皆様こんにちは、霜柱です。
アメリカの作家、ライマン・フランク・ボーム(Lyman Frank Baum)の『オズの魔法使い』(河野万里子・訳、にしざかひろみ・絵、新潮文庫)を読みました。

今回はこの本を読んだ感想を書いていこうと思います。
感想
懐かしい気持ちになったが…
『オズの魔法使い』は小さい頃に絵本で読んだ事はありますが、小説として読むのは初めてです。
読んでいると何だか懐かしい気持ちになりましたね。
脳みその無いかかし、心を無くしたブリキのきこり、臆病なライオンなど「こういったキャラがいたなぁ」と思い出したと同時に、今思うとなかなか凝ったキャラだな、とも感じました。
確かに懐かしかったのですが、正直に言うと後半の方は結構忘れていたのです(笑)。
西の悪い魔女があっけなく倒された事や、南の国での出来事、そして結末・・・。
「そうか、こういう展開だったのか」と改めて確認した感じですね。
望みの物は既に持っていたのでは?
かかしは脳みそを、ブリキのきこりは心を、ライオンは勇気をそれぞれ欲しがっています。その願いを叶える為ドロシーと一緒に、オズのいるエメラルドの都を目指します。
しかし、その道中では様々な苦難がありますが・・・。
かかしは論理的思考を発揮し、ブリキのきこりは涙を流せるほどの共感力を持っており、ライオンは怖がりながらも敵に立ち向かいます。
本人達は気づいていませんが、既に旅の途中で望みの物は持っていたと読んでいて感じました。
認識をそれぞれしていなかっただけで。
本書は自信を持つ事の大事さを説いている気がしました。
印象に残った言葉
オズがライオンに言った言葉が印象に残りました。
本物の勇気というのは、こわいと思いながらも危険に立ちむかうことだよ。
「勇気」と言うと一切の恐れを捨てて勇猛果敢に突き進むイメージが強いですが、そうではなく、己の中にある恐怖心をしっかりと認めて、その上で挑戦する。という事ですかね。
私は臆病な性格なので、このオズの言葉は刺さりました。
簡単なまとめ
読みやすい内容・文体なので、ページを繰る手が止まりませんでした。
絵本を読んだ事がある方なら懐かしい気持ちになるでしょうし、初めて『オズの魔法使い』に触れる方なら冒険譚の様に楽しめると思います。
本書は一応おとぎ話、児童文学に属する様ですが、大人が読んでも充分に楽しめる仕上がりです。
今日まで世界中で読まれているというのには、やはり理由があるのかもしれませんね。







