皆様こんにちは、霜柱です。
イギリスの作家・漫画家、クリス・プリーストリー(Chris Priestley)の『船乗りサッカレーの怖い話』(三辺律子・訳、理論社)を読みました。

今回はこの本を読んだ感想を書いていこうと思います。
感想
舞台は宿屋だが
13歳の少年イーサンと、彼の妹キャシーがいる宿屋にヨナ・サッカレーと名乗る船乗りがやって来ます。そこで2人に怖い話を聞かせるのですが・・・。
正直に言うと、何となくサッカレーは只者ではないな、と感じていました。
しかし、まさかイーサンとキャシーがそんな目に遭っていたとは・・・。
更にそれを2人は今まで知らずに・・・。
サッカレーの話す内容はどれも船乗り中心の話です。当然ながら船の上が舞台となっています。地上が安全とは言いませんが、船の上だと逃げ場が無いのでより危険と言えるでしょう。
限られた場所にしか行けず、そこで追い詰められる恐怖というのを巧みに描写していると感じました。起承転結もハッキリとしており、読みやすくもあったのでドンドンとページが進みましたね。
結末が気になったので一気に読んでしまった感じです。
各話について思った事
本書には10の話が載っています(サッカレーが話したのは「トリカブト」を除いた9話)。読み終わって感じた事をそれぞれ簡潔に書きます。
ピロスカ
ピロスカに限らず他に乗っていた人達も人間ではなかった? 他の船乗り達ももしかしたらこの後、似たような目に遭うとか?
ピッチ
ピッチというのは猫の名前です。この猫が最後に手を拾い上げたのですが、普通の猫ではなさそうな気がしました。
イレズミ
何故、マティではなくステファンが選ばれたのでしょうか? 刺青を入れたいと言ったのはマティなのに。それにしてもどんどんステファンの刺青に取り込まれていってしまうなんて・・・。
ボートに乗った少年
これが心理的に途轍もなく不安や焦りが来る話だと感じました。もし、現実でこんなのがいたら、本当に正気を保てなくなるでしょう。船にいる者全員を滅ぼす悪魔だったのか?
あと、この話は星新一のショートショートを彷彿とさせました。タイトルは忘れましたが。
カタツムリ
これも個人的にはかなり怖かったですね。こんなデカいカタツムリがいたら気絶するでしょう。それにしても、助かったと思ったら・・・。
泥
怖さもありましたが、どちらかというと悲しい印象を受けましたね。どうあがいても2人は離れられなかったという事でしょうか? ところでこの話ですが、何かの映画の結末を彷彿とさせます。タイトルは忘れましたが(2回目)。
サル
「カタツムリ」と同系統の話かもしれません。しかし、こっちはこっちで恐ろしくて不気味でした。
スクリムシャーの悪魔
結末を読んでいたら身体が痛くなってきました。
不幸の連鎖は止められない・・・。
黒い船
まさか主人公の乗っていた船がそれだったなんて・・・。
トリカブト
イーサンとキャシーの事について語られていますが、まさかそういう結末だったとは思わなかったです。
簡単なまとめ
船の上を舞台にした怖い話が載っています。どれもリアルな雰囲気があり、「絶対こんな目に遭いたくない!」と言いたくなる話ばかりです(笑)。
もし今後、船に乗った時に猫とかカタツムリとか、綺麗な女性を見たらビクッとしちゃうかもしれない(笑)。
それはさておき、子供が読む分には丁度良い怖さになっているのではないでしょうか。
個人的には怖すぎず控え目すぎずな感じがしました。
怖い話が好きな方は1度読んでみると良いかもしれません。