皆様こんにちは、霜柱です。
私は先日、東京宝塚劇場で宙組公演『カジノ・ロワイヤル~我が名はボンド~』(脚本・演出:小池修一郎)を観劇しに行って参りました。
観劇した際の感想を中心に書いていこうと思います。
劇場の様子
公演の感想の前に東京宝塚劇場の様子を書きます。
コロナ禍になってから、東京宝塚劇場もコロナ対策をしていました。しかし、2023年5月8日からコロナが5類(インフルエンザと同じ扱い)になってから、劇場の様子はコロナ前の様に戻ってきました。
まずは、劇場の入口には消毒アルコールと検温器がありましたが、それらが撤去されていました。また、入口でスタッフがチケットを確認する際、コロナ禍の時は自分自身でチケットをスキャンしていましたが、今はスタッフがしてくれる様になりました。
この時点で既に「あぁ、前の様になってきたなぁ」と思っていましたが、やはり1番は2階にある喫茶・ラウンジ 『Café de Repos』が再開した事でしょう。
久しぶりに営業を再開した事もあって、盛況でしたね。
私は使用しませんでしたが、ブランケットとオペラグラスの貸出も再開していました。
本当に以前の状態に戻ってきてとても嬉しい限りです。
ただ、スタッフの方々はまだ全員マスクをしています。観客はマスクを着けるか否かは自身の判断でOKですが、殆どの方々がしていました。
因みに私もまだマスクはしたままです。外しても良いのだと思いますが、マスクを着ける環境に慣れてしまった為、外しにくくなってしまったのです。今後外すかどうかは、その時の状況や体調によるかもしれませんね。
オーケストラピットにも、まだ蓋がしたままです。早くそこが解放されてオーケストラの方々が伸び伸びと演奏出来るようになる事を祈っています。
一部はまだ元に戻っていませんが、大体はコロナ前の様に戻ってきているので、段々と元の状態になる日も近いでしょう。
宙組公演デザート『酢っパイん!』の販売
『Café de Repos』では飲み物や軽食が販売していますが、外せないのは公演中の間に期間限定で販売している公演デザートでしょう。
今回は宙組公演『カジノ・ロワイヤル~我が名はボンド~』に因んで、『酢っパイん!』(税込¥500)が販売しています。
私も頂きました。
ホイップクリーム、ドライクランベリー、洋ナシ、チーズケーキ、パイナップル酢ゼリー、ヨーグルトババロアが使用されています。
頂く前は「とても酸っぱいのかな?」と思っていましたが、全然酸っぱくありません。ゼリーにはお酢が入っている様ですが、お酢の味は感じなかったですね。
ですので、酸っぱいのが苦手な方でも平気だと言えます。
使用されていた具材の中ではヨーグルトババロアが1番美味しかったです。ババロアの食感と、ちょっと酸味のあるヨーグルトの味が見事に相性が良かったと思いました。
もうペロッと頂いてしまいました(笑)。
公演の感想
さて、ここから今回の宙組公演『カジノ・ロワイヤル~我が名はボンド~』の感想について書いていきます。
※因みに私は原作の小説や映画は未拝見です。
良くも悪くもない・・・
今回はイアン・フレミングの小説『007/カジノ・ロワイヤル』が原作です。映画化もされており人気の作品となっています。
海外は分かりませんが、少なくとも日本では宝塚が『007/カジノ・ロワイヤル』を最初に舞台化しました。
スパイ物なので、心理戦やアクションシーンが沢山ある息を吞む作品かと最初は思っていました。しかし、なかなかのトンチキ作品らしく、それを聞いて「どんな風に仕上がっているのだろう?」と期待と不安が募りました。
そして、いざ舞台を観たら・・・。
う~ん、何て言えば良いのでしょうね。ちょっと感想が難しい作品です。決して駄作ではないですが、手放しで称賛する程の名作でもありません。
私は原作を拝見していませんが、もし原作を読んだ方がこの作品を観たら「なんじゃこりゃ・・・」と思うでしょう。
単に色物作品として観ればアリだと思いますが、わざわざ『カジノ・ロワイヤル』という作品でする必要があるのかと言われれば、疑問を抱かずにはいられないと思います。
よく「トップスターの退団作品に良作なし」と言われますが、残念ながら『カジノ・ロワイヤル』もそれに当て嵌まってしまう様に感じました・・・。
もう少し何とかならなかったものですかねぇ。
パロディやオマージュが沢山出てくる
今作には過去作品のパロディやオマージュが色々出てきます。
『神々の土地』『エリザベート』『オーシャンズ11』『シャーロック・ホームズ-The Game Is Afoot!-』『LUNA-月の伝言-』などの場面や台詞をパロディ/オマージュして、今作のあちらこちらに使われていました。
芹香斗亜さんが演じるル・シッフルがラスプーチンに扮して登場する場面がありますが、これは『神々の土地』で愛月ひかるさんが演じたラスプーチンを彷彿とさせます。
『エリザベート』にはルドルフというキャラクターが登場し、彼とトートが歌う「闇が広がる」という曲があります。その曲に❝皇帝ルドルフは立ち上がる❞という歌詞があるのですが、それを❝皇帝ゲオルギーは立ち上がる❞に変えて、寿つかささんが演じるゲオルギー・ロマノヴィッチ・ロマノフ大公が歌っています。
カジノの場面はもう『オーシャンズ11』を彷彿とさせますね。
真風涼帆さん演じるジェームズ・ボンドと、芹香さん演じるル・シッフルは最後に古城の屋上にてサーベルで対決します。この場面は『シャーロック・ホームズ』とそっくりです。最後にル・シッフルは屋上から落ちて亡くなりますが、このオチは『るろうに剣心』そっくりでした。
あとどう観てもこれもパロディだろうと思ったのが若翔りつさん演じるドクトル・ツバイシュタインです。新型爆弾を開発しようとする頭のおかしい科学者ですが、このキャラクターはどう観ても『LUNA』で嘉月絵理さんが演じたドクトルゲノムに寄せてるだろうと思いっきり感じました(笑)。
私が気付いたパロディ/オマージュは上記に記載した通りですが、他にももしかしたらパロディ/オマージュがあるかもしれません。それを見つけるのももしかしたら今作の一興と言えるでしょう。
イルカの歌について
今作で潤花さんはデルフィーヌという役を演じています。このデルフィーヌという名前はギリシャ語でイルカを意味するそうです。
そこから真風さんと潤さんで「イルカが人を愛するように」というイルカの歌を歌います。
この曲を歌っている場面が名(迷?)場面として注目されていたので、どんな感じなのだろうと思っていました。
いざその場面になって聴いてみたら何の事は無いです。全然変な歌ではありません。だからと言って感動する程の歌かと言うと、それも違う様に思えました・・・。
あくまで私の感想ですが「普通に良い歌」。それ以上でもそれ以下でもないです。う~ん、思っていた程印象には残りませんでした。
因みにこの曲は芹香さんがフィナーレでも歌います。その時も「普通に良い歌」以外の感想は思い浮かばなかったです・・・。
特に良かった点
ここまでどちらかというと、あまり良い事は書いていない気がします。「良かった所は無いのか?」と言われそうですが、勿論良かった点もあるので、それを書いていきます。
銃撃戦/殺陣の場面は格好良い!
今回はスパイのアクション作品でもあるので、まず銃撃戦があります。
沢山の男役が銃を使います。どの方も格好良いですが、やはり真風さんの銃を扱う姿はもう惚れ惚れしますね。こんなに銃が似合い、且つ格好良い姿になるのは、男役でもなかなかいないでしょう。
意見は色々あると思いますが、銃が似合う男役で真風さんは間違いなくトップ3に入ると言っても過言ではありません。
また、今作では春乃さくらさんが演じるヴェスパーも銃を使います。
パンツスーツ姿の春乃さんは男役顔負けの格好良さでした。キリっとしたお姿やお声がとても良かったです。
最後の方の場面になると殺陣の場面もありますが、そこも銃撃戦とはまた違ったスリルと高揚感がある格好良い場面に仕上がっていました。
情けない役の桜木みなとが良い!
桜木さんはミシェル・バローという学生運動過激派のリーダーの役を演じています。
このミシェルですが、言う事はとても立派なのですが、やる事なす事が裏目に出てしまいます。ル・シッフルや天彩峰里さんが演じるアナベルに振り回され、挙句の果てには恋人であるデルフィーヌに軽蔑されてしまいます。
決して格好良い役とは言えず、ハッキリ言って小物の様な感じですが、だからこそ愛おしくも思える存在でもあります。
桜木さんの繊細な演技も相俟って、このミシェルという役は他のどの役よりも光っていたと言えるでしょう。桜木さんの代表作になると私は思います。
ミシェルがもしいなかったら、今作はそれ程面白みの無い作品になっていたのではないでしょうか?
因みに最後の場面でミシェルは甲冑を着るのですが、ヴェスパーに敵と間違われてしまいサーベルで叩かれていたのは笑いを呼びました。
以上が私が『カジノ・ロワイヤル~我が名はボンド~』を観た際の感想でした。
今作の東京での千秋楽公演が世界にも配信されますが、海外の方はどの様な感想を持つのか気になりますね。
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