水野肇『インフォームド・コンセント 医療現場における説明と同意』を読んだ感想

皆様こんにちは、霜柱です。
日本のジャーナリスト/医事評論家、水野肇さんの『インフォームド・コンセント 医療現場における説明と同意』(中公新書)を読みました。

今回はこの本を読んだ感想を書いていこうと思います。
感想
インフォームド・コンセントの誕生・歴史
ナチスの人体実験やヘルシンキ宣言がインフォームド・コンセントの誕生に繋がったとは知りませんでした。
アメリカでのインフォームド・コンセントの状況や対応方法も載っており、当時の日本の医療の状況と比較もしています。
私見ですが、日本でインフォームド・コンセントの広まりが遅れたのは「臭い物に蓋をする」という習慣が、多少は関連している気がします。
本書は1990年に刊行されましたが、その時点では日本にはインフォームド・コンセントが広まっていたとは言い難いでしょう。
他に、ヘルシンキ宣言、患者の権利章典、日本ケミファ事件なども載っているのが特徴です。
インフォームド・コンセントの難しさ
日本ではインフォームド・コンセントは「説明と同意」と訳されます。
医者はちゃんと患者に病気や症状の説明をする必要があるのは論を俟ちません。しかし、患者側の理解能力が低かったり、自分で決められない時は、医者に任せるという事も起きます。
「医者に任せる」と言うのも患者からしてみたら1つの意思表示なのかもしれないです。
簡単なまとめ
読んでいてインフォームド・コンセントはなかなかハードな気がしました。ただ伝えればいい訳ではなく、患者が心の底から納得しているかが重要です。
2025年現在は昔と比べて広まってはいるでしょう。
本書の内容は1990年時点の事なので、情報が古かったりするかもしれません。
しかし、インフォームド・コンセントの歴史や影響を知りたい、と言う方には向いていると思います。
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