桂枝雀『らくごDE枝雀』を読んだ感想

皆様こんにちは、霜柱です。
落語家、桂枝雀さんの『らくごDE枝雀』(ちくま文庫)を読みました。

今回はこの本を読んだ感想を書いていこうと思います。
感想
落語の噺が5選
本書には「鷺とり」「宿替え」「八五郎坊主」「寝床」「雨乞い源兵衛」の計5つの噺が載っています。
どれもとても面白いですが、特に「八五郎坊主」と「寝床」は電車の中で読みながら噴き出しそうになりました。危ない危ない(笑)。
関西弁で書かれているので、リズム良く物語も進んでいると感じました。
生で聴いたらさぞかし面白かったのでしょう。
落語の分析・分類など
噺だけではなく、落語作家である小佐田定雄さんとの対談も載っています。これがまた面白いのですが、興味深くもありました。
内容は緊張の緩和、サゲ(オチ)の種類、情、新作落語などについてですが、どれも本当に勉強になる内容なのです。落語が好きな方ならとても興味深く読める気がします。
特に巻末に乗っている〈サゲの四分類〉はとても為になりました。
枝雀さんはただ単に笑いを追求するだけでなく、しっかりと落語の論理を持っている方だな、という事が分かるでしょう。
勿論、他の落語家もそうだとは思いますが、枝雀さんは特に落語の噺についての分析を科学的にしていると言えるのではないでしょうか。
印象に残った部分
〈情は情でも落語の情は〉の章で印象に残った、と同時に「自分も同じ考えだ」と思った事を2つ引用します。どちらも小佐田さんの言葉です。
淡々と乾いた口調で言うた方がかえって深い情が感じられるということがおますな。
ポンポン言うてるセリフの裏にある「情」を見つけた時の方がジーンとしますなァ。
落語に限りませんが情をどの様に表現するのか? それは場面や人物の性質、時代などによって左右され、そして演じる側の力量で決まるでしょう。
実を言うと非常に悲しい場面の時にいかにも「涙を流してくれ!」みたいな感じでされると、私は「分かるけど、う~ん・・・」と冷めてしまうんですよ(笑)。ひねくれ者だね(笑)。
薄かったり小さかったりする情の方が、少しずつでも深く染み込む気がします。私にとってはですが。
簡単なまとめ
落語の噺を読めるだけでなく枝雀さんが落語についてどの様に思っているか? それも知る事が出来る有益な内容だと断言して良いでしょう。
落語が好きな方ならハマる気がします。
枝雀さんは1999年に亡くなりました。それも悲劇的な亡くなり方で・・・。
もし、もっと長生きをしていたら更に落語界を盛り上げて、海外でも落語の知名度を上げたでしょう。
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