皆様こんにちは、霜柱です。
野矢茂樹さんの『無限論の教室』(講談社現代新書)を読みました。

今回はこの本を読んだ感想を書いていこうと思います。
感想
小説風に数学を哲学した内容
まず読み始めて直ぐに思ったのが「小説風に進むんだ」という事です。本書には主人公の男子学生(名前は載ってません)、女子学生タカムラ、タジマ先生の3人が登場します。
タジマ先生が数学を哲学的に捉えて、それを主人公とタカムラが一緒に考察していく話です。
小説風に書いてあるのがとても特徴的で良かったと言えるでしょう。これがもし普通の新書の書き方だったら、全くもって「???」だった可能性が高い(笑)。
ですので、興味深く読む事が出来ました。理解出来たかは別問題ですが(笑)。
あと、飄々としたタジマ先生がインパクトありました。こういう先生確かにいそうです。
登場した数学の定理や考え方
本書には数学に関する様々な定理や考え方が登場します。
それらをざっと書いてみます。
- アキレスと亀
- 実無限と可能無限
- 直線と平面の濃度
- 対角線論法
- 可算無限と非可算無限
- べき集合
- カントールのパラドックス
- ラッセルのパラドックス
- ゲーデルの不完全性定理
- メタ数学
他にもありましたが、これらが登場するのです。
数学が好きな方なら垂涎するでしょうが、そうでない方なら「ゲッ!!」と感じるかもしれませんね。私もそうです(笑)。
確かに事前に知識があった方がより理解は深まるでしょう。しかし、一応本書でも、軽く解説はしているので、知らなくても何となく読み進める事は出来るかもしれません。
因みに私は最初は面白く読めましたが、後半になるに連れ頭がどんどんショートしていくのを感じました(笑)。
何回も読まないと理解するのは難しい感じですね。
印象に残ったのは「無限は数でも量でもない」という部分です。どういう事なのかはよく分かりませんが(笑)。
簡単なまとめ
本書は数学を哲学的に考えている内容なので、数学が好き、且つ哲学が好き、という方なら本書を興味深く読む事が出来、刺激を受けると思います。
数学か哲学のどちらかが好きだと言う方でも、それなりに面白く読めるのではないでしょうか。
「どっちも好きじゃない」という方は・・・、まあ食わず嫌いせず試しに読んでみましょう。私もしたのですから(笑)。