皆様こんにちは、霜柱です。
先日、東京宝塚劇場で宙組公演『HiGH&LOW-THE PREQUEL-』『Capricciosa(カプリチョーザ)!!-心のままに-』を観劇して参りました。
今回は、TAKARAZUKA MUSICAL ROMANCE『HiGH&LOW-THE PREQUEL-』(脚本・演出:野口幸作)の感想を書いていきます。
上手く宝塚ナイズされた作品になっている
原作の『HiGH&LOW』はテレビドラマから始まりその後、映画化、漫画化、ゲーム化され、現在も続いている人気の作品です。
しかし私は『HiGH&LOW』という作品がある事を知りませんでした。ですので原作を観てみようと思いましたが、長くシリーズ化されているので観るのは断念しました。
個人的な事ですが、私はシリーズ物は苦手で、テレビドラマや続編のある映画を最後まで観た試しがありません(笑)。
原作物と言えば、雪組公演『CITY HUNTER-盗まれたXYZ-』の時もそうでしたが、演目が発表された時、宝塚ファンはざわつきました。
「これをどうやって宝塚でするの?」「宝塚に合わないんじゃないか?」という意見が多かったと思います。
私は原作は観てませんがWikipediaで『HiGH&LOW』のあらすじを読みました。しかし「う~ん、抗争の話かぁ・・・」と首を傾げてしまいました。
本音を書きますと、あまり期待はしてませんでした。
しかし、いざ観劇をしてみたらとても迫力があり、映像の力も相俟って上手く宝塚ナイズされた作品になっていたと思います。
いつもより乱闘のシーンが多かったり、勇ましい娘役達が目立ったりしたので、人によっては宝塚らしくないと思う方もいるかもしれません。
逆に『HiGH&LOW』のファンにとっては、抗争のシーンが少なくて物足りなく感じるかもしれません。
また、感動や涙がある訳ではないので、その様な作品を求める人にとっても、もしかしたら受け入れ難い作品とも言えます。
ですので、好き嫌いがハッキリと分かれる作品になると思います。『CITY HUNTER-盗まれたXYZ-』以上に(笑)。
ですが、この様に宝塚が色々な内容・ジャンルに挑戦したりコラボしたりする精神はとても素晴らしい事だと言えます。
守りに入るのではなく、新しい風を入れていこうとする体制をとっているからこそ、宝塚歌劇団は100年以上続いたと思うのです。
良かった点
冒頭の大階段のシーン
今作には5つの勢力(山王連合会、White Rascals、RUDE BOYS、達磨一家、鬼邪高校)が出てきます。その勢力がそれぞれ鬼邪高校→達磨一家→RUDE BOYS→White Rascals→山王連合会の順番で大階段に登場します。
この時の登場シーンの格好良さはインパクトがあり圧巻でした。「おぉ! 遂に始まった!」という高揚した気持ちになったので、オープニングとしての掴みは充分だと言えます。
White Rascalsの舞踏会のシーン
各勢力にはテーマ曲の様なのがありますが、White Rascalsの曲が個人的には1番惹かれました。
妖しさと美しさを併せ持つ魅力的な曲で、まるでシンフォニック・メタルの様でした。
いえ、「様で」ではなく「そのもの」と言って良いでしょう。
このシーンだけでソフトクリーム5個はいけます(笑)。
この曲は是非CROSS VEINに演奏してほしいですね。
RUDE BOYSの登場のシーン
身寄りの無い深い闇を抱えた人達が集まる治外法権の街、無名街。RUDE BOYSのメンバーはこの地域を治めています。他の勢力よりも貧しく暗い雰囲気というのが特徴です。
しかし、曲は1番ダンサブルでノリも良いので、一緒に踊って歌いたくなります。動きは激しいのですぐ息切れしそうですが(笑)。
この落差が印象に残りました。
イマイチな点
登場人物が似通っているかも
どんなストーリーでも様々なキャラクターが登場します。もちろん今作でもそうです。
性格や言動、立場などが違うキャラクターが沢山登場し、物語が進んでいきます。
ただ、今作はあまり登場人物に個性がないかもしれません。勿論、それぞれ性格や言動、立場、衣装、雰囲気などは異なっています。
それでも他の作品と比べると、何だかどのキャラクターも似た様な感じになっている様に感じました。
1番印象に残ったのは寿つかささんのナレーターかも(笑)。
終盤の苦邪組のアジトのシーン
最初に書いた5つの勢力の他に苦邪組(クジャク)という勢力も出てきます。
しかし、苦邪組は自分自身の為ならどんな事でもする根っからの悪で、5つの勢力を争わせて自身の勢力が覇権を握ろうとします。
5つの勢力は苦邪組を潰す為に、乗り込んで乱闘になりますが、このシーンがハッキリ言って緊迫感が無く、ただごちゃごちゃしているだけの様に観えたのです。
この苦邪組に乗り込むシーンは見所のシーンと言っても良い筈なのですが、正直見応えはあまり感じませんでした。
先に書きましたが、ごちゃごちゃしているだけのうるさいシーンの様に観えてしまったのが残念です。
とは言っても、これは舞台上の宙組生の責任という訳ではなく、演出に問題があったと思います。
さて、良かった点もイマイチな点も書きましたが、どちらにせよ印象に残る作品だとは思います。
「観たけど、帰りの電車に乗ったら、内容も登場人物も歌もサッパリ忘れた」なんて事にはならないでしょう(笑)。
そういえば、私が今作『HiGH&LOW-THE PREQUEL-』を観た日は、若い(10代後半~20代前半)男性のお客がいつもより多かった気がします。
友人同士で来ている人達が多く、あくまで私の勘ですが宝塚ファンではない様に見えました。
彼等が今作を観て、宝塚ファンになってくれると良いですね。
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