皆様こんにちは、霜柱です。
人形作家、四谷シモンさんの『人形作家』(講談社現代新書)を読みました。

今回はこの本を読んだ感想を書いていこうと思います。
感想
自身の半生が描かれている
本書には著者の半生(誕生から2002年頃まで)の事が記載されています。
読みやすくて優しい文体です。しかし、子供の頃は複雑な家庭で育ち、中学生の頃はグレていました。
アルバイトを転々としたりしていますが、その後は唐十郎さんの状況劇場を経て人形作家としてデビューをします。
なかなかの壮絶な人生だと感じました。特に子供の頃味わった出来事は恐らく大きい傷として残っているのではないでしょうか?
ただ、そういった生い立ち、過激さがある状況劇場への出演があったからこそ、もしかすると四谷シモンと言う人形作家が誕生出来たのではないかとも思いました。
本書で特に良かったのは、ご自身の生い立ちを冷静に客観的に分析して書いていた事です。もし、これが「俺ってこんな目酷い目にあったんだ。可哀想だろう?」「俺をこんな目に遭わせたこいつ等は最悪だ!」などの様に、必要以上に哀れさを求めたり罵倒したりしていたら、「気持ちは分かるけど・・・う~ん」みたいになって、没入出来なかったかもしれません。
様々な著名人と出会ったが
四谷さんは紆余曲折ありながらも、様々な方々と出会います。
例えば、コシノジュンコさん、江波杏子さん、金子國義さん、澁澤龍彦さん、檀一雄さん、細江英公さんなどなど。
こういった方々の出会いが四谷さんの人生に影響を与えたと言えるでしょう。
中でも、澁澤龍彦さんの存在が特に大きかった様です。
もし澁澤さんがもう少し生きていたら、四谷さんと澁澤さんのコラボの様なのが見られた可能性はあったかもしれないですね。
簡単なまとめ
四谷さんご自身の半生を読む事が出来、自身を過大に見せたり自慢っぽい事を書いていない所が良いです。
また、読みやすいので早く読み終える事が出来ると思います。
個人的には状況劇場の出演していた頃の出来事にインパクトを感じました。令和の現在なら、状況劇場みたいな劇団は存在自体が難しいかもしれません。
繰り返し書きますが、本書は四谷さんの半生を書いた内容です。ただ、同時に昭和という時代の空気にも触れる事が出来る感じもします。その様な内容に興味がある方は読んでみてはいかがでしょうか?
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