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しりあがり寿『表現したい人のためのマンガ入門』を読んだ感想

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皆様こんにちは、霜柱です。

しりあがり寿さんの『表現したい人のためのマンガ入門』(講談社現代新書)を読みました。

今回はこの本を読んだ感想を書いていこうと思います。

感想

「売れる事が大事」という事を説いている

「マンガの書き方、技法、アプローチの仕方などを初心者に向けて書いているのかな」と読む前は思っていました。

確かにそういった事は書かれています。
読者が何を求めているのか?、絵コンテの書き方、キャラクターの作り方や印象に残るタイトルの付け方、オモシロイ芽を見つけてどう育てるか? などなど。

ただ、「どの様にすれば読者の目に留まり、売れる事が出来るか?」という事に重点を置いている気がしました。

もしかすると「現実的な話だなぁ・・・」と思う方がいるかもしれないですが、綺麗事ではなく、生き残る為にはそういった現実から目を背けてはいけないんだよ、としっかり教えてくれた事に好感を持てましたね。

例えば、

努力すれば夢がかなう確率は上がる

と、しりあがりさんは書いています。決して「夢は叶う」とは言っていません。
あくまで上がるだけであって叶うとは限らない。
当たり前と言えば当たり前ですが、この点を結構勘違いしている方が多いのではないでしょうか。

印象に残った言葉

マンガをどの様に書いてどの様に売るか? という事だけではなく、しりあがりさんの価値観や信念も読めます。

結構印象に残る言葉がありましたが、その中から2つ引用したいと思います。

何を想像できないのか? それを想像できないからこそ、限界なのです。

人間の想像力には確かに限界があります。決して無限に想像出来る訳ではありません。
しりあがりさんのこの言葉には「想像力を膨らませる事は大事だ。でも、あらゆる事を想像出来ると勘違いしてはいけない。想像出来る範囲で、どの様にして面白いマンガを描けるのか。それが重要だ」と言っている様な気がしました。

「新しいシアワセ」を訴えるということは「あなたの今のシアワセはもう古くてダメ」と暗に現状を否定する事になります。

しりあがりさんが何故、「シアワセ」とカタカナ表記をしているのかは分かりませんが、確かに今の時代、「幸せとはこういう事だ」と訴えている声が多くなった様な気がします。

その時に「周りが何と言おうと、自分にとっての幸せはこれだ!」と言えるものを持っていた方が良い。という事なのかもしれません。ただ、それを見つけるのは予想よりも難しい・・・。
でも、見つからなかったら、それはそれでも良いのかもしれないです。

簡単なまとめ

基本的なマンガの書き方、アプローチの仕方だけでなく、売れる為の努力も必要という事も書いてあります。

しりあがりさんがマンガ家になるまでの経緯や、デビュー後の事も載っており、それらも興味深く読めました。

確かにコマ割りとか絵コンテの様な技術的なアドバイスは載っていますが、その他の事にも触れているので、「純粋にマンガの書き方を知りたい」という方にとっては、本書はもしかすると少し違うかもしれません。

ただ、しりあがりさんがマンガを通して見つけた人生訓を感じ取る事が出来るので、そういった事も知りたい、という方は面白く読めると思います。

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ABOUT ME
霜柱
ハードロック/ヘヴィメタル(特にメロハー・メロスピ・メロパワ・シンフォニック)を聴いたり、宝塚(全組観劇派)を観たり、スイーツ(特にパフェ)を食べる事が好き。これらを主に気儘なペースで記事にしています。 Xやインスタも気儘に投稿中。