皆様こんにちは、霜柱です。
澁澤龍彦さんの『東西不思議物語』(河出文庫)を読みました。

今回はこの本を読んだ感想を書いていこうと思います。
感想
実際にあった(?)不思議な話が集約されている
題名は『東西不思議物語』ですが、日本、中国、ヨーロッパの話が大部分です。
49の話が載っていますが、どれも短めで読みやすく澁澤さんの考察も入っていたりと、結構興味深い内容だと思いました。
また、澁澤さんの書き方が大仰な感じではなく、淡々としています。ですがそれにより却ってリアルっぽく感じさせる、そんな気がしました。
ポルターガイストや、古道具が化けたりする話は有名だと思いますが、個人的に初めて知る話もあったので、読み応えがありましたね。
因みにですが、この作品は小説ではないので、その辺りはご留意下さい。
印象に残った話
49の話が載っており、どれも「ホンマかいな?」と言いたくなる話ですが、その中でも個人的に印象に残ったのをピックアップしたいと思います。
「屁っぴり男のこと」・・・昔フランスに自由に屁を出して「ムーラン・ルージュ」で喝采を浴びた男性がいたらしいですが、身体の中の構造がどうなっていたのかが気になりますね。
「ウツボ舟の女のこと」・・・この女性は果たして人間、それとも? もし舟の外に出したらどうなっていたでしょうか?
「幻術師果心居士のこと」・・・強い催眠術だったらしいですが、こんな事が実際に出来たら凄いですね。
「大が小を兼ねる芸のこと」・・・大きい人間が小さい人間を呑み込んで、また出すなんて…。一体どうなっているのでしょう? また、どのくらいの時間吞み込んだままでいられるのかも気になります。
「不死の人のこと」・・・サン・ジェルマン伯爵の召使の返しが面白かった。
繰り返しになりますが、とても興味深い話が集まった本でした。
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