皆様こんにちは、霜柱です。
フジコ・ヘミングさんの『たどりつく力』(幻冬舎)を読みました。

今回はこの本を読んだ感想を書いていこうと思います。
感想
若い頃から苦難の連続
本作はフジコ・ヘミングさんの生い立ちから書かれています。
しかし、叱責が飛びまくる母親のピアノの指導、イジメに遭ったベルリン留学、変わり果てた父親の姿の目の当たり、など子供の頃から苦難の連続でした。
もし私が同じ目に遭ったら、耐えられずに逃げていたでしょう。
ですが、フジコ・ヘミングさんはそこから逃げずにひたすら自身と向き合いました。更に自己研鑽をしてピアノの腕を磨き、自身の音楽を追求し続けたのです。
この揺るぎない信念に感涙しました。誰にでも出来る事ではありません。
様々な苦難を乗り越え、自己と対峙し続けたからこそ、辿りつけた境地があるのだと言えるでしょう。
本作とは関係ありませんが、高嶋ちさ子さんのお母様も高嶋さんに対して、とても厳しい指導をしていましたね。
胸を打つ名言が沢山!
ピアニストとしてセンセーショナルに活躍しましたが、その裏では一言で語れない辛苦や努力があった。だからこそ、フジコ・ヘミングさんは沢山の方々を魅了するピアニストになれたのだと思います。
本作には胸を打つ名言が沢山出てきます。
その中でも、特に印象に残ったのを2つ挙げたいと思います。
自分の弱さを受け入れ、その対処法を見出さないと前に進めません。
人間、誰しも弱さを抱えて生きています。その事は殆どの人が分かっているでしょう。しかし、分かるのと受け入れるのでは雲泥の差があります。上記の言葉は「あぁ、本当にその通りです」としみじみと感じさせてくれました。
恥ずかしいとか、消してしまいたい過去などと思わず、その時代のことを堂々と話せる自分になりたいと思います。
振り返りたくない、触れてほしくない過去は誰でもあるでしょう。私もそうです。フジコ・ヘミングさんもあったと思います。過去をちゃんと受け入れられず目を背けてずっと私は生きてきました。
詳しくは書きませんが、実を言うと、現在進行形で私は過去と向き合っているのです。なので、上記の言葉も私自身にかなり響いたのです。
簡単なまとめ
優しい文体で書かれており、内容も読みやすいです。なので、読み終わるのにそんなに時間はかからないと思います。1日あれば充分かもしれません。
しかし、先に書いた通り胸を打つ名言が多数出て来ますので、読み応えは抜群だと私は感じました。
人生論としても最適な本だとも言えるでしょう。