皆様こんにちは、霜柱です。
ジュール・ルナールの『博物誌』(岸田国士・訳、新潮文庫)を読みました。

今回はこの本を読んだ感想を書いていこうと思います。
感想
ルナールの鋭くて細やかな観察力が光っている
『博物誌』には様々な生き物(一部生き物ではないのも有)が載っていますが、それらに対してのルナールの鋭くて細やかな観察力(一部妄想力っぽい部分も有)が遺憾なく発揮しており光っています。
それだけでなく、生き物に対して強い興味や関心を持っている事も伝わってきました。
鳥類、爬虫類、犬、猫、猿、牛、その他諸々・・・、あらゆる生き物について書かれていますが、読んでいて「そういう風に観ているんだ!」と驚くと同時に、「次の生き物はどういう風に書いているのかな?」とワクワクしながらページを繰りました。
関心度は異なる?
確かに様々な生き物の事が書いてありますが、ページ数は生き物によって異なります。7~8ページに渡って記載されている生き物もいれば、1ページで終わってしまう生き物もいます。
これが関心度の違いなのかは分かりませんが、こういう所もまた面白いですね。
印象に残った生き物
全部で70の項目がありますが、この中で特に印象に残ったのをピックアップしていきます。
「蛇」・・・ただ一言、❛長すぎる。❜だけで終わっています。あまりにも扱いが酷い(笑)。
「蚯蚓」・・・玉子うどんがちょっと食べずらくなります(笑)。それにしても当時のフランス(ルナールは1864年生まれ、1910年死去)に玉子うどんなんてあったんでしょうか?
「鳥のいない鳥籠」・・・ここに登場する男性の言う事は哲学っぽくも感じますし、屁理屈っぽくも感じます。
後、牛に関しては「牝牛」「ブリュネットの死」「牛」「牡牛」の4項目を書いています。
ルナールにとって、牛は身近な存在で特に関心も強かったという事でしょうか?
まとめ
この『博物誌』はジュール・ルナールの独自の観察力を堪能出来る本になっています。その為、学問的な事は書いていないので、その様な事を求める人にとっては違うかもかもしれません。
ですが、小難しい事は書いていないですし、散文詩や小説っぽい書き方なので読みやすいと個人的には感じました。
普段、生き物に対してあまり興味を持っていない人でも楽しめると思うので、興味がある人は試しに読んでみてはいかがでしょうか?