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CROSS VEIN アルバム『Birth of Romance』感想

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日本のシンフォニック・メタル・バンドが2012年にリリースした1stアルバム。

全11曲収録。

バンドメンバー

  • JULIA:Vocals,Choir
  • Yoshi:Guitars,Choir
  • TAKI:Guitars,Choir
  • ISSEKI:Keyboards,Choir

[ゲストメンバー]

  • Youske:Bass
  • KAIDA:Drums

ゲストメンバーのYouskeは、今作の次のシングル『Profusion』で正式メンバーになる。但し、すぐに抜けてしまう。その後、Octaviagraceというバンドを結成し、そのバンドのベーシストとして活躍している。

各楽曲ごとのレビュー

①Birth of Romance

1分30秒程の序章的な曲。雨の音とキラキラした心地良い音色のキーボードとJULIAのボーカルのみの演奏。
リバーブがかかったJULIAの歌声が、曲に浮遊感を漂わせている。

②Noble Scar

お薦め曲!

前曲から繋がった状態で始まる疾走曲。もう出だしのツインギターから、メロスピが好きな人はガッツポーズをするであろう
JULIAは力強く歌っていて、メロディが印象に残りやすい曲となっている。
楽器では、キーボードが1番目立っており、その次に、忙しないドコドコしたドラムが耳に入る。ギターの音はあまり目立っていないが、その分ソロの音は輝いている。

③Obstructed melody

ミステリアスな鍵盤の音から始まる、ややハイ・テンポの曲。
Aメロ・Bメロはややヘビーだが、サビになるとキーボードのキラキラした音色により、光沢を放つ感じになる。因みにサビでは、キーボードの音が1番目立つ。
全体的に軽いノリなのが特徴だと思う。

④Incomplete Requiem

出だしから急き立てるも、キラキラした感じのバンド演奏で始まるミドル・テンポの曲。
キーボードとコーラスが活躍していて、神秘的でダークな雰囲気である。展開や聴き所が多い。
JULIAは台詞(3:29~3:42)やオペラティックに歌う部分(3:43~4:08)もある。
個人的には2番のJULIAのサビの歌い終わりの余韻から、間奏を挟んでJULIAの台詞が入るまでの展開がミステリアスで良いと思った。
因みに3:14~3:28の演奏はモーツアルトの「トルコ行進曲」が取り入れられている。

⑤Protect the Core

お薦め曲!

くぐもっているが力強いコーラスとキーボードが、印象的な出だしのミドル・テンポの曲。
広がりのあるキーボードが全体的に入っている。それにより、曲が荘厳に仕上げられているだけでなく、浮遊感をも感じさせる。3:26~の間奏もキーボードが活躍している。
4:01~4:30にギターソロが入っているが、それは野性的な演奏の様に感じた。

歌メロが印象に残りやすく、聴き入ってしまう。

⑥Moon Addict

お薦め曲!

疾走感のある曲で、この曲もキーボードが全体的に入っている。
メロディもとても印象に残りやすく、ライブで盛り上がる曲だろう。JULIAはこの曲では一際、力強く歌っている。
演奏だけでなく、コーラスの取り入れ方も上手く、ここぞという時に活躍している感じがした。特に2番のサビの後の間奏のJULIAの「♪ラ~ラララララ~ラ・・・」というシンプルだが印象に残るコーラスがあった。

この曲が今作の中で、1番印象に残った。

⑦ever after

少し重々しく暗い雰囲気のキーボードとコーラスから始まるバラード曲。全体的にスロー・テンポ。
この曲ではJULIAのボーカルに重点を置いている気がした。特にサビでは張り上げんばかりに力強く歌っている。
また、リバーブがとてもかかったコーラス(3:42~4:00)も印象に残った。
キーボードの演奏で曲を終えるが、キーボードの音は全体的に切ない音に仕上がっていた。

⑧Hidden Star

ギターリフを始めとした勢いのあるバンド演奏で始まる疾走曲。全体的に忙しない曲だ。
1番のサビの後の間奏は、ややダンサブルになっているのが特徴だ。また、アウトロにピアノが少し入るのも印象に残った。
ただ、歌メロは良くも悪くもなかった

⑨The Mysterious Room

キーボードと、遠くで歌っている様なJULIAの声で始まるミドル・テンポの曲。そこからドラムとベースが加わり、ギターも入っていく。
Aメロは軽いノリ的な感じだが、Bメロからメロディアスになる。
JULIAは静かに歌ったり、力強く歌ったり、オペラティックに歌ったりなど、歌声を使い分けている。
イントロ・1番のサビの後・アウトロで、キーボードが不協和音な音色を出しているのが特徴だろう。
歌メロは出だしの「♪Welcome to ~」が1番印象に残った。

⑩Sweet Spell

壮大なオーケストラ・サウンドで始まる疾走曲。全体的にオーケストラのサウンドが導入しており、今作で1番シンフォニックな曲になっている。
AメロではJULIAの声がローファイっぽく加工されているが、ずっと力強く歌っている。
楽器ではドラムが特にドタドタドタと忙しなく演奏している様に感じた。
この曲は出だしは良いが、2:58~3:53の間奏が冗長に感じられたので、間奏をもう少し短く、また歌メロもあまり印象に残らなかったので、その辺りをもう少し工夫したら、より良くなったと思う。

⑪Lacrimosa

お薦め曲!

ピアノで始まるミドル・テンポの曲。全体的にゆったりとしていて、優しいサウンドだ。
その為、JULIAも力強い声ではなく、優しく穏やかに歌っているのが特徴だろう。
この曲はAメロとサビのみのシンプルな構成になっている。曲の終わりの方(4:18~)はオルゴールの様な音色と雨音になってフェイドアウトする。
また、この曲では「♪アアアアッアアアアッアアッアアアアッア~アアアアア~」の様なコーラスと、それに合わせるギターのリフ(イントロ・1番のサビの後・アウトロに入っている)がポイントになっていると思った。

全体的なレビュー

今作『Birth of Romance』は流麗なキーボード・サウンドが活躍しており、全体的に荘厳で美しく、瑞々しい作品に仕上がっている
シンフォニックなサウンドが、好きな人なら堪らないだろう。

バンド演奏は勢いがあり、JULIAも力強く歌っている時が多い。ただ、楽器では、当然キーボードが1番目立っていて、次にドラムである。ギターはソロの時は良いが、リフになるとあまり目立たない曲があった。

他の作品もそうだが、コーラスは全てバンドのメンバーによって歌われているので、その部分にも拘りを感じた。

最初に書いたが、とてもシンフォニックした作品に仕上がっている。シンフォニック・メタルが好きな人なら迷わず手に入れるべき作品である

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ABOUT ME
霜柱
神奈川県在住の30代。ハードロック/ヘヴィメタル(特にメロハー・メロスピ・メロパワ・シンフォニック)と宝塚(全組観劇派)が好きです。 ツイッターも行っており、気儘に呟いています。