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黒川浩『はるかな星をめざして 芸術が僕にくれたもの』を読んだ感想

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皆様こんにちは、霜柱です。

黒川浩くろかわ ひろし)さんの『はるかな星をめざして 芸術が僕にくれたもの』(フェリス・ブックス)を読みました。

今回はこの本を読んだ感想を書いていこうと思います。

感想

芸術や人生を楽しんでいる事が伝わってきた

芸術には様々な物があります。音楽もその1つ。人はそれぞれ好きな音楽があり楽しんでいます。しかし、演奏者は必ずしもその音楽を楽しめていない時がある気がするのです。

私は楽器を全く弾けませんが、特にクラシック音楽は「上手く弾かなきゃ!」「絶対に間違えてはいけない」という思いの方が強くなってしまう時があるでしょう。確かにある程度の技術は必要です。

しかし、演奏者がそれに固執して、肝心な曲を楽しんだり思い入れが無かったりすると、何だか寂しく感じます。

著者の黒川さんは過去に大変な事や嫌な目に合っていますが、クラシック音楽を含めた芸術、ご自身の人生を楽しく生きている事が誌面上からとても伝わってきました。

同時に少し肩の力も抜けた気がしました。もう少し楽な気持ちで良いんだと。

日本のクラシック演奏家は・・・

クラシック音楽を演奏する人は沢山いますが、特に日本のクラシック演奏家はレベルが高いと聞きます。毎年、凄腕の演奏家が登場しています。

確かにそれは途轍もなく凄くて素晴らしいでしょう。しかし、えてして日本のクラシック演奏家は技術ばかり磨く事しか考えていない様です。それは日本人が周りの評価を気にしすぎたりする傾向があるからでしょう。減点主義なのもその傾向を強めているかもしれません。

他の国にもいるかもしれませんが、〈わが道を行こう〉に出てきた親はハッキリ言って毒親です。こんなのが自分の親だなんて言ったら恐怖を感じます。この項に出てきた学生や若者は今どうしているんでしょう?

スポーツにも言える事ですが、私も含め日本人は技術レベルを上げるだけでなく、もっと自身が取り組んでいる事に対して楽しむ。その精神が必要とされています。特に現代においては。

印象に残った言葉

「典型的な囚人になるのは心の支えを失った時」という言葉は、私に対してガツンと響きました。「典型的な囚人」という言葉は、『夜と霧』を書いたヴィクトール・フランクルが付けたものです。

人によって、心の支えになる物は違いますが、どの様な物であれ、それがあれば自分自身の存在を確固として認める事が出来、人生に対しての決断も自信が持てるでしょう。

ただ、実を言うと私は今、心の支えになる物が無い状態なのです。詳しい事は省きますが、それが無い事により、人生について悩んでいます・・・。

簡単なまとめ

本書は分かりやすく書かれてあるので読みやすいです。その平易さの中に、「もっと、こうしても良いんじゃない」と優しく背中を押してくれる気がしました。

これから、クラシック音楽を学ぼうとしている人は一度読んでみたら、「あぁ、そうかそれで良いんだ」と思える部分があるかもしれません。

あ、あと、本作中にアルフレッド・コルトーというピアニストが登場しました。私は彼の名前も作品も全く知りませんが、興味が少しあるので、気が向いたら聴いてみようかな。

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ABOUT ME
霜柱
ハードロック/ヘヴィメタル(特にメロハー・メロスピ・メロパワ・シンフォニック)を聴いたり、宝塚(全組観劇派)を観たり、スイーツ(特にパフェ)を食べる事が好きです。これらの事を気儘なペースで記事にしています。 Xやインスタも気儘に投稿中。