皆様こんにちは、霜柱です。
日本の書家/学書院院長、柳田青蘭(やなぎだ せいらん)さんの『「書道」が好きになる本 みるみる筆達者になる』(RYU BOOKS)を読みました。

今回はこの本を読んだ感想を書いていこうと思います。
感想
前半には書くコツや心構えについて記載されている
コンパクトで読みやすい文体です。分かりやすく書いてあるのも良いと言えます。
前半は書道に関する心構えや、上手に書く為のコツが書かれています。
読んでいて「そうなの!?」と驚いたのが、筆順に拘らなくても良い事です。筆順はあくまで万人が綺麗に書く為にあるのであって、絶対に従わないといけない訳ではない。
それを読んで、何故か少しホッとした気持ちになりました。まぁ、だからと言って好き勝手に書いて良い訳ではないのだとは思いますが。
自分にとって書きやすい、且つ丁寧に見える字を書く事が重要なのかもしれません。
あと、通常は墨汁を硯に入れますが、最初は絵の具皿で充分と言うのも驚きました。
著者の柳田さん曰く上達する為のポイントはやる気、良い手本、筆の持ち方だそうです。
あと、『蘭亭序』が行書を習う際にお薦めとの事。
後半は自身や主人の事について書かれている
後半には人の字を見る事の大切さが書いてありますが、柳田青蘭さんご自身とご主人である柳田泰雲さんの事について多く触れています。
読んでいると、お2人共中国について強い思いを抱いているのが分かります。
青蘭さんは中国へ行く時故郷へ行く気持ちになり、泰雲さんは「わだ父なる国」と表現。
中国の書道がお2人に多大なる影響を与えた事は論を俟たないでしょう。
印象に残った言葉
個人的に印象に残った言葉を2つ挙げたいと思います。
美に対する感性が鋭くないといい書も書けない
これは書道に限らずあらゆる事に言えるでしょう。感性を磨いて感受性を豊かにする事は生きていく上で大事ですね。
懐が大きい人というのは、細かく自分を分析して、この自分は自分、この自分も自分とそれぞれを大切にしているのでないかと思うのです。
「こんなのは自分ではない!」「ダメな自分は自分じゃない!」みたいな事をよく言いますが、駄目な姿や、醜い姿も紛れもなく自分なんですよね。
そういった姿も自分自身だと認めて受け入れる事によって、自分自身の姿がよく見れるようになり的確な判断も出来るのではないかと思います。それを続ければ懐が大きくなる事に繋がるのかもしれません。
簡単なまとめ
本書には簡易的に書道のコツや心構えが書いてあります。基本のキの部分ですね。
ただ、技術的な事はそんなに記載されていません。後半になると、著者自身とそのご主人についての記載になっているので、人によっては物足りなかったり、違う様に感じるかもしれないです。
綺麗な字を書く為には確かにある程度のやる気や向上心は必要です。しかし、書道はそんなに気負ってやらなくても良い、と言っている気がしました。
技術的な事だけでなく、内面を磨く事もとても大事ですよ、という事だと思います。






