皆様こんにちは、霜柱です。
イギリスの作家、C・J・チューダー(C. J. Tudor)の『白墨人形』(中谷友紀子・訳、文春文庫)を読みました。

今回はこの本を読んだ感想を書いていこうと思います。
感想
スティーヴン・キングを彷彿とさせる!
読んだ方の殆どが感じたと思いますが、書き方がスティーヴン・キングを彷彿とさせるのです。彼の影響がそこかしこに出ていると言って良いでしょう。
展開の仕方もそうですが、特に少年の時の言葉遣いがお見事なのです! 細部の表現も余すことなく緻密に描かれています。
これはC・J・チューダーが惹き付ける書き方をしたからというのは勿論ですが、日本語訳を担当した中谷友紀子さんの手腕も光っていると言えます。
キングのファンなら読んでいて『IT』『スタンド・バイ・ミー』を思い出したりするのではないでしょうか?
ページを繰る手が止まらない!
詳しい内容は書きませんが、最初の数ページを読んでからもう事件が起き、そこから色々な人々の醜い感情や複雑な思いが交錯し、どんどん展開をしていきます。
「一体どうなっていくんだ?」「誰が犯人なんだ?」というワクワクとスリルが満ちているのです。
犯人が分かって「あー良かった」という安心した気持ちになったと思ったら・・・。
主人公が最後の場面で・・・。
印象に残った言葉
本書を読んで凄い印象に残った言葉があるので1つ引用します。
ぼくの人生はしなかったこと、言わなかったことによって左右されてきた。
この部分を読んで「これ、私の事か?」と思ってしまいました。
詳しくは書きませんが、私の人生もするべき場面の所でしなかったり、言うべき場面で言わなかったり、それらが結構あります。
勿論、必ず何かをしたり言ったりするのがいつも正しいとは限らないでしょう。
でも、やはりここぞという場面では、それらを実行しなくてはいけないのかな、とも感じたのです。
超簡単なまとめ
一言で言うなら「スティーヴン・キングのファンなら読め!」という事でしょうか(笑)。
恐らくキングの小説が好きな人なら、この『白墨人形』もお気に召すと私は思います。