中本千晶『宝塚歌劇は「愛」をどう描いてきたか』を読んだ感想

皆様こんにちは、霜柱です。
フリージャーナリスト、中本千晶さんの『宝塚歌劇は「愛」をどう描いてきたか』(東京堂出版)を読みました。

今回はこの本を読んだ感想を書いていこうと思います。
感想
時代によって宝塚の舞台で描かれる愛の変化
本書はタイトル通り、宝塚歌劇団の舞台で描かれている愛について、著者の中本さんが分析しています。
昔から現在(2015年)までの宝塚の作品を色々取り上げて、愛の描き方がどうなっているか、どの様に変遷していったかの解説がとても面白かったです。
それだけでなく日本人の恋愛観も絡めているのも興味深いと言えます。
当たり前と言っちゃ当たり前なのかもしれませんが、同じ愛の話でも時代によって展開や捉え方が違うんだな、と感じました。
著者の宝塚愛も溢れている
著者である中本さんは宝塚ファンですが、単に「○○さんが格好良い/綺麗」で終わるのではなく、作品の深い部分まで分析したり考察したりしています。
こういうのって本当に好きでないと、表面的な事で終わってしまう気がします。勿論それが悪い訳ではありません。
ですが、少し深く掘った方がより面白く観れたり、新たな発見が出来る可能性があると思います。
個人的には『ザ・タカラヅカ〇組特集』という組本に対しての洞察が光っていたと感じました。
あと、『ベルサイユのばら』で、マリー・アントワネットが断頭台へ向かう前に言う台詞に、中本さんがツッコんでいますがそれには噴き出しちゃいました。言われると「確かにそうかも」という感じです。
まあ、口には出さなくても、ちゃんとフェルゼンの事は思っていたでしょう。
細かな所に気付ける中本さんからは、本当に宝塚が好きだというのを感じました。
宝塚に貢献した方は沢山いるがやはり
宝塚が2026年の今日まで残っているのは、誰か1人の力だけではなく数えきれない程の方々の尽力があったからでしょう。
その中でも、特にやはり凄いと思ったのは小林一三さんと白井鐵造さんです。
小林さんがいなかったら宝塚歌劇団は誕生しなかったでしょうし、白井さんがいなかったら宝塚が存続出来ていたか? 出来ても別のものに変わってしまったのではないか?と思ったりもしました。
『河童まつり』をやってほしいなぁ
本書を読んでいると、昔の作品が出てきますが全然聞いた事も無い作品ばかりです。
中には「タイトルだけじゃ全然内容が想像出来ないぞ」というのもあったり・・・。
私が「これ、今蘇らせたら面白いんじゃないかな?」と思ったのが『河童まつり』という作品です。河童の世界に行ってしまう話ですが、あらすじが面白く感じました。
もし、劇団側にちゃんとした資料が残っているなら、是非とも再演してみてほしいです。どうなるのかが気になります。
簡単なまとめ
タイトル通りの内容なので、それに興味がある方はとても面白く読める事は間違いない気がします。
作品の流れとかパターンの分析は興味深く感じました。
また、宝塚の歴史にも触れられたりするので、それを知ると更に宝塚の舞台が楽しく見れるのではないでしょうか?
本書を参考に、宝塚と他の舞台での愛の描き方の違いを見つけるのも一興かもしれませんね。





