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MinstreliX アルバム『Reflections』感想

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日本のメロディック・スピード・メタル・バンドが2009年にリリースした2ndアルバム。2ndアルバムという事になっているが、1曲目以外は過去作のリメイクである。

全8曲収録。

バンドメンバー

  • Lola:Vocals
  • Takao:Guitars
  • Shin-D:Bass,Vocals
  • Yuki:Drums
  • Yui:Keyboards

今作『Reflections』を最後にLolaとShin-Dは脱退した。

各楽曲ごとの解説と感想

①Spiritus Mundi

新曲。激しいギターリフから始まる疾走曲。ギターの音が強く出ているが、悪い意味でやかましく感じてしまう時がある。また、そのギターの音色はあまり締まりが無く綺麗でない音である。

3:14~4:15はギターソロとキーボードソロが出てくるが、その部分はメロディアスである。

歌メロは、Aメロの部分はまあまあ印象に残るが、それ以外は正直弱い。

それゆえ「う~~ん」という感想が第一に浮かんできてしまった。

②Lost Sanctuary

やや荘厳なキーボードから始まる疾走曲。展開が激しく目まぐるしい感じを受ける。しかし琴線を揺さぶるメロディが沢山入っているので、訳の分からない印象を受ける事は無い。

Lolaの低く力強い声、泣きのあるギター、曲に豪華な(時に幻想的な)装飾を与えているキーボード、激しいリズムを刻んでいるドラムとベース。

メロスピ好きなら、特にサビの部分の盛り上がりは堪らないと思う

お薦め曲である。

③Thirst For

甘い音色のギターリフから始まる疾走曲。この曲も②の様に展開が激しい。ただ、この曲の方がLolaの歌に主軸を置いている気がする。

それでも、Aメロの前の演奏や間奏などでは、メロディアスな速弾きギターソロを聴く事が出来る。

メロディもしっかりあり、スピード感のある曲だ。

④Farewell

穏やかなギターと、ゆったりとしたキーボードのサウンドで始まる。落ち着いた気持ちになるが、打って変わっての疾走曲となる。

Lolaの歌声も楽器陣も力強い。しかし、歌メロや音色、リフなどどれもイマイチ印象に残らない。印象に残ったのは出だしのみというのが正直な感想である。

⑤Maria

ヴァイオリンの独走で幕を開ける疾走曲。当然のごとく、楽器陣はひたすらに速く演奏している。

この曲の特徴は4:47頃からのLolaのコーラスと、それに時々絡むShin-Dのグロウルである。また、シンフォニックの雰囲気も出ているので、荘厳な感じになり、音に立体感が出ている様に感じた。
欲を言えば、ヴァイオリンの演奏をもっと取り入れたら、より重厚さが出たのではないかと思う。

⑥Prelude

50秒ほどのインスト。バンド演奏ではなく、キーボードのみの演奏である。

最初は心休まる様なチェンバロ風の演奏だが、そこに勇壮なストリングスが重なる。

次の曲の為の序奏という印象を、曲名の通り感じた。

⑦Sky Flame

メロディアスなギターのメロディから始まる疾走曲。曲としては非常にノリが良く、歌メロも印象に残りやすい。サビの部分は特に口ずさみたくなるメロディである。

また、柔らかみのある音で、それも相俟って他曲との差別化が出来ていると思う。とても心地良いサウンドである。

⑧Light Casts a Shadow(2009 ver.)

速いドラミングとShin-Dのグロウルから始まるメロデスである。

1:25頃まではShin-Dがひたすらにグロウルしており(途中からLolaのボーカルも入る)、曲に凶暴感を与えている。1:25以降はLolaが主に歌っており、Shin-Dのグロウルは時折、緩急を付ける為に入っている感じだ。

ギターソロはキラキラしていて、キーボードは幻想的なサウンドだ。だが、基本的には激しく演奏している。

全体的な感想

この『Reflections』はインストの⑥以外は疾走曲である。楽器陣はほぼ激しく演奏し、Lolaも力強く男勝りに歌っている。その為、曲を続けて聴くと、少し飽きたりしてしまう気がしないでもない。また、音数も多く、どの楽器の音も前に出そうとしているミックスをしている気がする。
もう少し、音に隙間を作って、各音やボーカルがそれぞれの場面で、際立つミックスをするべきだったかもしれない。。

因みに私は2014年にリリースした4th『CHRONOSTRINGS』を聴いてから、今作『Reflections』を聴いた。MinstreliXの強みは何と言っても、琴線を揺さぶるメロディ(俗に言うクサメロ)であり、メロディに関しては、他のバンドに負けない程の実力を持っているしかし『Reflections』はヘビーなりたいのか、メロディアスになりたいのか、よく分からない印象を受けた

確かに②⑦の様にメロディが良い曲はある。もしかしたら、LolaとLeo Figaro(初代ボーカリスト、2005年に1度脱退したが、2010年にMinstreliXに復帰)という2人のボーカリストの持つ声質の違いが、影響しているのかもしれない。
LolaはLeo Figaroよりも繊細な声ではないが力強い。その力強い声を活かす為に、激しいサウンドになったかは分からない。ただ、②⑦の様なメロディアスな曲も歌えるのだから、もう少しメロディ重視にしたら、より良くなった作品だと思う。

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ABOUT ME
霜柱
神奈川県在住の30代。ハードロック/ヘヴィメタル(特にメロハー・メロスピ・メロパワ・シンフォニック)と宝塚(全組観劇派)が好きです。 ツイッターも行っており、気儘に呟いています。