公演の感想 PR

宙組公演『アナスタシア』感想

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皆様こんにちは、霜柱です。
私はこの間、宙組の東京宝塚劇場公演『アナスタシア』を観劇しました。

今回は、東京宝塚劇場の雰囲気と『アナスタシア』の感想を書いていきます。

東京宝塚劇場の雰囲気

2021年1月時点で、東京宝塚劇場では、立派な門松が飾られています。私を含め、写真を撮っている方が多くいました。そういえば、今年(2021年)で東京宝塚劇場はリニューアル20周年を迎えたのですね。時が経つのは早いです・・・。

2階ロビーに行くと、2001年から20年間の宙組の東京宝塚劇場公演のチラシと舞台写真が展示されています(写真が見づらくてすみません)。
和央ようかさんと花總まりさんのトップコンビ作『ベルサイユのばら2001』から展示されており、とても懐かしい気持ちになりました。

天井には20周年を記念した、赤い飾りが所々にありました。

因みに私は2回観劇し、どちらも座席は2階席でした。その為、1階席の様子は分かりませんが、2階席はほぼ埋まっていまおり、まれにちらほらと、少し空席があるぐらいでした。

感想ですが・・・

因みに私は2回観劇しました。その上で、率直に申し上げます。

イマイチでした・・・。

結構評判の良い作品との事ですが、私には、正直そうは思えませんでした。「あの作品が良くないと思うなんておかしい!」などと思いになる人がいるのは分かります。
では何故そう思ったのかを、私なりに考えました。

※この意見はあくまで、私、霜柱の考えです。また、決して今作『アナスタシア』を貶している訳ではありません。ですので「そういう意見もあるんだね」ぐらいの気持ちでお読み頂ければ幸いです。

ネタバレを含んでいます。

①話が冗長すぎる

『アナスタシア』は2幕に渡って上演されますが、ダラダラと劇が続いている印象を受けました。

まず「この場面必要?」と思われる所が幾つかあります。例えば、1幕目の終わりの方で、パリに向かう電車の場面がありますが、電車に乗った所で1幕目を終了した方が良かったのではないかと思いました。電車に乗った後は、舞台に出ている人達の歌の場面、そして、ディミトリ達が秘密警察から逃げ、命からがらフランスに着く展開となります。正直、この部分は必要無いと感じてしまいました。
他には、ユスポフ宮殿を出た後ディミトリが金を得る為に街へ出かける場面、ネヴァクラブの場面なども、その様に思いました。

また、ロマノフの一家が、アーニャを除いて、全員殺されたというのに、舞台はゆったりとしすぎています。それとロシア国民の貧しさ・苦しさ、ディミトリとアーニャが過去に味わった辛い境遇が伝わってきませんでした。それにロマノフ家の場面は、2幕目では無理矢理に入れている気がしました。

結末も中途半端で、「アーニャはせっかくマリア皇太后にアナスタシアと認められたのだから、一緒に暮らせば良いのに、どうして出ていくんだろう? ディミトリと一緒になる訳でもなさそうだし・・・」という気持ちを観ながら感じました。結局アーニャ(アナスタシア)はどうしたいのか分からず、「スッキリしない結末だなぁ」と思ってしまいました。

それでも、1場面でも「この場面良い!」「この場面好き!」と言える所があれば良いのですが、残念ながら1場面もそれはありませんでした。
ただ、「この場面良い!」という程でもないのですが、凛城きらさん演じるイポリトフ伯爵が、悲しそうに歌う場面は印象に残りました

必要な場面を厳選して、1幕だけの上演にすればメリハリがついたのではないでしょうか?

②歌が印象に残らない

今作『アナスタシア』では歌の場面が、これでもかというほど登場します。ここ最近の宙組の大劇場の作品で、1番歌が多かったと思います。

壮大で美しい音楽をバックに宙組生は歌います。しかし、沢山の歌がある割には、どの歌も印象に残りませんでした。
例えば『エリザベート』『ファントム』『ガイズ&ドールズ』『Ernest in Love』などの海外ミュージカルの作品には「この歌良い!」「この歌感動する!」という曲がそれぞれあります。しかし、今作『アナスタシア』にはその様なキラーチューンがありません
その中でも「ネヴァ河の流れ」という曲は良かったです。ただ、キラーチューンかというと、そうではない様に思います。

また、どの曲も似たり寄ったりの雰囲気で、時々歌い手を変えながら物語を進めているという感じを受けました。
厳しい事を書いてしまいますが、「やる事が無いから、とりあえず歌ってみた」と思ってしまう場面もありました。

乱暴な書き方かもしれませんが、1曲だけでも「この曲にノックアウトされた!」という曲があれば、印象は大分変ったと思います。

③宙組生の良さが活かせていない

まず、今作には「格好良い役柄」「魅力的な人物」と思われるキャラクターは1人もいません。その影響もあってか、観劇し終わった後に「〇〇さん、素敵だったね」と言える人はいなかったです。

例えば「真風さんが斜め掛けのカバンを肩から掛けているのが可愛かった」という意見がありますが、それは私も同じです。スーツ姿がとても格好良い真風さんが、カバンを斜め掛けしている役というのは珍しくて貴重だと思います。
しかし、それが真風さんの新境地に繋がったり、新たな「真風涼帆」を作り上げたかというと、そうは思えません。ただ、それは真風さんの実力不足という訳ではありません。真風さんの持ち味とディミトリの役柄が、あまりにも噛み合わずちぐはぐだったのが原因でしょう。

星風まどかさん、芹香斗亜さん、桜木みなとさんなども沢山の歌をこなしていました。しかし、演じた役に引き付けられたかというと、そうではありませんでした。

宙組は身長の高い男役が多く、ダイナミックなパフォーマンスが魅力的な組です。しかし、今作『アナスタシア』では、それが活かされず、持て余している様な気がしました。

良かった点は?

それでも、良かった点はあります。それは宙組生の歌のレベルがとても高いという事です。

特に真風さんが、あれ程の歌を歌いこなしている事に正直驚きました(DVDで見ただけですが『メイちゃんの執事』の時の歌があまりにも「・・・」だったので)。歌唱力もアップして、伸び伸びと歌っていたのが良かったです。

星風さん、芹香さん、桜木さんは安定した演技と共に、歌も上手にこなしていました。また、女役を演じた和希さんの歌も力強く、出番は少ないながらもインパクトがありました。

また、宙組生全体のコーラスもとても良く、綺麗に纏まっており、迫力もありました。
今、全体的なコーラスが1番上手い組は宙組ではないでしょうか? 

作品はイマイチでも宙組は素晴らしい

結構辛辣な事を書いてしまったかもしれません。『アナスタシア』がお気に入りの方は、読んでいてあまり良い気持ちはしなかったと思いますし、反論もあるでしょう。

ただ、私的にはどうしても、『アナスタシア』が良いとは思えなかったのです。ただ、最初に書きましたが、決して『アナスタシア』を貶める気はありませんし、意地悪でこの様な事を書いた訳ではありません。

関心があるからこそ、良いという意見だけでなく、そうではない意見も必要だと思うのです。

色々書きましたが、それでも宙組は魅力的な組です。
私見ですが、今(2021年2月1日時点)の宝塚で1番充実している組は宙組で、5組の中で1番格好良く魅力的でスター性のあるトップスターは、真風涼帆さんだと思っています

私が『アナスタシア』をイマイチと評価したからといって、宙組もイマイチだったという訳ではない事を、ご理解して頂けたら嬉しいです。

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ABOUT ME
霜柱
神奈川県在住の30代。ハードロック/ヘヴィメタル(特にメロハー・メロスピ・メロパワ・シンフォニック)と宝塚(全組観劇派)が好きです。 ツイッターも行っており、気儘に呟いています。