唐十郎『煉夢術』を読んだ感想

皆様こんにちは、霜柱です。
2026年になりましたね。
本年もどうぞ宜しくお願い致します。
さて新年最初の記事ですが、先日、日本の劇作家/俳優、唐十郎さんの『煉夢術』(中央公論社)を読んだので、それの感想を書いていこうと思います。

不気味さを感じる絵ですね。男の後ろでは船がもう少しで完全に沈没しそうですし、唇を持っている手もありますし・・・。何を意味しているんでしょうね?
因みにこれは箱なので中を取り出すと、

なかなかしっかりとした固さの本です。
因みに私はこの作品を数年前に神保町の古本屋で購入しました。
しかし、買っただけで満足してしまい読まないまま(笑)。
それではいけないと思い、読んだ次第です。
感想
何を言わんとしているのか?
本作には戯曲2篇、対談1篇、短篇小説3篇が収録されています。
ただ・・・、正直どれも内容がよう分からんかったのです。
何を意味しているのか? 何を言わんとしているのか? それらが全くと言って良い程頭の中に入って来なかった・・・。
とは言っても、何となくですが読んでいて不穏や不安は感じましたね。でも、ブワーッと強く煽る様な感じではありません。ヒタヒタと仄暗い不気味さや底知れぬ狂気の様に思えました。
時代性がある?
私は唐さんの作品は本書しか読んでないので、それだけで判断するのは尚早かもしれませんが、正直、令和の現在では通じるものが少ない気がしました。
当時の昭和の空気を知っていないと「どういう事?」と言いたくなるのが結構あったと思います。
でも、もしかしたら唐さんの作品って時代性とか意味を求めるものではないのかもしれません。
各収録話について
先に書きますが、どれもよく分からなかったです(笑)。
煉夢術―白夜の修辞学或いは難破船の舵をどうするか―
戯曲です。東京都内の存在しない場所が舞台らしいです。
時計塔とかオルガンがキーなのは何となく感じました。
また、会話とか物語の進行が体調が良くない時に見る夢の様にも思えました。
色々な不自然さが自然に積み重なっている気がします。
愛の乞食
これも戯曲です。
古い公衆便所が舞台です。と思ったら豆満江(ずまんこう)という場所に急に変わったりします。
これもよく分からない作品でしたが、不思議な感じはしました。
光と闇を駆け抜ける―土方巽との対話
舞踊家/振付師として活躍した土方巽さんと対談しています。
都市、場所、死などの話がよく出たと思いました。
あたし 短篇小説三部作
「雨のふくらはぎ」は人違いをされたセールスマンと、人違いをした女性の話です。
うーん、何とも不思議でした。少しばかり安部公房っぽかった気がします。
「銭湯夫人」は9歳のえりかと言う少女が主人公。
色々起きますが、足の裏が鏡になったという展開は印象的でした。
「チヨコ」はタイトル通りチヨコと言う女性が主人公。
母親に捨てられ、父親を殺しました。それにしても彼女の人生は見るも無惨・・・。
解説的後記
言わずもがな、普通こういうのって作品についての解説が書いてある筈です。
でも、そう思って読んだら「ウムムムム???」みたいになりました(笑)。
これも一種の小説です。千鶴子と言う女性が出てきますが、天井に張り付いたりしています。ですのでちょっとホラーっぽい要素があると言えるかも。
因みにこの話で久しぶりに❝あたりきしゃりき❞という言葉を聞きました。❝当たり前❞という意味ですが、もう今では死語かもしれないですね。
簡単なまとめ
本書は読んでも理解が出来ない描写や展開が沢山登場します。ですので「よく分からん・・・」と私の様に感じるかもしれません。
でも、こういった作品は意味を追い求めるよりも、その世界観にどれだけ身を任せられるか? そちらの方が重要な気がします。全然浸れていない私が書いても説得力は0ですが(笑)。
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