皆様こんにちは、霜柱です。
群ようこさんの『それなりに生きている』(ちくま文庫)を読みました。

今回はこの本を読んだ感想を書いていこうと思います。
感想
動物についてのエッセイが特に面白い
この本には26のエッセイが収録されていますが、その内の半分は動物についての内容です。
カメ、猫、犬、ヘビなどについて書いています。
その中でも特に印象に残っているのは、今は分かりませんが群さんが飼っている〈しいちゃん〉という猫と、近所にいる〈おしゃべり〉という猫の話です。
〈しいちゃん〉はなかなか気が強く、〈おしゃべり〉は人を見つけると際限なく話しかけてくる、という全然違う性格ですが、どちらも個性的な猫なので読んでいて飽きが来ません。
〈しいちゃん〉と〈おしゃべり〉は対面した事は無さそうなので、もしこの2匹が出会ったらどうなるのかが、個人的には気になりますね。
群さんの飾らない文体のおかげで、よりリアル感をもって想像も出来ます。こういった猫が身近にいたら面白そうですが、いざ自分が世話するとなったら、かなり大変になるだろうという事は論を俟ちません(笑)。
「四天王寺のカメ」では群さんがカメのアフレコ(?)をしているのが面白かったですし、蚊以外の生き物には嫌悪感を抱かないという群さんにも驚きました。でも、なんで蚊は駄目なんだろう?
ちょっと考えさせられる内容も
「天然か本物か」と「高齢者も進歩する」には群さんのお母様が認知症になった事が書かれています。
深刻ぶらずに書いているので、読みながら笑ってしまいましたが、同時に「もし自分の親がこうなったら、私はどうするだろうか?」と考えてしまいました。
多分、群さんの様にはいかない気がします・・・。
「少子化でちょうどいい」の意見には私も概ね賛成です。いえ、それどころか「群さん、よく書いてくれました!」と言いたくなった程です(笑)。
勿論、少子化が深刻な問題だというのは分かりますが、多すぎるよりは良いと私は思っています。
まとめ
予想よりも面白いエッセイ集です。笑えるだけでなく、「あ~そうだよね」「どうなっちゃうんだろうね」とほんのちょっぴり考えさせられる話もあるので、どんどんとページが進んでいきました。
肩肘張らず気軽に読める内容なので、隙間時間に読むのにも向いていると感じます。