『CARPE DIEM』はフランスのパワー・メタル・バンド、HEAVENLYが2009年にリリースした5thアルバム。
全10曲収録(ボーナストラック1曲含む)。

バンドメンバー
- Ben Sotto:Vocals&Keyboards
- Charley Corbiaux:Guitar
- Olivier Lapauze:Guitar
- Matthieu G. Plana:Bass
- Piwee:Drums
[ゲストメンバー]
- Oliver Hartmann:Vocals(Track 9)
- Geraldine Gadaut:Vocals&Choirs(Track 1,6)
- Nicolas Marco:Additional Orchestration,Piano,Keyboard
Oliver Hartmannは元AT VANCEのメンバーで現在はソロで活動中。
Geraldine Gadautはシンフォニック・メタル・バンド、BENIGHTED SOULの元ボーカリスト。
Nicolas Marcoは当時はサポートだったが、2011年からHEAVENLYに正式なキーボーディストとして加入した。
各楽曲ごとの感想
①Carpe Diem
不穏なサウンドと人々の不安な声で始まる。しかし、それが終わるとヘヴィなサウンドが登場する。
ハイテンポでノリのよい曲に仕上がっており、特に歌メロが良い。その部分になると美メロを聴く事が出来る。Geraldineのコーラスがアクセントとなっていて、ギターソロも見せ場があるのが聴いていて堪らなくなる。
個人的には後半の方が印象に残り、特に4:32からのサビはグッと来た。
1曲目の掴みとしてはバッチリだと言えるだろう。
②Lost In Your Eyes
メロディアスなバンド演奏で始まるハイテンポの曲。
この曲もノリが良く(特にBメロ)、サビになると美しい歌メロを聴く事が出来る。
Benのハイトーンが活きており、キーボードやギターの甘い音色、爽やかさのあるコーラスも素晴らしい。
全体的にフックがあり、力強い演奏なので、聴く者を惹き付けてやまない曲に仕上がっている。
個人的には特に好きな曲だ。
③Farewell
ピアノとBenのハイトーンから始まるミドルテンポのバラード曲。
この曲に限らないかもしれないが、コーラスの使い方がちょっとQUEENっぽい。でも、そこが良い。
緩急のある曲に仕上がっており、2番のBメロの後、壮大になるのが特徴的。サビのメロディが琴線に触れるのも堪らない。
緩急があり、ミュージカルっぽさがある美しい曲だ。
④Fullmoon
ゼンマイを巻く音や赤ちゃんの泣き声で始まる。不気味な出だしだが、それが終わると、ややハイテンポなメロパワサウンドが展開する。
壮大でシンフォニックなキーボード、キラキラ感のあるコーラスが特に活躍している。この曲でもBenの歌声は余すところなく魅力を発揮しているので、聴いていてとても気持ちが良い。
起承転結がしっかりとしており、個人的には特にAメロの歌メロが印象に残った。
⑤A Better Me
ピアノとBenの歌声で始まる。バラード曲かと思いきや、1:00頃になるとハイテンポなバンドサウンドが駆け巡る。
全体的に珠玉なサウンドに満ちているのが大きなポイント。コーラスとキーボードが活躍しており、琴線を揺さぶるメロディも登場する。特に終わりのサビはグッと来た。
ミュージカルの様な曲で、活き活きとした躍動感もある。
充実した音作りだが、決して詰め込み過ぎていない。その絶妙なサウンドは聴く者を一気に虜にすると断言して良いだろう。
個人的には凄くインパクトに残った曲だ。
⑥Ashen Paradise
壮大なオーケストレーションとコーラスから始まる曲。なので最初からクライマックス感のある曲になっている。
だけれども、全体としてはギター、ベース、ドラムといったバンドサウンドに重きを置いている気がした。なので、あくまで今作の中だが美メロはちょっと少なく感じるかもしれない。
とは言っても、ここぞと言う時(特に後半)に出て来てはいる。
何となくだがNIGHTWISHの『ONCE』に収録されていても、おかしくない曲に感じた。
⑦The Face Of Truth
出だしはちょっとヘヴィだが、その後胸を揺さぶるキーボードを聴く事が出来る。
全体的にヘヴィな仕上がりになっており、デスボイスに近い低めの語りが入っているのが特徴だと言える。
他曲と同じく、キーボードやコーラスはあるが、それらはバンドサウンドを支える為の後方支援という印象を受けた。
どちらかというとパワーの方に振り切っている曲だと思う。
⑧Ode To Joy
Beethovenの「交響曲第9番」の有名なコーラスから始まり(サビも第9のメロディ)、そこから疾走感のある演奏になる。
出だしのギターソロが琴線に触れる仕上がりになっており、キラキラと澄んだキーボードも活躍している。Benのハイトーンも冴えていると言って良い。
更にギターソロとキーボードソロのかけ合いがあるが、それもまた気持ちを高揚させてくれるのだから、もうぶっ飛びそう(笑)。
ゆったりとした締めも余韻があるので、「もう1回聴きたい」という気持ちにさせてくれる。
この曲もとても印象に残った。
⑨Save Our Souls
出だしはSF映画っぽいサウンドになっている。ちょっと機械的な音だが、その後は他曲と同様、パワーと疾走感のある演奏になる。
個人的には間奏が1番良かった。ギターソロと清涼感のあるキーボードの音が堪らない。
曲の終わり方もSFっぽい感じになっているので、その辺りが特徴的だと思う。
⑩Playtime
ボーナストラック。
ギターソロから始まるインスト。非常に疾走感があり、ギターが先陣を切っている。
どのパートも凄いが、何よりも粒が際立ちキラキラとしてるギターが印象的。
1:39頃から雰囲気が変わってヘヴィさが増すのもポイントと言える曲。
全体的な感想
先に書いてしまうが、文句無しの珠玉のメロディック・パワー・メタルを堪能出来る作品だと私は断言する。捨て曲が一切無い素晴らしいアルバムだ。
正直、聴く前はここまで凄いとは思っていなかったので、本当に驚いている。
どの曲にもパワー、疾走感、美メロなどが詰め込まれているので、聴く者を惹き付けてやまない。一体どの様にしたら、こういった驚愕の作品を作る事が出来るのだろう?
ちょっと本人達に聞いてみたい(笑)。
ただ、残念な事が1つ。
この作品を最後にHEAVENLYは作品をリリースしていないのである。解散はしていない様だが、活動をしているという訳でもなさそうだ(2025年5月時点)。
う~む、一体何があったのだろうか?
「早く新作を出してほしい」と言うのは簡単だが、活動出来ない何かしらの理由があるのかもしれない・・・。
少し話が逸れたが、とにかくメロパワやメロスピが好きな人は聴いてみてほしい。
極上のサウンドや演奏をこれでもかと言う程、堪能が出来る。そしてどっぷりと『CARPE DIEM』の沼にハマってほしいと思う。
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