でも、華があり目立ちました。

本当に有望な娘役という事が分かりますね。これからの活躍がとても楽しみになります。

第3章 花の伝説

柚香さんが食虫花というのに扮して踊るこの場面は、幻想的で素敵でした。
腕にタトゥーシールを貼っているのも特徴的と言えます。

中性的な雰囲気でしたが、この様な姿も柚香さんだからこそ似合います

踊りもとても滑らか且つ軽快で目を引きました。それだけでなく、柚香さんのダンスはとても上品なので、目の保養になると私は思っています。

星風さんとの息もピッタリでした。

全体的に結構辛口の感想になってしまったと思います。
今作が好きという人にとっては、この記事はあまり良い気分を与えないでしょう。

しかし、私は決してこの作品を貶めている訳ではありません。観劇した際に感じた正直な感想です。

勿論、「『The Fascination!』は良かった。名作だ。」という人の意見を否定する気はありません。

「そういう意見もあるんだなぁ」と軽く思って頂ければ幸いです。

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ABOUT ME
霜柱
神奈川県在住の30代。ハードロック/ヘヴィメタル(特にメロハー・メロスピ・メロパワ・シンフォニック)と宝塚(全組観劇派)が好きです。 ツイッターも行っており、気儘に呟いています。