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宝塚月組大劇場公演『ピガール狂騒曲』役ごとの感想

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今日は、霜柱です。

前回のブログで『WELCOME TO TAKARAZUKA』『ピガール狂騒曲』の感想を書きました。今回は『ピガール狂騒曲』の印象に残った役ごとについての感想を書いていきたいと思います。

『ピガール狂騒曲』役ごとの感想

ジャック(ジャンヌ)/ヴィクトール:珠城りょう

珠城りょうさんは今回、2役を演じました。実はジャンヌという女性で、理由あって男装をしているジャックという役と、そのジャンヌの腹違いの兄、ヴィクトールの2役です。

ヴィクトールの時は通常の男役の声でしたが、ジャック(ジャンヌ)を演じている時は、少し高めの声を出して、2役を演じていました。

ジャック(ジャンヌ)の時の発声は、いつもの男役の声より、聴きやすかったです。歌う時も、いつもより感情表現が上手く表現されている様に思いました。私見ですが、珠城さんの歌は正直、あまり感情が乗らず一本調子になっている様に感じていました。しかし、今回はその様な事はあまり感じませんでした(あくまであまりですが・・・)。

後半になると、ジャック(ジャンヌ)とヴィクトールが交互に出てくる場面が多くなるので、衣装を変える作業が大変だなと思いながら観ていました(笑)。

ガブリエル:美園さくら

鳳月杏さん演じるウィリーの奥さん役です。作家の妻ですが、実は夫のゴーストライターを務めていました。最初はちょっとした手助けでしたが、それが逆に夫ウィリーを増長させてしまい、別れる事になります。

月城かなとさん演じるシャルルに「あれ程の美しい人はいない(←正確な台詞は忘れましたが、この様なニュアンスの台詞でした)」と言わせる程の美貌を持つ役でした。それ程の美貌を美園さんが持っているかは疑問(失礼!)ですが、美園さんは大人っぽく、時にはコミカルに演じていました。

私が前回観た月組の作品が『夢現無双』『クルンテープ』だったので、間が空きましたが、その頃と比べると、声の出し方や、歌唱力・演技力などとても向上していると思います。また、話す時の声質が元星組トップ娘役の遠野あすかさんの様に感じられる事がありました。

シャルル:月城かなと

月城さんはムーラン・ルージュの支配人、シャルルを演じています。支配人なので、踊り子達やスタッフを管理する立場にある役です。

月城さんはその様な役を威厳を持ちながら、カッコ良く演じており、髭の姿も似合っていました。2番手ですが既にトップスターの風格を持っています。舞台に現れるだけで目を引く美しい姿を持っているのが、とても大きな利点でしょう。

今回、月城さんで印象に残ったのは歌の場面です。歌い終わろうとする時に語尾をとても長く伸ばしていました。

「♪お願いいいいいいいいいいいいいいいいいいい・・・」と一体どこまでロングトーンを続けるのかと思いました。その見事なロングトーンは客席からは拍手喝采。月城さんの歌が上手い事は知っていましたが、あそこまで肺活量があったとは正直驚きでした。

この『ピガール狂騒曲』では月城さんを見た目だけでなく、演技は勿論の事、歌の凄さも確認出来る作品になっていると思います。

ミシェル:光月るう

ムーラン・ルージュの振付師を演じています。オネエキャラです(笑)。

オネエの話し方や素振りが上手に表現できており、男性には猫なで声、女性に対してはきつい話し方など工夫をされていました。

その様な笑いを誘う面もありつつ、ダンスに関しては誰よりも真剣で、拘りを持っているという面もありました。

出番も多く、生き生きと演じていたのが良かったです。

ヴァネッサ:夏月都

ムーラン・ルージュの掃除婦を演じていました。殆どの場面でレレレのおじさんみたいに箒やモップを持っていました(笑)。

踊り子達が出ている場面には大概出演していて、踊り子達が練習している傍で、掃除をしていたのが印象に残りました。また、踊り子達を温かく見守っている役でした。

フローレンス:紫門ゆりや

ムーラン・ルージュの衣装デザイナーの役でした。出番や台詞も多く、笑いもとっていました。しかし、何故か私的には、あまり印象に残りませんでした・・・。

ロートレック:千海華蘭

実在した画家、ロートレックを演じていました。最初登場した時は酔っぱらった状態でしたが、パリの街やムーラン・ルージュを愛している人物です。

ヴィクトールの友人であり、気が良いキャラクターです。千海さんはそのキャラクターを軽快に演じていました。また、酔っぱらった際の、言動も上手に表現されていました。

ウィリー:鳳月杏

美園さん演じるガブリエルの夫であり、作家の役でした。ガブリエルの執筆した小説でヒットしたにも関わらず、それを自分の力の様に勘違いしている傲慢な役柄です。

しかし、鳳月さんはそれをただそのまま演じるだけでなく、コミカルに嫌み無く演技をしていました。ウィリーは自分の主張をすればする程、空回りしていく展開になるので、その部分を見事に表現されていたと思います。

マルセル:輝月ゆうま

女衒の役で、この作品では唯一の悪役と言って良いでしょう。ジャック(ジャンヌ)は借金を背負っているので、それが返済されるまでしつこくジャック(ジャンヌ)を探します。

輝月さんはその様な役を、持ち前の演技力と貫録で演じ切っていました。輝月さんが登場すると舞台が締まる様に思えます。

フィリップ:夢奈瑠音

ウィリーの召使役でした。主に、興奮しているウィリーをなだめたり、落ち着かせようとする場面が多いですが、結局振り回されます。その為、ウィリーを演じた鳳月さんと共に笑いを誘っていました。

ラ・グリュ:海乃美月

ムーラン・ルージュの踊り子の役でした。残念ながらあまり台詞が多くなく、見所が無い役柄でした。しかし、その様な中でも海乃さんは凛とした姿は目を引きました。それは海乃さんの強みと言って良いでしょう。

話がそれますが、次期月組のトップ娘役に就任してほしいです。

レオ:暁千星

ムーラン・ルージュのダンサー役で、振付師ミシェルのお気に入り(笑)。

暁さんはこの作品でも、安定したダンスと歌を披露していました。特にダンスの場面ではダンサー達の中心人物である為、結構踊っていました。また、フィナーレでは下手から1人で銀橋に登場して歌います。

その朗々とした歌声は磨きがかかり、少しずつ男役としての貫禄も出てきた様に思われました。

ボリス:風間柚乃

個人的にはこの作品で1番の功労者だと思います。

ウィリーに雇われた弁護士役で、ガブリエルを見張る様に言われます。

何を思ったのか掃除婦に扮して(笑)、ムーラン・ルージュに忍び込み、ガブリエルを監視します。しかし、踊り子のミスが本番直前に高熱で倒れてしまい、舞台に立てなくなります。その時、そばにいたボリスに白羽の矢が立ち、舞台に立ってしまうことになります。

当然ボリスは振付けを知らないので、1人だけ滅茶苦茶な動きをしている事になります。

風間さんはその様な無茶苦茶な役を、スラップスティック並みに演じます。しかも、ただ滑稽に演じるだけでなく、ちょっとした台詞の一言一言に感情が乗っているので薄っぺらくなりません。

風間さんの演技は本当に素晴らしいと思います。研7でここまで見事に演じ切るのは見事としか言いようがありません。

ミスタンゲット:天紫珠李

ムーラン・ルージュの踊り子。シャルルを訪ねて来たジャック(ジャンヌ)に支配人室へ案内しますが、その後、2人の会話を盗み聞きします。そして、ジャック(ジャンヌ)という人物の事をムーラン・ルージュに広めます。

目立つ役で、天紫さんは可愛らしく演じていました。元男役でしたが、少しずつ娘役としての可愛らしさが出て来たのではないでしょうか?

以上が『ピガール狂騒曲』を見て思った感想です。

とにかく楽しくコメディ要素が多い作品なので、その様な作品が好きな方にお薦め出来る作品だと思います。

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ABOUT ME
霜柱
神奈川県在住の30代。ハードロック/ヘヴィメタル(特にメロハー・メロスピ・メロパワ・シンフォニック)と宝塚(全組観劇派)が好きです。 ツイッターも行っており、気儘に呟いています。