宝塚 PR

2000年代に退団した男役で、トップスターになってほしかった方々

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

皆様こんにちは、霜柱です。

宝塚歌劇団にはトップスター制度があり、トップスターになった人だけが大劇場で主演を出来、大羽根を背負う事が出来ます。

トップスターになった方々は、新人公演、バウ公演、外箱での東上公演などで主演を経ています。中にはそれらを経験していない人もいますが、非常にレアなケースと言えるでしょう。

ただ、上記の条件を満たしていれば、皆トップスターになれるかというと、そういう訳ではありません。

スター街道を走りながらも、トップスターになれなかった方はいます。というより、そちらの方が多いです。
トップスターは各組に1人ずつ、組は5組なので、計5人までという事になります。非常に狭い門という訳です。

今回は、スター街道を走りながらもトップスターになれなかった方達を取り上げていきます。
ただ、人数が多いのでまずは2000年代に退団した方達に絞ります。

※因みに取り上げた方達は私の好みや主観で選んでいます。「何であの人が入っていないの?」と思われたら、それは・・・そういう事です(笑)。

※取り上げた方々の全ての出演作を観ている訳ではありません

トップスターになってほしかった人達

汐風幸

1988年に花組公演『キス・ミー・ケイト』で初舞台を踏んだ74期生。
同期には和央ようかさん、森奈みはるさん、麻乃佳世さん、白城あやかさん、渚あきさん、そして後述の初風緑さんなどがいます。

花組に配属後、月組、雪組、専科への異動を経て2003年に退団。

新人公演で3回、バウホールで2回、外箱で1回主演を経験。更に1994年の『風と共に去りぬ』の新人公演ではヒロインに抜擢されています。

私が初めて汐風さんの作品を観たのは月組公演『長い春の果てに』『With a Song in my Heart』です。『長い春の果てに』では女役を演じていたので、女役なのかと思っていました。しかしショーの『With a Song in my Heart』では男役の姿だったので、「えっ、同一人物!?」と驚きました。

汐風さんのお父様は歌舞伎役者の片岡仁左衛門さん、お兄様は同じく歌舞伎役者の片岡孝太郎さんです。その影響があるのかやや歌舞伎っぽい台詞回しが特徴で、真に迫った演技をしていたのが特徴だと思います(歌やダンスもお上手でした)。

お薦めとしてはやはり『長い春の果てに』『With a Song in my Heart』ですね。過去作も少し観ましたが、汐風さんの女役がとても嵌まっている様に思えました

私は観てませんが主演をした『心中・恋の大和路』も評判が良かったようです。

しかし2000年に新専科制度というのが導入され、専科に異動。
(※この新専科制度がどういうものだったのかについては、他の方々が解説してますので割愛します)

「もし、専科に異動してなかったらトップスターになれていたのではないか?」と思ってしまいます。

初風緑

前述の汐風さんと同期の74期生。

花組に配属後、月組、専科への異動を経て2005年に退団。

新人公演で3回、バウホールで2回主演を経験。

初風さんは歌・演技・ダンス、3拍子揃っており、悪役から純粋な青年など様々な役をこなせた芸達者な方でした。

ガラスの風景』のクレマン、『スサノオ』のアマテラスオオミカミ、『エリザベート』のフランツ・ヨーゼフなどどれも上手くて味がありました。変に作り込みをせず自然体に演じている感じがしました。

ビデオで観ただけですが『黒い瞳』のシヴァーブリン、『プロヴァンスの碧い空』のフィリップも良かったです。

しかし意外にもバウでの主演はしても、別箱の東上主演が無かったのが意外ですね(厳密に言えば、ご自身のコンサートで2回主演)。

私は香寿たつきさん、もしくは紫吹淳さんの退団後にトップスターに就任するのかと思っていました。しかし、後任はそれぞれ湖月わたるさん、彩輝直さんでした。彩輝さんは2作目の大劇場公演『エリザベート』で退団を発表したので、今度こそ初風さんがなるかなと思っていましたが、後任は瀬奈じゅんさんでした。

結局トップになる事なく、宙組公演『炎にくちづけを』『ネオ・ボヤージュ』で退団されました。

初風さんも新専科制度の影響を受け、2000年に専科に異動しましたが、それが無ければトップスターになっていただろうと思います。

樹里咲穂

1990年に花組公演『ベルサイユのばら-フェルゼン編-』で初舞台を踏んだ76期生。
同期には彩輝直さん、純名里沙さん、風花舞さん、月影瞳さん、星奈優里さん、寿つかささん、高翔みず希さんなどがいます。

初舞台後は月組に配属。その後、宙組、専科への異動を経て2005年に退団。

バウホールで1回、外箱で2回主演を経験してますが、新人公演での主演は無し。

樹里さんはスタイルが良く、実力もある方でした。それなのに新人公演で主演をしていなかったというのには驚きました。

また、ブックオフで『EL DORADO』の公演プログラムを立ち読みした時(←買いなさい、笑)、樹里さんの番手に「えっ!?」となったのです。
後輩の成瀬こうきさんと大和悠河さんに抜かされていたのです!
成瀬さんも大和さんも素敵な方ですが、まさかこの2名に先を越されていたとは思いませんでした(そういえば、ビデオで『EL DORADO』を見た時、階段降りで樹里さんは真ん中から降りてきましたが、歌っていませんでした・・・)。

何故、樹里さんはそんな不遇な扱いを受けたのでしょうか?
見た目を実力も悪くない・・・。

ご存じの方がいましたら教えてほしいです。

樹里さんの代表作となるとやはり退団公演の『Ernest in Love』でしょう。樹里さんのコメディセンスが光っていました
他には専科時代に花組に出演した『マラケシュ・紅の墓標』『エンター・ザ・レビュー』も良かったですね。

あぁ、樹里さんがトップになった姿も観たかった・・・。

成瀬こうき

1991年に月組『ベルサイユのばら-オスカル編-』で初舞台を踏んだ77期生。
同期には春野寿美礼さん、朝海ひかるさん、安蘭けいさん、花總まりさん、そして後述の汐美真帆さんなどがいます。

初舞台後は月組に配属。その後、雪組、専科への異動を経て2002年に退団。

主演は新人公演で4回、バウホールで2回(ただ2回ともW主演)経験。東上主演は無し。

成瀬さんは172cmの高身長でスタイルが良く、はっきりしたお顔立ちのスターでした。

私が成瀬さんを初めて観たのは雪組公演『追憶のバルセロナ』『ON THE 5th -ヴィレッジからハーレムまで-』でしたが、その作品が成瀬さんの退団作品でした(泣)。

他の作品は後になって幾つかビデオで観ました。ただ見て思ったのは「成瀬さんはあまり良い役柄に恵まれていない」という事です。「格好良い!」とか「素敵!」と思える役柄が無かったのです・・・。

成瀬さんも新専科制度の煽りを受け、トップスターにならずに退団しました。

作品や運に恵まれなかった印象が私の中では強いです。せめてもっと良い役を与えてほしかったと改めて思います。

汐美真帆

前述の成瀬さんと同期。

初舞台後は雪組に配属。その後、月組、星組への異動を経て2004年に退団。

バウホールと東上でそれぞれ1回主演を経験(但しW主演)。新人公演での主演は無し。

汐美さんは味のある演技派の男役で、どんな役もこなしました
Practical Joke』のピエール、『ガイズ&ドールズ』のビッグ・ジュール、『王家に捧ぐ歌』のウバルドなど、どれも真に迫った演技でした。

星組に異動した後は3番手まで来たのですが、トップスターにならずに退団。
ただ、汐美さんはどちらかというとスター候補ではなく、脇を固めるタイプだったのかもしれません。もし組長になっていたら、渋みやいぶし銀の様な演技を観る事が出来たかもしれないですね。

夢輝のあ

1992年に雪組公演『この恋は雲の涯まで』で初舞台を踏んだ78期生。
同期には瀬奈じゅんさん、貴城けいさん、大空祐飛さん、檀れいさんなどがいます。

初舞台後は雪組に配属。その後、宙組、星組への異動を経て2003年に退団。

新人公演で2回、バウホールと東上で1回ずつ主演を経験。

夢輝さんは華のあるスターでしたが、どちらかというと陽より陰のタイプだった印象があります。良い役よりも悪役や一癖ある役の方が上手かったです。

特に『プラハの春』のヘス中佐ははまり役だったと言えるでしょう。
この様な役を演じる事が出来る方は、なかなかいないと思います。

夢輝さんもその内にトップスターになると確信していました。しかし、まさかの当時の星組トップコンビ、香寿たつきさん、渚あきさんと一緒に退団・・・。

「えっ! どうして!?」と叫びそうになりました(笑)。まだまだこれからという所での退団は本当に悲しかったです。
因みに今でも、何故夢輝さんがトップスターにならずに辞めたのかと思っています。

夢輝さんなら絶対にトップスターになれたのに・・・。

立樹遥

1993年に月組公演『グランドホテル/BROADWAY BOYS』で初舞台を踏んだ79期生。
同期には水夏希さん、大鳥れいさん、未来優希さん、越乃リュウさん、美稀千種さんなどがいます。

初舞台後は雪組に配属。その後、星組への組替えを経て2009年に退団。

新人公演で1回、バウホールで1回主演を経験。この他に壮一帆さんと音月桂さんとトリプル主演をバウホールでした事もあります。

立樹さんは背が172cmと高く華のある男役でした。特に明るい笑顔がとても良く、見ているとこちらも笑顔になれそうだったのです。

見た目も良く、歌・演技・ダンス、どれも上手かったです。しかし、何故かあまり前面には出てこなかった印象がありました。

安蘭けいさんがトップスターに就任後、2番手になったのは6期下の柚希礼音さんでした。確かに柚希さんは新人の頃から注目されていましたし、そのスター性には一目置かれていました。
しかし、そうではあっても柚希さんに抜かされた事に関して、少なからず驚いたのは事実です。

柚希さんに抜かされた後は、涼紫央さんと2人で1人みたいな扱いを受けていた様に思えました。ファンとしてはつらかったと思います。

立樹さんのトップは難しいかな・・・」と思っていたら、案の定(と言ったら失礼かもしれませんが)安蘭さんと一緒に退団されました。

運が悪かったのかもしれませんが、今思うと立樹さんには「これだ!」という決め手に欠けていたという気がします。

朝澄けい

1994年に花組公演『ブラック・ジャック-危険な賭け-/火の鳥』で初舞台を踏んだ80期生。
同期には霧矢大夢さん、千ほさちさん、彩吹真央さんなどがいます。

初舞台後は星組に配属。組替え経験は無し。2003年に退団。

新人公演で2回、バウホールと東上で1回ずつ(但しW主演)の主演を経験。

朝澄さんは面長でスッキリとしたお顔が特徴の男役でした。スター性もありキラキラと輝いていました

私は『プラハの春』『LUCKY STAR』で初めて朝澄さんを観て、「この方とても素敵!」と感じました。しかし、次の大劇場公演『ガラスの風景』『バビロン -浮遊する摩天楼-』で、香寿さん、さん、夢輝さんと一緒に退団してしまったのは、本当にショックでした。

当時まだ研8。これからまだまだ活躍をして、トップスターになると思っていたので、このニュースは悲しかったです。

夢輝さんと同じく、今でも「何故あの時辞めてしまったのだろう?」と考えてしまいます

本当に見栄えのある男役だったので、早めに辞めてしまったのは残念です。

月船さらら

1996年に月組公演『CAN-CAN/マンハッタン不夜城-王様の休日』で初舞台を踏んだ82期生。
同期には蘭寿とむさん、壮一帆さん、紺野まひるさん、遼河はるひさん、美風舞良さんなどがいます。

初舞台後は月組に配属。その後、宙組、月組への異動を経て2005年に退団。

新人公演で3回、バウホールで2回、東上で1回主演を経験。

月船さんの魅力と言ったら、見た目の可愛らしさでしょう。その愛くるしい姿は目を引きました。しかしそれだけでなく確かな演技力でも、観客の心を掴んでいました

私は観てませんが2003年に主演をした『なみだ橋えがお橋』は評判が良かったとの事です。因みにこの作品の本当の主演は霧矢大夢さんだったのですが、病気により休演してしまい、月船さんが代役主演をする事になりました。

しかし、この作品は月船さんにとって出世作と言えるでしょう。

その後も月組で活躍していましたが、2005年『JAZZYな妖精たち』『REVUE OF DREAMS』でまさかの退団・・・。

フェイクニュースだと思いましたよ、私は。

しかし、現実でした。
「どうして!? まだまだこれからという時に!?」と悲しい気持ちに襲われました。

そのままいたらトップは確実だった筈なのに・・・今でも残念で仕方がありません。

七帆ひかる

1999年雪組公演「再会/ノバ・ボサ・ノバ」で初舞台を踏んだ85期生。
同期には柚希礼音さん、映美くららさん、奏乃はるとさんなどがいます。

初舞台後は宙組に配属。組替えの経験は無し。2009年に退団。

新人公演で2回、バウホールで1回主演を経験。

七帆さんは175cmという高い身長と切れ長の目が持ち味の男役でした。
また、歌・演技・ダンス、実力も3拍子揃っていました。特に自然体な演技が良かったです。

私としては『バレンシアの熱い花』で演じたドン・ファンが印象に残っています。

七帆さんもスター街道を走っていた筈ですが、当時の宙組トップコンビ、大和悠河さん、陽月華さんと一緒に退団をしてしまった事は驚きを隠せませんでした。

まだまだ七帆さんの活躍が観たかったので、とても寂しかったです。

もし七帆さんが辞めずにいたら、柚希さんに次ぐ、85期生のトップスターになっていたでしょう。

和涼華

2000年花組公演『源氏物語 あさきゆめみし/ザ・ビューティーズ!」で初舞台を踏んだ86期生。
同期には凰稀かなめさん、陽月華さんなどがいます。

初舞台後は宙組に配属。その後、星組への組替えを経て2009年に退団。

新人公演で2回主演を経験。バウホールなどでの主演は無し。

さんは、やや彫りのある綺麗なお顔の男役でした。ちょっと早霧せいなさんを濃くして男っぽくした感じですね。

私の中でさんというと『スカーレット・ピンパーネル』のアルマン・サン・ジュストが印象に残っています。

この『スカーレット・ピンパーネル』では上級生の立樹遥さんや涼紫央さんよりも目立っていたので、「もしかしたら柚希さんがトップになった時は、立樹さんとさんを抜かして2番手になるかも」と立樹さんとさんのファンが聞いたら怒りそうな事を考えていたのです(笑)。

しかし・・・そうはならず当時の星組トップコンビの安蘭けいさん、遠野あすかさんと一緒に退団。

「まだバウホールでの主演もしていないのに・・・。辞めるには早すぎる!」と悲しい気持ちになりました。

さんも辞めずにいたら、間違いなくトップスターになっていたでしょう。本当に惜しいです。

簡単なまとめ

以上の方々が私にとって2000年代に退団した男役スターの中で、トップスターになってほしかった方々です。

どの方々もそれぞれ魅力的なので、誰が1番良いかなんて決められません。

皆様は上記の方々で思い入れのある方はいましたか?
それとも「いや、私はこの方にトップスターになってほしかった」という方がいますか?

いずれにせよ、トップスターになるのは大変な事で一部の人しかなれないというのが分かりますね。

お読み頂きありがとうございました。ブログ村に参加しています。
にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 宝塚歌劇団へ
にほんブログ村

ABOUT ME
霜柱
神奈川県在住の30代。ハードロック/ヘヴィメタル(特にメロハー・メロスピ・メロパワ・シンフォニック)と宝塚(全組観劇派)が好きです。 ツイッターも行っており、気儘に呟いています。