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2010年代に退団した娘役で、トップ娘役になってほしかった方々【PART.1】

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皆様こんにちは、霜柱です。

私はこの間『2000年代に退団した娘役で、トップ娘役になってほしかった方々』という記事を書きました。

今回は2010年代に退団した娘役スターに絞って書いていきます。
ただ、結構人数が多くなったので、【PART.1】と【PART.2】に分けます。

今回は【PART.1】です。

※取り上げた方々は私の好みや主観で選出

※取り上げた方々の全ての出演作を観ている訳ではありません

個人的にトップ娘役になってほしかった方々

花瀬みずか

1995年に星組公演『国境のない地図』で初舞台を踏んだ81期生。
同期には真飛聖さん、大和悠河さん、ふづき美世さん、舞風りらさん、悠真倫さんなどがいます。

初舞台後は月組に配属。組替えの経験は無し。2013年に退団。

新人公演で5回、バウホールで1回のヒロインを経験。

花瀬さんは上品な美しさで目を引きました。大人っぽい雰囲気もあったので、どの様な役も麗しげだったのです。

その為、当時の月組トップ娘役、檀れいさんの後任に名前が挙がっていたと思います。しかし後任者は星組から異動した映美くららさんでした。

映美さんは花瀬さんより4期下です。悔しい気持ちを味わったと思いますが、映美さんの後任に選ばれる事もありませんでした(映美さんの後任者は、宙組から異動した彩乃かなみさんで、花瀬さんより2期下)。

恐らく映美さんがトップ娘役に就任した時点で、花瀬さんのトップ娘役への道は完全に断たれた。そう言って良いでしょう。

何故、花瀬さんはトップ娘役になれなかったのでしょうか?
まずは運とタイミングが悪かった、これが1番の原因だと思います。

しかし、実力的にも正直課題はありました。
まず、歌はあまり上手くありません。退団公演の『ベルサイユのばら-オスカルとアンドレ編-』 ではエトワールを務めていますが、声が震えており音程も怪しい所があります。

演技やダンスは悪くはなかったですが、特段良いという訳でもありませんでした。

そういった事が積み重なって、トップ娘役の座に就けなかったのだと思います。

しかし副組長にはなりました。そのまま残って組長になり月組を纏めていく存在になってほしかったです。

琴まりえ

1997年に雪組公演『仮面のロマネスク/ゴールデン・デイズ』で初舞台を踏んだ83期生。
同期には彩乃かなみさん、紫城るいさん、愛音羽麗さん、悠未ひろさんなどがいます。

初舞台後は星組に配属。組替えの経験は無し。2010年退団。

新人公演で2回、バウホールで1回、日本青年館で1回ヒロインを経験。

さんは現代的な可愛らしい娘役でした。星組の顔とも言える娘役で退団された時は、一時代が終わった様な気持ちになりました。

個人的に印象に残ってるさんの作品は、まず『スカーレット・ピンパーネル』です。シュザンヌという貴族の役を演じており、ソロもあり目を引きました。
もう1つはビデオで観ただけですが『夢・シェイクスピア -夏の夜の夢-』のセリーです。ちょっと気が強くて我儘な女の子の役を、上手く演じていました。

さんも最初は娘役スター街道を走っていたと思いますが、いつの間にか外れてしまいました。何故なれなかったのでしょうか?

実力も見た目も悪くはありません。しかし特筆する物もありません

それ故か、下級生の白羽ゆりさん、陽月華さん、夢咲ねねさんに抜かされていくという状態になりました。

恐らく白羽さんが星組トップ娘役に就任した時点で、さんがトップ娘役になれるチャンスは無くなってしまったのでしょう。

何かしら他の方よりずば抜ける物があれば、チャンスはあったのかもしれません。

桜一花

1999年雪組公演「再会/ノバ・ボサ・ノバ」で初舞台を踏んだ85期生。
同期には柚希礼音さん、映美くららさん、七帆ひかるさん、奏乃はるとさんなどがいます。

初舞台後は花組に配属。組替えの経験は無し。2014年退団。

新人公演、バウなどでのヒロイン経験は無し。

さんと言えば、その愛くるしいお姿が印象的な娘役です。その可愛らしさに癒される程でした。

しかし1度も新人公演や外箱などでヒロインに抜擢されていません。何故こんなに可愛らしい桜さんが抜擢されなかったのか不思議でなりませんが、劇団側は最初からトップ娘役にさせる気は無かったという事なのでしょう。

さんの出演作で印象に残っているのは色々ありますが、1番は『Ernest in Love』のセシリイです。このセシリイは城咲あいさん、城妃美伶さん、音くり寿さんも演じていますが、個人的にはさんが1番似合っていると思います。
観た事が無い人は是非観てほしいですね。

打って変わって『オーシャンズ11』のクィーン・ダイアナや、『エリザベート』のゾフィーでは、歌を活かした迫力さがありました。
新人の頃は歌はあまり上手くありませんでしたが、上級生になるにつれ上手くなってきたので、より表現の幅が広がったと言えます。

当時の花組副組長、悠真倫さんが専科に異動した時、さんが副組長になると予想していましたが、就任したのは1期下の紫峰七海さんでした。

花組でまだまだ活躍が出来ると思っていたので、2014年に『エリザベート』で退団をされたのは本当にショックで寂しかったです。

大湖せしる

2002年に星組公演『プラハの春/LUCKY STAR!』で初舞台を踏んだ88期生。
同期には紅ゆずるさん、朝夏まなとさん、桜乃彩音さん、春風弥里さん、後述の花影アリスさんなどがいます。

初舞台後は雪組に配属。組替えの経験は無し。2016年に退団。

新人公演で1回主演を、娘役に転向後はバウホールで2回、シアター・ドラマシティで1回、赤坂ACTシアターで1回ヒロインを経験。

大湖さんは元々男役でした。ハッキリとしたお顔立ちと確かな演技力で観客を引き付けていました
ロミオとジュリエット』では愛を演じ、普段の男役の時は違う魅力や魅惑が溢れており、「大湖さんはこの様な事も出来るのか」と思っていたのです。

ただ、男役の時はあまり良い役に恵まれていなかった様な気がします。

そんな中、2012年に娘役に転向というニュースが流れました。
これは当時大ニュースになったと思います。研11の時に転向したのですからびっくりです。

しかし、個人的には娘役に転向して良かったと思います。男役の時もそうでしたが、娘役の時の方がより色っぽく艶っぽくなったので、魅力を存分に発揮出来たと思います。

大湖さんの出演作品で特に良いのはまず、『Shall we ダンス?』で演じたバーバラです。ダンスに命をかけている気の強い女性で、もう大湖さんにピッタリの役でした。他の娘役が霞んでしまうくらい強烈な存在だったので、とても印象に残っています。

もう1つは『ルパン三世 -王妃の首飾りを追え!-』で演じた峰不二子です。私は原作を観てはいませんが、とても色っぽく魅惑的なキャラクターに仕上がっていたと思います。
男役から転向した大湖さんだからこそ出来た役だと言えるでしょう。

娘役に転向してからはバウホールでヒロインをしたりしたので、もしかしたら遅咲きでトップ娘役になるかなと期待してましたが、残念ながらそうはならず2016年の『るろうに剣心』で退団してしまいました。

最初から娘役、もしくはもっと早目に娘役に転向していたらトップ娘役になれたでしょうか?

ただ、大湖さんの娘役は色っぽくて綺麗ですが、健気さや可憐さはありません
もしかすると、それも原因の可能性はありますね。

花影アリス

前述の大湖さんと同期の88期生。

初舞台後は宙組に配属。組替えの経験は無し。2010年に退団。

新人公演で4回、バウホールで2回、梅田芸術劇場で1回、外部の舞台で1回ヒロインを経験。

花影さんと言ったら、その華奢で可愛らしい風貌で目を引き、花總まりさんに似ているお姿でも注目を浴びていました。
4回も新人公演でヒロインに抜擢されているので、劇団側からは当初期待されていた事が分かります。

出演作で好きなのは『Paradise Prince』で演じたマーガレットです。可愛らしさの中に可憐さや儚げさがありました。

花影さんより上級生だった和音美桜さん、美羽あさひさんという宙組の娘役スターが相次いで退団した際、花影さんが陽月華さん(当時宙組トップ娘役)の後任者になると思った人もいるでしょう。

しかし抜擢されたのは花組から異動してきた野々すみ花さんでした。花影さんより3期下です。

その後、バウホール公演『Je Chante』でヒロインになっていたので、野々さんの次に、今度こそトップ娘役になってほしいと願っていましたが、それは叶わず2010年『TRAFALGAR』『ファンキー・サンシャイン』で退団してしまいました。

花總さんに似ているという強さを持っていたのに、何故トップ娘役になれなかったのでしょうか?
私が思うに実力だと思います。演技やダンスは良いのですが、歌が弱い印象がありました。

とは言っても辞めた時は研9です。もう2~3年残っていたら実力もついて、チャンスが来ていたかもしれません。

今でも花影さんのトップ娘役になった姿を想像してしまいます。あぁ、辞めるには早すぎた・・・。

白華れみ

2003年に月組公演『花の宝塚風土記-春の踊り-/シニョール ドン・ファン』で初舞台を踏んだ89期生。
同期には明日海りおさん、望海風斗さん、夢咲ねねさん、七海ひろきさん、羽桜しずくさん、後述の純矢ちとせさん、愛花ちさきさんなどがいます。

初舞台後は月組に配属。その後、花組への組替えを経て、2012年に退団。

新人公演で2回、バウホールで5回、日本青年館で1回ヒロインを経験。

白華さんは可憐さと儚げな雰囲気を持った綺麗な娘役です。しかし見た目だけでなく、歌・演技・ダンス、3拍子揃った実力派でもありました。

出演作品で特に印象に残っているのは『メイちゃんの執事』のルチアです。最初気の弱そうな感じで出てきますが、これがなかなかの曲者(笑)。怪演技を必要とする場面もあり、とても演技が難しい役だったと思いますが、白華さんはこれを見事に演じ切っていました。ヒロイン作ではありませんが、白華さんの代表作と言って間違いないでしょう。

もう1つは『めぐり会いは再び』のリゼットです。夢咲ねねさん演じるシルヴィアの侍女の役で、そのシルヴィアに振り回されたりしています。おどおどした感じの役柄もピッタリと合っていました。

JAZZYな妖精たち』 の時、「この綺麗な娘役は誰だろう?」と注目していました。その後、少しずつ目立つ役が与えられるようになりました。
どんどん活躍してくれるだろう期待した矢先、花組へ組替えしました。2008年の事です。

あくまで私の印象ですが、花組に異動してから白華さんの待遇が悪くなった気がしたのです。2期下の野々すみ花さんの方を圧倒的にプッシュしている感が全面に出ていたと感じました。

ですので、個人的には白華さんの花組時代は暗黒時代だと解釈しています(笑)。

2010年に星組へ異動しましたが、星組生になってからは再び扱いが良くなったのでホッとしました。
しかしホッとしたのもつかの間、2012年の大劇場公演『ダンサ セレナータ』『Celebrity』でまさかの退団発表。

フェイクニュースだと思いたかったです。まだ星組に来てから2年しか経っておらず、まだまだ活躍が出来、白華さんの力が必要な時に去ってしまったのですから、もうショックでした。

白華さんがトップ娘役になれなかったのは、ただ運とタイミングが悪かったのかもしれません。
でも、もう2~3年在籍していたら、運命は変わっていた可能性があった・・・と思いたいです。

純矢ちとせ

前述の白華さんと同期の89期生。

初舞台後は雪組に配属。その後、宙組への組替えを経て、2019年に退団。

バウホールで2回、赤坂ACTシアターで1回ヒロインを経験。新人公演でのヒロイン経験は無し。

純矢さんは最初は男役でしたが、2005年に娘役に転向しています。転向してすぐバウホールでヒロインに抜擢されてますが、活躍し始めたのは宙組に異動してからだと思います。

歌・演技・ダンス、3拍子揃った実力派で、宙組にいなくてはならない存在でした。

出演作で個人的に好きなのはまず、『王妃の館-Château de la Reine-』で演じた早見リツ子です。仕事一筋のバリバリの編集者の役で、この役を面白みを交えながら演技していたのが印象に残っています。

TOP HAT』で演じたマッジ・ハードウィックも良かったですね。夫を尻に敷いている、ちょっと気の強い奥さんの役でしたが、相手役の七海ひろきさんとはこれでもかという程、息ピッタリで、観客を魅了し笑いを取っていました。

純矢さんの舞台での実力は目を見張るものがありました。ただ、大湖さんと同じ様に健気さや可憐さはありません。どの様な役もこなせますが、どちらかというと気の強い役、どっしりとした役の方がお似合いでした。

個人的には純矢さんの様なトップ娘役がいても良いとは思いましたが、やはりヒロインという雰囲気ではなかったのか、トップ娘役になる事はありませんでした。
バウホールで2回ヒロインに抜擢されたのは僥倖だったのでしょう。

可憐さや健気さを持ち合わせていたら、もしかしたら運命は変わっていた・・・かな?

愛花ちさき

前述の白華さん、純矢さんと同期の89期生。

初舞台後は宙組に配属。組替えの経験は無し。2014年に退団。

新人公演で2回ヒロインを経験。バウや外箱でのヒロイン経験は無し。

私が愛花さんに注目したのは『Paradise Prince』の時です。台詞が多く「この娘役は誰だろう?」と注目していました。この頃は研6です。
ちょっと気が強そうな雰囲気ですが、華がある方だと思っていました。

愛花さんの出演作で個人的に好きなのは、まず『銀河英雄伝説@TAKARAZUKA』で演じたアンネローゼ・フォン・グリューネワルトです。主人公の姉の役で、優しく可憐で慎ましい感じの佇まいが素晴らしかったです。この様なお姉さんなら私も欲しい(笑)。

モンテ・クリスト伯』で演じたエルミーヌも印象に残っています。「早く孫の顔を見せて!」と嫁いびりされている役でした。気の弱い思った事を言えない性格なのかと思っていました。しかし最後にプッツンしてしまい(笑)、別人の様になり姑に唾までかけてしまいます。
「おぉ! 愛花さんはこういう役も出来るのか!」と観ていて驚きました。

愛花さんも色々な役をこなす事が出来ます。しかし『風と共に去りぬ』では、令嬢という役名が無い役でした。「この扱いは酷くない!?」と愛花さんのファンなら思ったでしょう。

それが関係したかどうかは分かりませんが、その次の大劇場作品『ベルサイユのばら-オスカル編-』 で退団してしまいました。

見た目は悪くないですし、演技やダンスも上手いです(歌は正直、ちゃんと聴いた事がありません)。

しかし愛花さんには「これだ!」という強みが無かったのかもしれません。悪くは無いのですが特別に何かに突出している訳でもない。ですので、他の娘役スターと比べるとインパクトに欠けていた気がします

それが原因なのかもしれません。

簡単なまとめ

個人的にトップ娘役になってほしかった方々を書きましたが、特に強く推したいのは大湖せしるさん、花影アリスさん、白華れみさんです。

この3名のトップ娘役になった姿は今でも「観たい!」と望んでしまいます。

トップスターもそうですが、トップ娘役になるにも相当難しい事です。
宝塚歌劇団は他の劇団と比べると、運の要素が強い気がします。特に娘役の場合は。

その時に合いそうな相手役がいなかったことによって、いたとしても、その時点でのトップ娘役に就いている方が辞めない限り、その座は空きません。その為、結局はタイミングを逃してトップ娘役になれなかった、その様な方が多いと思います。

舞台役者なので当然舞台に立つ上での実力は必要です。しかしトップ娘役になるにはそれだけでは駄目で、見た目で引き付けるスター性も必要だと思います。

必ずという訳ではありませんが、トップ娘役になれた方となれなかった方では、スター性に差がある様な気がしますね。

う~ん、トップ娘役への道は険しい・・・。

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ABOUT ME
霜柱
神奈川県在住の30代。ハードロック/ヘヴィメタル(特にメロハー・メロスピ・メロパワ・シンフォニック)と宝塚(全組観劇派)が好きです。 ツイッターも行っており、気儘に呟いています。