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雪組公演『fff -フォルティッシッシモ-』役ごとの感想

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皆様こんにちは、霜柱です。

私はこの間、雪組公演『fff -フォルティッシッシモ-』『シルクロード~盗賊と宝石~』を観劇し、その感想をブログに投稿しました。

今回は、『fff -フォルティッシッシモ-』の気になった・印象に残った役ごとの感想を書いていきます。

役ごとの感想

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン:望海風斗

言わずと知れたドイツのクラシックの作曲家。
性格は反抗期の少年の様な感じでしたが、全体的に力強く演じ、しかし耳が聞こえなくなってからは、その不安や狼狽をとても上手く表現していました。望海さんは歌の人と思われがちですが、演技も良かったです。ナポレオンやゲーテと対話する際の演技はとても深みがありました
勿論、今作でも望海さんの歌はとても迫力がありました。「望海さんの声が出ていない」「望海さんの声がかすれている」という感想もありましたが、何のその! 声が出なくなっている所か、より迫力が増している様に感じました。ですので、宝塚でまだまだ歌ってほしいと願った程です。

謎の女:真彩希帆

何故かベートーヴェンにしか認識されない存在。
ベートーヴェンには基本的にツンケンした態度ですが、ベートーヴェンから、彼の家で女中の様に扱われる場面は笑いを誘っていました。
因みにこの「謎の女」の正体は「人類の不幸」です。
華やかな役ではないですが、人間ではない、この難しい役を、現在(2021年4月3日時点)の各トップ娘役で、演じる事が出来るのは真彩さんだけでしょう
歌は勿論、言う事無しでした。

ナポレオン・ボナパルト:彩風咲奈

フランスの軍人、後に皇帝となります。
まず気になったのが彩風さんの声でして、いつもより濁った様な声で、活舌があまり良くない様に感じました。
しかし、ゲーテやベートーヴェンとそれぞれ対話する際の演技力には、大幅な進化がありました。単に英雄としてだけではなく、1人の人間としての苦悩や葛藤を、自然に且つ深く表現していたと思います。
特にロシアの雪原で、ベートーヴェンと対話する際の演技は賞を与えても良いほどではないでしょうか? 彩風さんはダンスの人というイメージがありますが、今作で一皮剝けたと断言して良いでしょう。

ケルブ(智天使):一樹千尋

名前の通り天使の役。
衣装の効果もあるかもしれませんが、一樹さんは登場するだけで良い意味で、舞台に緊張感が出ます。とても貫禄があり、重みのある演技が良かったです。やはり一樹さんが登場すると舞台の雰囲気が変わります。

ヨハン・ヴァン・ベートーヴェン:奏乃はると

ルートヴィヒの父親役。
自分の思い通りにならないすぐ癇癪を起こし、虐待までする短気なダメダメな性格。この様な酷い役柄を奏乃さんは見事に体現していました。また、組長としての風格や佇まいも公演を重ねるごとに増してきています

オーストリア皇后:千風カレン

皇帝フランツ一世の妻。特段目立つ様な場面は無かったですが、台詞回しや佇まいに皇后としての風格やオーラが出ていました。

皇帝フランツ一世:透真かずき

オーストリア皇帝の役。
『壬生義士伝』の時もそうでしたが、貫録や落ち着きがあって舞台を引き締めていました。特別に目立つ場面はありませんでしたが、皇帝としての存在感は表されていました。

ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ:彩凪翔

ドイツの詩人・作家。
彩凪さんは、静かで落ち着いた怜悧な雰囲気を纏いながら演じていました。専科に異動してもおかしくない風格に、観ながら驚いた程です。
特に良かったのはルートヴィヒやナポレオンとの対話の場面です。冷静に物事を判断し、自身や国の未来に災難をもたらさない様にアドバイスをする演技は、奥深く感じ圧倒されました。
また、声も今までの作品よりも聴きやすい声質になっていたと思います。
まだまだ彩凪さんの舞台を観たいですが、今作で卒業されるので、非常に寂しく惜しいです。

ヘンデル:真那春人

ドイツ出身でイギリスに帰化したクラシックの作曲家。モーツァルトやテレマンと共に天上界にいる設定になっています。
基本的にモーツァルトとテレマンの3人で行動を共にしています。しかし、正直に書くと、特別に目立ったり印象に残る様な役柄ではありませんでした。真那さんは演技が素晴らしく、少年の役から老年の役まで演じる事が出来ます。ですので、もう少し真那さんの演技力を引き出せる様な役柄を与えてほしかったです。

宮廷楽長サリエリ:久城あす

王侯貴族に仕えるイタリアの作曲家。
貴族たちの顔色を窺っていて、猫撫で声の様に演技をしていたのが印象に残りました。

クレメンス・フォン・メッテルニヒ:煌羽レオ

オーストリアの公爵・外交官・政治家という役。
ナポレオンがモスクワでの遠征に失敗した後、自由主義を弾圧する政策をします。敵対している訳ではありませんが、ベートーヴェンとは反対の考え方を持っています。
今作で特に良かったのは、煌羽さんの歌が多かったという事です。ソロの場面も与えられ、とても目立っていました。卒業されるのがとても惜しいです。

ゲルハルト・ヴェーゲラー:朝美絢

医師であり、ルートヴィヒとは旧友の中。
ベートーヴェンと違って(笑)、明るい雰囲気の好青年を演じていました。
朝美さんは登場するだけで目立ちます。また、声の感じも段々と太くなってきて安定感が増したように思えました。歌も朗々としており、迫力があったのが良かったです。

エレオノーレ・フォン・ブロイニング(ロールヘン):朝月希和

ゲルハルトの妻。
優しい雰囲気の女性を演じており、ゲルハルトとは仲の良い夫婦という感じで、平和そうな雰囲気を出していました。『はいからさんが通る』で演じた芸者の花乃屋吉次とは全く違う役柄であり、幅広い役を演じる事が出来るのが朝月さんの強みでしょう。
トップ娘役に就任したら、どの様にして魅せてくれるのかが楽しみです。

ルドルフ大公:綾凰華

皇帝フランツ一世の弟であり、ルートヴィヒのパトロンという人物。
紳士的であり、ルートヴィヒとは友人関係の様な、親しみさを持っている様に思えました。ルートヴィヒが落ち目になった時も、周りは冷たい対応をする中、ルドルフは心配をしてくれる優しい性格です。
ルートヴィヒにとっては、ゲルハルトと同じ様に気の置けない間柄で、心を許せる人物の様に感じました。

少年ルートヴィヒ:野々花ひまり

役の名前の通り、少年時代のルートヴィヒを演じました。
父親から虐げられていましたが、自分自身の考えをしっかり持っている強い性格で、時に自棄になってしまうこの役を見事に演じていました。
また、それだけではなく、父親に対する恐怖心や、貴族に対する反抗心を力任せだけでなく、悲哀を取り入れながら、表現していたのが良かったです。

モーツァルト:彩みちる

オーストリアのクラシックの作曲家。ただ、舞台上では既にヘンデルやテレマンと共に天上界にいる設定になっています。
まず思ったのは可愛いモーツァルトだったという事です。少年の様な声質・喋り方でした。彩さんはこの様な少年の様な役がとても上手いと思います。

テレマン:縣千

ドイツの作曲家。フルネームはゲオルク・フィリップ・テレマンと言います。
舞台上では既にヘンデルやモーツァルトと共に天上界にいる設定です。基本的にヘンデルとモーツァルトの3人で行動をしています。ただ、正直私的にはあまり印象に残る様な役ではありませんでした。

ジュリエッタ・グイチャルディ:夢白あや

伯爵令嬢であり、ルートヴィヒの恋人。
ルートヴィヒとは互いに愛し合っていましたが、ルートヴィヒとは身分違いという事もあり、ジュリエッタはガレンベルク伯爵(真地佑果)と結婚してしまいます。とは言っても、単に別の男に乗り換えた軽い女性ではなく、そルートヴィヒの事は好きだったのであり、彼に「さよなら」と伝える場面(既にルートヴィヒは耳が聞こえていない)では悲しみが込められていました。
あと、夢白さんはやはり美しいです(笑)。

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ABOUT ME
霜柱
神奈川県在住の30代。ハードロック/ヘヴィメタル(特にメロハー・メロスピ・メロパワ・シンフォニック)と宝塚(全組観劇派)が好きです。 ツイッターも行っており、気儘に呟いています。