公演の感想 PR

花組全国ツアー公演『フィレンツェに燃える』感想

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皆様こんにちは、霜柱です。

私はこの間、神奈川県民ホールで花組全国ツアー公演『フィレンツェに燃える』『Fashionable Empire』を観劇して参りました。

神奈川県民ホールに来たのは、2011年雪組全国ツアー公演『黒い瞳』『ロック・オン!』以来で、約11年ぶりです。
その作品から今回の花組公演の間にも、宝塚歌劇団が神奈川県民ホールで公演した事は何回もありますが、全くチケットが取れませんでした(泣)。

しかし今回とうとう満を持して、神奈川県民ホールでの花組公演に行く事が出来ました。
非常に嬉しい限りです。

今回はミュージカル・ロマンス『フィレンツェに燃える』(作・柴田侑宏、演出・大野拓史)の感想を書いていきます。

情緒とロマンスが溢れる作品

今作は1975年に雪組で上演された作品の再演です。
1975年当時の雪組トップコンビは汀夏子さんと高宮沙千さんで、2番手は順みつきさんでした。

私はこの時代の宝塚の作品を全く知らないので、当然『フィレンツェに燃える』という作品も知りませんでした。

今回、47年ぶりの再演という事ですが、私にとっては新作を観る様な感覚でした。

さて、観た感想ですが、とにかく情緒のある音楽と大人の愛・恋心満載の作品でした。現代的な軽いノリではないので、観終わった後「あぁ、観た・・・」と心の底にズシンと残る様な良い意味での重みがとてもあったのです。

また、何故か懐かしさ(郷愁の様な物?)も感じました。
しかし、私はこの作品を観るのは初めてですし、初演の1975年という年には生まれてもいませんし、フィレンツェにも行った事はありません。

それなのに何故そう感じたのでしょう?
何とも不思議ですが、そういう風にも感じました。

今作には「愛のエレジー」という主題歌がありますが、この曲は劇の最初と終わりの部分で、柚香光さん、星風まどかさん、水美舞斗さん、星空美咲さんの4名が歌います。

この4名もとても役に馴染んでおり、それぞれの魅力や持ち味を発揮していて見応えがありました。

大人びた雰囲気のある作品を観たい方にはお薦め出来る作品と言って良いでしょう。

ただ、内容自体は・・・

先に情緒とロマンスが溢れる大人の作品と書きました。
これは本当です。

とは言っても、正直舞台で繰り広げられているのは、星風さん演じるパメラを中心に三角関係ならぬ、五角関係(いや六角関係かな?)の話なのです。

ですので、話自体にはハッキリ言って深味はありません。気高く美しい愛の物語なのかというとそうではないです。その様なストーリーを期待していた方にとっては、もしかしたら肩透かしを喰らうかもしれません。

舞台を観ていた時は確かに感動はしました。でも、一歩間違えれば昼ドラのドロドロとした愛憎劇になってしまいそうな内容です(笑)。

パメラに恋焦がれているのは柚香さん演じるアントニオ、水美さん演じるレオナルド、永久輝せあさん演じるオテロです。
3人の男に好かれているパメラも大変ですね(笑)。

しかし、3人共それぞれパメラに対する好意の表現が違っていたのは面白かったです。
柚香さんは紳士的に、水美さんはやや力尽く的に、永久輝さんはもっと力尽く的に(笑)。

因みにパメラが1番好きなのはアントニオだと思いますが、パメラは誰と一緒になっても幸せになれない様な気はしました。
ずっと不幸を身に纏っている様な雰囲気なのです。それに最後はオテロに撃たれて亡くなってしまいます・・・。

繰り返しになりますが、内容自体はそんなに深い物ではないです。また悲劇的な最後なので、明るめの作品を好む人には向かないかもしれません。

演出の様だが・・・

永久輝さんが演じたオテロは、水美さん演じるレオナルドに決闘で負けて亡くなってしまいます。

ただ、亡くなった後、オテロの遺体はそのままの状態でカーニバルが始まります。カーニバルという華やかで明るい場面の中、オテロの遺体がそのままあるという状態・・・。

その後、咲乃深音さんが演じたマチルドがオテロの遺体のそばに駆け寄り、嘆き悲しんだ後、ハケていきます。

以降もカーニバルの場面が少し続きますが、それが終わって暗転した後、ようやくオテロの遺体は無くなっていました。無事にハケたようですね(笑)。

この場面を観た時、舞台上でトラブルが起き、オテロの遺体を上手く隠すことが出来ず上記の様な事になってしまったのではないか、と思いました。

しかし、他の宝塚のブロガーの方の感想を拝見しますと、同じ事が起きていたようです。
ですので、これは演出で間違いないでしょう。

とは言っても、初見の人にとっては間違いなく「???」となる演出だったので、何とかしてほしかったというのが正直な思いです。

柚香光の口髭を付けた姿は格好良すぎ!!

今作では柚香さんが何と口髭を付けています。

柚香さんの口髭を付けた姿は初めて観ましたが、何と格好良いのでしょう!!
今回演じた役の影響もあると思いますが、渋さや上品な大人の品格が加わり、いつもとは違う瀟洒なスマートさが加わった格好良さだったのです。

これ以上格好良いお姿を増やしてどうするのですか(笑)?

新たな柚香さんの魅力を発見出来たのが、私にとって大きな収穫でした。

ですので、観終わった後に私は思ったのです。

「間違いなく柚香さんには『風と共に去りぬ』のレット・バトラーが似合う!」と。

柚香さんのレットの姿は間違いなく似合うでしょうし、何より柚香さんの歌声で「さよならは夕映えの中で」を聴きたい!!

あぁ、柚香さんの花組で『風と共に去りぬ』を再演してほしい。
劇団さん、どうかお願いします。

話の内容自体はあれですが、今作『フィレンツェに燃える』は決して観て損する事はありませんし、むしろ心の中にズシンと印象に残る作品でした。
それだけでなく、花組の充実さや纏まりにも安心感を覚えました。今後の花組が益々楽しみになります。

そして、何より口髭を付けた柚香さんが良かった!(←結局、ここに落ち着く(笑))

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ABOUT ME
霜柱
神奈川県在住の30代。ハードロック/ヘヴィメタル(特にメロハー・メロスピ・メロパワ・シンフォニック)と宝塚(全組観劇派)が好きです。 ツイッターも行っており、気儘に呟いています。