垣谷美雨『うちの父が運転をやめません』を読んだ感想

皆様こんにちは、霜柱です。
垣谷美雨さんの小説『うちの父が運転をやめません』(角川文庫)を読みました。

今回はこの本を読んだ感想を書いていこうと思います。
感想
高齢ドライバーについての話だけではない
本作品のタイトルだけ読むと、高齢になった父親の運転に危機感を覚え、それを止めさせようとする話なのかな、と感じました。
勿論そういった話が中心です。しかし、それだけではなく、田舎での生活の大変さ、都会の息苦しさ、家族とは何か、幸せとは何か。そういった事にも触れているのです。
テンポが良い文体でサクサクと読み進める事は出来ますが、なかなか考えさせられる内容となっていると感じました。
幸せって何だろう?
都市部にいても田舎にいても、それぞれ課題があったり魅力的な所があったりするでしょう。
主人公の猪狩雅志は自分の人生や行動を振り返り逡巡したりします。
最終的には田舎の実家に住んで、その地域で働く事を決断します。ハッピーエンドになっていますが、現実ではそう簡単にはいかないでしょう。
ですが、「自分にとっての幸せは何だろう?」と少しばかり考えました。
身につまされる描写
色々と人生模様が描かれている作品ですが、その中でも個人的にインパクトがあったのは、主人公の同僚である森田の母親の介護の話です。
森田には兄妹がいますが、誰がどの程度やるかで揉めました・・・。
母親が亡くなった後は兄妹間では口を利かなくなったのです。
詳しくは書きませんが、実は私も似た経験があるので、森田の話は本当に身につまされましたね・・・。
この場面が読んでいて1番身近に感じたほどです。
印象に残った言葉
本書の中で印象に残った言葉があるので、それを引用します。
こんな俺でも人の役に立ってるんだっていう自己満足が大切なんだ。それがないと、長い人生、生きていくのがつらいぞ。
この言葉は主人公の妻の歩美の父親の言葉です。
自己満足って良い意味ではあまり使いませんが、単なる慰めではなく自分自身の力を過小評価せずに、しっかりと認める事が大事だ、という意味なのだと思います。
私も良い意味で、それなりに自己満足をしながら生きてみようかな。
簡単なまとめ
今の日本の課題が色々と描かれていますが、読んでいて暗くなる作品ではありません。
ページ数は300ページ強ですが、テンポも良く読みやすく起承転結もしっかりとしているので、あっという間に読み終える事が出来る気がします。
少しばかり、思うのは「現実はこんなにスムーズに結論を出せないだろうな」という所です。でも、それは些細な事なのでそんなに気になる部分ではないでしょう。
家族小説となっていますが、家族だけでなく他の人達との交流や掛け合いにも焦点を当てていると思うので、それに興味がある方は読んでみてはいかがでしょうか?
お読み頂きありがとうございました。ブログ村に参加しています。![]()
にほんブログ村





