『DYNAMIND』はオーストリアのシンフォニック・メタル・バンド、EDENBRIDGEが2019年にリリースした10thアルバム。輸入盤のみ。
2枚組となっており、各10曲ずつ収録されている。
1枚目は通常の収録だが、2枚目は1枚目の全楽曲のインスト、言わばカラオケヴァージョンである。

バンドメンバー
- Sabine Edelsbacher:Vocals
- Lanvall:Guitars, Piano, Keyboards, Hammered Dulcimer, Bouzouki, Mandolin, Kacapi
- Dominik Sebastian:Guitars
- Stefan Gimpl:Bass
- Johannes Jungreithmeier:Drums
[ゲストメンバー]
- Thomas Strübler:Backing Vocals, Choirs
各楽曲ごとの感想
2枚目は1枚目のインストヴァージョンなので、1枚目のみ感想を書く。
①The Memory Hunter
バンド演奏で始まるミドルテンポの曲。カラフルなキーボードが耳を引く。
サビはゆったりとした感じである。
個人的にはギターソロの後のメロディが少し変化する部分にグッと来た。良いメロディだと思う。
Thomasのコーラスも活躍している。
1曲目としては良いのではないだろうか。
②Live And Let Go
①よりノリが良い曲で、流れる様な綺麗なメロディがスッと身体に染み込むようだ。
ツインギターのユニゾンは短めだが、しっかりと良い味を出している。
特に印象的なのはBメロからサビへの流れだ。これが完璧であり、聴いていると心を揺さ振られる。最期のサビの盛り上がりもフックがあると思う。
この曲もThomasのコーラスが活躍している。
シンプルながらも聴き応え抜群の名曲だと断言出来る。
③Where Oceans Collide
バンド演奏で始まるハイテンポの曲。ノリを感じられる。
キレのあるギターが心地良いので、聴いていると自然に身体が揺れてしまう。
異国情緒を感じるギターソロも、スパイスとして役割を果たしている。
良曲だと思う。
④On The Other Side
軽やかさのあるアコースティックな演奏から始まる曲。その後、バンド演奏となる。
エレキギターはしっかりとメタルをしていながらも、ダンサブルな雰囲気がある。それだけでなく、エレクトリックとアコースティックのバランスが丁度良いのも特徴的だと思う。
メロディが心を揺さ振るのも良い。
少しばかりNIGHTWISHを彷彿とさせる気がする。
⑤All Our Yesterdays
暗めのアコースティックギターから始まり、その後オルガンとバンド演奏へと繋がるミドルテンポの曲。
サビで演奏されるオーケストラがとても迫力を感じる。非常に効果的な使い方だと思う。
荘重な雰囲気の曲に仕上がっている。
⑥The Edge Of Your World
ヘヴィなバンド演奏で始まり、そこにオーケストラも絡んでくる。
ノリがまあまあ良くて、サビでのThomasのコーラスが活躍している。
良曲だけど、個人的には6分弱という長さはちょっとばかり冗長に感じた。
もう少し、曲に緩急を付けたらより良くなったのではないだろうか。
⑦Tauerngold
ゆったりとしたバンド演奏で始まるミドルテンポの曲。
ギターの音色が他の収録曲よりも甘い感じがして、とろけそうな気持ちになった。
4:25頃からの展開が特に良いと感じた。メロディが本当に綺麗。
全体的に平和な感じの良曲である。
個人的には、初期の頃の香りがしたかな。
⑧What Dreams May Come
バンド演奏で始まるミドルテンポの曲。オーケストラも入っている。
2番のサビの後の間奏が少し長く感じた。
良い曲だとは思うが、他の収録曲と比べるとパンチがやや弱い様な・・・。
⑨The Last Of His Kind
12分強という長尺の曲。
ミドルテンポのバンド演奏で始まる。
2番のサビ迄はゆったりとした展開。オーソドックスなギターソロの後は静かに曲が展開をしていき雰囲気も変わった。ギターソロが再度登場するがクネクネ感のある「フヤ~ッ」とした音色が特徴的だ。それから違うメロディのバンド演奏に変わる。ややテンポが上がって明るい雰囲気になる。
正直に書く。
イマイチだった。全体的に印象が弱く感じた。
10:30からの大サビに期待したが・・・。う~む。
⑩Dynamind
Sabineの歌声と陰鬱なキーボードから始まる静かで落ち着いた曲。
長さは2分強。
正直、この曲もあまりインパクトが無い・・・。
最後ではなく、5~6曲目あたりで入っていたら、また違った印象を受けたかもしれない。
全体的な感想
あまり実験的な事や気を衒った事ははしていないので、安心して聴ける作品になっていると思う。
曲にもよるがオーケストラは前面に出ている印象は受けなかった。その代わりに、ここぞという時に演奏をして、インパクトを与える役割を果たしていた様に感じた。
演奏力は高くSabineの歌声も魅力的だ。
しかし、アルバム全体として見ると、正直良くも悪くも無いと言う感じである。
良い曲は確かにあったが、EDENBRIDGEの過去の作品の曲と比べると、飛び上がってしまう程の神曲は無い様に思えた。あくまで私の意見である。
それでも②③④⑦は私の中でお気に入りの曲である事は間違いない。
EDENBRIDGEのファンなら買って損はしないと思う。ただ、初めてEDENBRIDGEを聴く人にこの作品は違うかな・・・。
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