皆様こんにちは、霜柱です。
宙組公演『NEVER SAY GOODBYE』がもうすぐ東京で公演をしますね。
私は和央ようかさんと花總まりさんの初演は観ていないのですが、結構評判が良いとの事なので、早く観劇したいです。
さて、『NEVER SAY GOODBYE』は大劇場の作品としては、真風さんと潤さんのコンビになってから2作品目となります。
潤さんが真風さんの相手役に就任してからの初の大劇場公演『シャーロック・ホームズ-The Game Is Afoot!-』 『Délicieux!-甘美なる巴里-』を観た時、宙組はより大人っぽくなったように感じました。
そんな真風さんと潤さんのコンビで是非再演してほしい作品があります。
それは2005年に花組で公演された『マラケシュ・紅の墓標』です。作・演出は荻田浩一先生です(残念ながら2008年に宝塚歌劇団を退職されました)。
当時の花組トップコンビ、春野寿美礼さんとふづき美世さんは勿論、他の出演者も魅力的な役を演じており、それらも相俟って素晴らしく感動的な舞台になっていたのです!
荻田先生が宝塚を退職されたからか分かりませんが、1度も再演していないのが不思議な気持ちでなりません。
この作品は大人の雰囲気があるコンビでないと演じるのが難しいと言えます。
そうなると現時点で大人っぽい雰囲気且つ似合いそうなコンビとなると、私としては真風さんと潤さんしかいないと思っています。
真風さんはトップになってから4年以上経ち、退団(もしくは専科への異動?)が囁かれているので、その前に是非再演をしてほしいのです!
ですので、今回は今の宙組で『マラケシュ・紅の墓標』をもし再演した場合の配役などを、私なりの想像(妄想?)で書いていこうと思います。
『マラケシュ・紅の墓標』の内容
北アフリカ、モロッコ内陸の都市マラケシュ。アトラス山脈を臨み、荒涼たる砂漠の入り口となる、最果ての街。
DVD『マラケシュ・紅の墓標』のStoryより引用
黄昏時。マラケシュ市街への入り口となる門の前を行き交う人々の中に、砂漠で行方不明になったイギリス人測量技師の夫・クリフォードを探し、この街にやってきたオリガ・オブライエンの姿があった。ロシア貴族ワレンコフ家の血筋を引く彼女は、革命により自国から離れ、イギリス貴族のクリフォードと結婚したが、自分の心に夫への愛が本当にあるかどうかを信じられないでいた。彼女はそれを確かめる為にも、この砂漠の街、マラケシュへとやってきたのだ……。
ジャマ・エル・フナー死者と踊るー広場。同行してきた弁護士二人とはぐれてしまったオリガは、広場で踊るベルベル人たちの渦の中に彷徨いこんでしまう。恐怖に駆られ、パニックに陥った彼女の身体を一人の白人紳士が受け止める。
男の名はリュドヴィーク・アドラー。偶然、オリガが宿泊する予定のホテルに滞在していた彼は、ホテルまで案内しようと言葉を掛けるのだった。ホテルまでの道をしばらく歩いていると、リュドヴィークの仕事仲間であるレオンが二人の前に姿を見せる。オリガはここからならわかるからとリュドヴィークに礼を言い、一人ホテルへと向かうのだった。
リュドヴィークは、砂漠にある薔薇の形をした美しい石、デザート・ローズを実際の値段より高く売って稼ぐ詐欺師だった。レオンも又、表向きはレストランを経営しているが、裏では旅行者の懐から財布を掠め取る等、フランス統治政府の警察長官クロックからも目を付けられているペテン師であった。パリに行って成功し、金持ちになりたいと夢見るレオンはその夢の実現の為、モロッコ北部で起きているフランス植民地からの独立を目指す民族の暴動を利用し、白人を騙して大金を手にするという危険な計画を実行に移そうとしていた。レオンは、リュドヴィークにその計画に乗るよう誘うが、リュドヴィークは考えさせてくれと答えるのだった。
ホテル・クーペで再開したリュドヴィークとオリガ。二人は共に心に深い傷を抱えていた。ある夜、二人は今迄誰にも話した事のない過去を語り合う。リュドヴィークとオリガには決して忘れられないパリでの思い出があった。心の内の喪失をパリの幻の中に見出し、求め合う二人。リュドヴィークはいつしかオリガと二人でパリで新しく人生をやりなおしたいと考えるようになるが……。
『マラケシュ・紅の墓標』の主な登場人物
- リュドヴィーク・アドラー:ホテル・クーペに滞在する詐欺師
- オリガ・オブライエン:行方不明の夫を探しにやって来たロシア人女性
- レオン:リュドヴィークの仕事仲間、ベルベル人の母と白人の父を持つ
- ソニア:イヴェットの付き人、実はイヴェットの母親であり、コルベットの元妻
- クロック長官:マラケシュにあるフランス統治政府の警察長官
- ラッラ:レオンの母親、ベルベル人
- コルベット:ホテル・クーペのオーナー、実はイヴェットの父親であり、ソニアの元夫
- ナターリャ・ワレンコフ:オリガの伯母、亡命ロシア貴族
- クリフォード・オブライエン:オリガの夫。大英帝国の測量技師
- ギュンター:イヴェットを執拗に付けまわす美術品コレクター。ドイツ人
- イヴェット・ダンボワーズ:元レビューの花形スター。リュドヴィークのかつての恋人。実は両親はソニアとコルベット
- シュザンヌ:ホテルクーペの宿泊客。上流階級の白人
- ブノワ:イヴェットのパトロン
- アリ:レオンの仲間
- 蛇:(人ではない抽象的な役)
- マクノートン:オブライエン家の弁護士
- イズメル:ベルベル人
- ウラジミール:ワレンコフ家の弁護士
- イヴン:レオンの仲間
- アマン:ベルベル人。イズメルの妹
- ハサン:レオンの仲間
- エドワード:クリフォードの仲間
- ファティマ:レオンの恋人。ダンサー
- ソフィア:コルベットの娘
※DVD『マラケシュ・紅の墓標』とこちらのサイトを参考にしました
配役予想(という名の妄想)
※『マラケシュ・紅の墓標』は花組が2005年に大劇場で公演した後、同じ年に博多座でも公演しました。ここでは大劇場での配役を併せて記載します。
※宙組の配役予想の際、『NEVER SAY GOODBYE』での退団者を除くメンバーとします。
役名 | 2005年花組 | 宙組(予想) |
リュドヴィーク・アドラー | 春野寿美礼 | 真風涼帆 |
オリガ・オブライエン | ふづき美世 | 潤花 |
レオン | 樹里咲穂 | 芹香斗亜 |
ソニア | 矢代鴻 | 美穂圭子 |
クロック長官 | 萬あきら | 英真なおき |
ラッラ | 京三紗 | 梨花ますみ |
コルベット | 夏美よう | 寿つかさ |
ナターリャ・ワレンコフ | 梨花ますみ | 小春乃さよ |
クリフォード・オブライエン | 彩吹真央 | 桜木みなと |
ギュンター | 蘭寿とむ | 瑠風輝 |
イヴェット・ダンボワーズ | 遠野あすか | 天彩峰里 |
シュザンヌ | 翔つかさ | 花菱りず |
ブノワ | 大伴れいか | 松風輝 |
アリ | 高翔みず希 | 秋音光 |
蛇 | 鈴懸三由岐 | 凪七瑠海 |
マクノートン | 悠真倫 | 若翔りつ |
イズメル | 愛音羽麗 | 留依蒔世 |
ウラジミール | 未涼亜希 | 紫藤りゅう |
イヴン | 桐生園加 | 優希しおん |
アマン | 桜一花 | 花宮沙羅 |
ハサン | 嶺輝あやと | 希峰かなた |
エドワード | 望月理世 | 鷹翔千空 |
ファティマ | 華城季帆 | 水音志保 |
ソフィア | 桜乃彩音 | 山吹ひばり |
う~~ん・・・・・・。
正直に申し上げますと、とても配役に悩みました。『主な登場人物』以外にも勿論登場人物はいて、その分の配役も考えようと思いましたが、無理でした。
今の宙組は2005年の花組と比べると結構若いです。特に娘役はとても若く一番学年が上の人は花菱りずさんですが、それでも研11です。
ですので配役は結構無理やりな所があるかもしれませんが、ご了承下さいませ。
まず、真風さんのリュドヴィークは文句なく似合うでしょう。心に傷を負い憂いのある役柄なので、難しい役だとは思います。しかし数々の役をこなしてきた真風さんなら演じる事は出来ると思いますし、何より主題歌「星のベドウィン」を真風さんの歌声で聴きたい!
オリガ・オブライエンという女性は決して明るい女性ではなく、暗い感じの雰囲気で過去を悔やんで生きている状態です。
当時、ふづきさんはこの役を見事にこなしていました。ふづきさんの代表作と言っても過言ではないでしょう。
潤さんは、太陽の代名詞と言われる程、もう明るい雰囲気の人です。潤さんにこの役が合うのか考えましたが、見た目は大人っぽいですし演技力もあると思います。
ですので是非潤さんには「暗さ」をこれでもかと、身に着けて挑んでほしいです(笑)。
芹香さんが演じるレオンは、もうピッタリですね。芹香さんがレオンを演じている姿が私の脳裏に浮かんできます。
レオンが歌う曲として「レオンの破滅」やリュドヴィークと一緒に歌う「ペテン師と詐欺師」を是非聴きたいです。
クリフォードは優しい性格で、最後の場面ではオリガとやり直そうとします。
桜木さんもどの様な役もこなしますが、個人的には優しい性格の役が1番合っている気がすると思うのです。
また、主題歌「星のベドウィン」を最初に歌うのは、実はクリフォードです。桜木さんが歌うとまた一味違った味が出てくると思います。
ギュンターは悪役ではありませんが、狂気に満ちた役です。蘭寿さんはこの役を鋭く怖く演じていました。
瑠風さんが演じると、蘭寿さんとは違う恐ろしさや存在感・迫力などが出てくると思うので、観てみたいです。
花組で公演した際、専科から矢代さん、萬さん、京さんの3名が出演されました。ですので宙組での配役予想でも専科から選びました。
まず矢代さんが演じたソニアは美穂さんにすぐ決まりました。理由は歌を歌う場面があるからです(笑)。ただ矢代さんと美穂さんは全く声質が違います。ですのでそれも含め新たなソニアが出来上がると思います。
クロック長官は「演じるなら誰が良いかなぁ」と思っていたら、すぐに英真さんの顔が浮かんだので、英真さんにしました。英真さんの実力に関してはここで述べる事はないでしょう。
レオンの母親、ラッラは梨花さんにしました。ベルベル人という役柄の雰囲気や母親としての貫禄などを総合すると1番合うと思ったからです。
万里柚美さんや五峰亜季さんはちょっと違うと思い、京さんは以前演じていたので対象外にしました。
さて、私の配役予想を見て「???」と思った所がある筈です。そう蛇に凪七さんを充てた事です。
正直に申し上げます。私は今の宙組でダンスが上手い娘役というのが、潤さん以外思い浮かびません。
ですので苦肉の策として(笑)、そうなったのです。
蛇は人間の役ではなく、周りの人達には見えない抽象的な役です。台詞や歌は一切ありません。全てをダンスで表現する難役です。
しかし、鈴懸さんはこの役を不気味さ・妖しさなどを伴って見事に表現しており、とても印象に残りました。
凪七さんもダンスがとてもお上手です。もし凪七さんが演じたら、ちょっと艶っぽくなり別の意味で妖しくなりそうですね。
・・・でも、さすがに凪七さんが演じる事はないでしょう。
とにかく再演希望! でも・・・
繰り返し書きますが、『マラケシュ・紅の墓標』は本当に名作で、心の機微に訴えてくる素晴らしい作品です。
再演されていないなんで本当に勿体ないとしか言いようがありません。
今の宝塚で再演するなら宙組が良いと書いたのは上記の通りです。
ただ、配役が結構難しい所があったので(単純に私の配役が下手というのも勿論あると思います・・・)、再演は難しいかもしれません。
でもやっぱり、再演してほしいです! 今でなくても良いのでいつか再演する日が来る事を・・・。
ただ、退職した演出家の作品は再演されていない気がするので、多分再演する事は無いかもしれません、あぁ(泣)。
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