皆様こんにちは、霜柱です。
伊東乾さんの『なぜ猫は鏡を見ないか? 音楽と心の進化誌』(NHK BOOKS)を読みました。

今回はこの本を読んだ感想を書いていこうと思います。
感想
人間と音の関わりについて様々な角度から書かれている
物理学、生物学、脳認知科学などから音を分析しており、なかなか専門的な内容でした。著者である伊東さんは東京大学で物理学を学んでいた事もある為、その観点から多く書かれているのも興味深かったです。
聴覚的グルーピング、ノートルダム大聖堂の音の響き、フォルマントなどの話は読んでいて「お~お」と思いました。ちょっと難しく感じた部分はありますが、それは私自身の問題なので、事前に物理学とかを知っている人なら、より面白く読めるかもしれません。
また、音の分析や、人間と音の関わりを書いただけでなく、音楽史や伊東さんの作曲・指揮遍歴なども書いてあるので、その辺りも面白かったです。
サブタイトルに重点が置かれている
この本のタイトルは『なぜ猫は鏡を見ないか? 音楽と心の進化誌』です。私は前半のタイトルに惹かれて読みました。
しかし、本作はサブタイトルである〈音楽と心の進化誌〉の方に重点が置かれている気がしました。
なので「これを読めば猫が鏡を見ない理由が分かるのかな?」と思って、手に取ると「予想していたのと違う・・・」と感じる可能性はあります。
ただ、一応猫の話も少しは出てきます。
ポケモンショックについても
皆様はアニメ『ポケットモンスター』を観た事がありますか? 私は初期の頃リアルタイムでほんの少しですが観ていました。
今も昔も人気なアニメですが、1997年12月16日に放送された回で、視聴した一部の人が体調不良になったり緊急搬送されました。この出来事は「ポケモンショック」や「ポリゴンショック」という名前で巷間に広がり大ニュースとなったのです。
私も当時、この出来事が大々的に取り上げられていたのを覚えています。
本作ではこの件に関しても触れているので、読みながら「まさか、ポリゴンショックの事まで書いてあるとは思わなかった」と少し驚きました。伊東さんはこれに関して、脳の観点から分析しています。とても興味をそそられました。
簡単なまとめ
先に書きましたが、猫と鏡の関係については殆ど書かれていません。ですが、その代わりに人間と音がどの様に関わってきたのか? 音を物理学、生物学、脳認知科学などから分析・研究したら何が分かったのか? みたいな事が書かれています。
軽い読み物ではありません。ですが、音その物について興味がある人なら、楽しんで読めると思います。