公演の感想 PR

宙組公演『NEVER SAY GOODBYE-ある愛の軌跡-』感想

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皆様こんにちは、霜柱です。

私はこの間、東京宝塚劇場宙組公演、ミュージカル『NEVER SAY GOODBYE-ある愛の軌跡-』(作・演出:小池修一郎)を観劇してきました。

観劇した際の感想を書いていきます。

歌が本当に素晴らしい!!

実を言うと、私はこの作品に対する期待値は低めでした。何故なら、私は観る事が出来なかったのですが、和央ようかさんと花總まりさんの初演は賛否両論が分かれたという事と、内容があまり惹かれる様なものではなかったから。
この2点が私の未見での『NEVER SAY GOODBYE』の印象でした。

ですので、正直「楽しみだな」という気持ちはほぼありませんでした。

しかし、いざ観劇をしてみたら、すぐに舞台に釘付けになりました!

今作はフランク・ワイルドホーンさんが曲を提供している作品ですが、どの曲もインパクトがあり印象に残る名曲ばかりでした。
個人的には「僕はデラシネ」「NEVER SAY GOODBYE」「ONE HEART」が特に良かったです。

やはり観ないで評価したり、食わず嫌いの状態は駄目ですね。しっかりと自分自身で確認しなくてはと思いました。
こうなると2006年の初演もDVDで観てみたくなってきます。比べてみるのも面白いかもしれません。

再三書きますが、歌が本当に素晴らしいです。本当に観劇が出来て良かったです。

個人的に良かった点

宙組生のコーラスがエクセレント!

アナスタシア』を観劇した時も感じましたが、宙組生のコーラスのレベルの高さには、本当に舌を巻きます。その団結した歌声には力強さと壮麗さが伴っており、音圧なる【歌圧】に吹き飛ばされそうになりました。

特に1幕最後の「ONE HEART」の場面は迫力があり素晴らしかったです。

これは宙組生1人1人の歌が上手い事の表れとも思います。中にはもしかすると歌が苦手という方もいるかもしれません。しかし、少なくとも今回ソロを少しでも与えられた方々で、歌が「・・・」という方はいませんでした。

厳密に言えば、潤花さんの歌が一部不安定な所はありましたが・・・。

コーラスに関しては今(2022年4月時点)の宝塚で間違いなく、宙組が1番だと断言出来るでしょう。

宙組だからこそ『NEVER SAY GOODBYE』が、上演出来たと言えます。

激高して登場したキャサリンが良かった

潤花さんはキャサリン・マクレガーとペギー・マクレガーの2役を演じています。

キャサリンの役で登場する時、激高した状態で現れます。その理由は自分の書いた脚本が単なるメロドラマにされていたからです。その激高した姿を真風涼帆さん演じるジョルジュ・マルローに、写真を撮られてしまい更に激高してしまいます。

その後、ジョルジュの泊まっている部屋まで無理やり訪ねて、写真を取り戻そうとします。しかし、ここでキャサリンはジョルジュが女を撮るだけの写真家ではない事に気付き、惹かれ始めるのです・・・。

キャサリンが激高して登場した時は、「おぉ・・・、何だか大分怒っているなぁ。でも怒っている姿の潤花さんも綺麗で素敵」と思いながら観ていました。
ジョルジュも「怒った表情の君も綺麗だ(←詳しい台詞は忘れましたが、この様な感じ)」と言っています。ジョルジュも同じ事を思っていて嬉しかった(笑)。

フィナーレの男役のマント捌きには目を奪われた

フィナーレでは男役達がマタドールのマントを持って踊る場面があります。もうこの場面が素晴らしかったです。特に一糸乱れない動きで、マントをオラオラと振り回している所は何回観ても感動するでしょうし、飽きる事は無いでしょう。
この場面を観ただけで、魂を持っていかれそうになる人が現れてもおかしくないでしょう。

このフィナーレは間違いなく、宝塚の歴史に残る名フィナーレの場面と断言しても良いと思います。

1幕目だけで既に一本物の充実さがある

NEVER SAY GOODBYE』は一本物の作品ですが、1幕目だけで既にインパクトのある歌・場面などが沢山詰め込まれています

1幕目最後の「ONE HEART」の歌が終わって、1幕目が終了した時は、既にお腹一杯の状態でした(笑)。この時点で「随分と充実した濃厚な舞台を観た」という気持ちに浸っていたのです。

比べる事ではないかもしれませんが、「1幕目と2幕目、どっちが好き?」と聞かれたら、迷わず「1幕目!」と答えます。

それ程、1幕目には見所や聴き所が沢山あったのです。

個人的に気になった点・イマイチと感じた点

2幕目はあっさりしすぎている

先に、「1幕目だけで既に一本物の充実さがある」と書きましたが、逆に2幕目はフィナーレを除いて、印象が弱い場面が多かった気がします。

また、あれよあれよという間に、物語は急展開します。
特に桜木みなとさん演じるフランシスコ・アギラールは、夏美ようさん演じるコマロフに撃たれて呆気なく亡くなってしまいます。「尺が足りなくなってきたから、ここでフランシスコは亡くなってもらおう」と、次の場面に繋げる為の無理やりな演出の様に感じなくもありませんでした。

全ての場面を印象付ける事は無理だとは思いますが、もう少し1場面1場面を丁寧に描いてほしかったです。

ジョルジュが参加する戦闘シーンは迫力が0

2幕目の終わりの方ではジョルジュも戦闘に参加します。
カメラを置き銃を持ちます。この戦闘の場面はダンスで表現していますが、正直迫力が無く冗長でした。「もっと激しい踊りにして、銃の効果音を使い凄惨な戦場である事を強調するべきだったのでは?」と、観ながら思ってしまいました。

また、ジョルジュが撃たれて亡くなった事も、もっとインパクトのある演出になっていれば良かったと思います。

『NEVER SAY GOODBYE』は名作

個人的にちょっとイマイチな場面はありましたが、今作『NEVER SAY GOODBYE』は名作であると断言して構わないでしょう。
素晴らしい曲が多く、宙組生のコーラスの素晴らしさには膝を打ちます。フィナーレのマント捌きにも目を奪われます。

こんな事を要望するのは早すぎますが、また数年後には再演をしてほしいです。本当に名曲が揃っているので、埋もれてほしくないのです。

NEVER SAY GOODBYE』は宝塚やミュージカルが好きな方なら、是非見るべき作品だと思います。

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ABOUT ME
霜柱
神奈川県在住の30代。ハードロック/ヘヴィメタル(特にメロハー・メロスピ・メロパワ・シンフォニック)と宝塚(全組観劇派)が好きです。 ツイッターも行っており、気儘に呟いています。