井村君江『妖精学入門』を読んだ感想

皆様こんにちは、霜柱です。
日本の英文学者/比較文学者、井村君江さんが書いた『妖精学入門』(講談社現代新書)を読みました。

今回はこの本を読んだ感想を書いていこうと思います。
感想
妖精について広く浅く書かれた入門書
タイトル通りの内容になっています。
妖精についての起源から始まり、人間との関わりや、妖精の風貌や生活習慣、また、人間が妖精をどの様に描いてきたか、などなどが幅広く網羅されています。
読みやすくて分かりやすい内容です。ただ、深くは掘り下げていないので、それを求めている人にとっては少し物足りないかもしれません。
ですが、入門書としてはバッチグーだと思います。
図版が沢山載っているのもポイントです。カラーで載っているのもあるので、妖精に興味がある人なら、それを見ているだけでも楽しめるかもしれません。
載っている内容
本書に掲載されている内容を一部挙げると、下記の感じです。
- 妖精は6つの要素に分けられる。
- ケルトの信仰であるドルイド教について。
- 妖精という語が日本で一般に用いられるようになったのは大正時代。
- 妖精の大きさは人間と同等なのもいれば、蟻くらい小さいのもいる。
- 妖精は1つの感情しか持てない。
- 詩・演劇・美術などに登場した妖精。
他にも色々載っていますが、妖精と人間(特にヨーロッパ)の関わりって、とても深いんだなと思いました。
妖精って幻想的で美しいイメージがあります。確かにそういうのもいますが、そうではなく怖そうな見た目をしているのもいます。
また、人間を困らせたり、意地悪をしたりするのも多いです。場合によっては人間に死を与える事も・・・。
少しばかり悪魔と重なる様な気がします。
もしかすると「妖精=善、悪魔=悪」とは必ずしもならないのかもしれないですね。
妖精の種類「小辞典」が面白い
イングランド、スコットランド、ウェールズ、コーンウォール、アイルランド、マン島といった地域にいる妖精の種類が載っています。
それだけでなく、子供部屋の妖精、パラケルススの四大元素の精霊の項目があるのも興味深いです。
わざわざ、子供部屋という項目があるという事は、子供部屋に現れる確率が高いという事でしょうか?
妖精って結構種類がいる事にも驚きました。
グレムリン、ゴブリン、ロビン・グッドフェロー、ピクシー、マーメイドは有名どころだと思います。
個人的にはスコットランドに馬系の妖精が多い印象がありました。これは何かそういうのが住みやすい(?)特徴でもあるのでしょうか?
スプリガンという妖精は普段は小さいようですが、怒ると巨大化するらしいです。
それを読んだ時、ザ・ドラえもんズ(今の子供達は知らないかな?)のドラメッド三世が思い浮かびました。ドラメッド三世も怒ると巨大化します。
もしかしたらスプリガンから着想を得たとか? いやたまたまかな・・・。
簡単なまとめ
「妖精の事を知らないから、それについて書かれた本ってないかな?」と思っているなら本書『妖精学入門』が良いと思います。
幅広く色々な方面から書かれているので、読んでいると、「妖精ってこんなに人間と関わりがあるのか」と気付けるでしょう。
ただ、1つの事柄を深く掘り下げている訳ではないです。なので深く知りたい人にとっては、「もう少し詳細が知りたいな…」とやや物足りない気持ちが出るかもしれません。
ですので、まず本書で妖精についてのあらましを知って、興味が出た部分があれば、別の作品で掘り下げていけば良いと思います。
本書には妖精について書かれた著作物が多く載っているので、それを参考にすると良いでしょう。
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