皆様こんにちは、霜柱です。
先崎学さんの『うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間』を(文藝春秋)を読みました。

今回はこの本を読んだ感想を書いていこうと思います。
感想
鬱の辛さについての生々しい告白
感想の前にまずは、先崎学さん。
この様な本を書いて頂き本当にありがとうございます。こういった内容の本を書くのは辛かったと思います。
私は鬱になった事はありませんが、それに近い状態になった事があります。
というより、現在進行形でその状態です。因みに私は適応障害に罹っています。
病名は違えど先崎さんの辛さがもう痛い程伝わってきました。
うつ病の様な病気って、外見からはなかなか分からないので、理解してもらえない場合があると言うのが現実です。
先崎さんのお兄様は精神科医との事で、その方もこう言っています。
いくら病気についての知識が普及したところで、どこまでいっても当事者以外には理解できない病気なんだよ。
「そう、その通りなんです・・・」と言う他無かったです。
また、先崎さんは「常に頭の上に1キロくらいの重しが乗っている感じ」と表現しています。
非常に分かります。私は適応障害ですが、頭は勿論、背中や足にも「何か重い物が乗っているのか?」という気持ちになりました。
先崎さんの様に鬱の辛さを告白してくれる方は、とても貴重だと言えます。
印象に残った言葉
先崎さんはご自身のうつ病について赤裸々に語っていますが、その中で特に印象に残った言葉を2つ引用したいと思います。
幸せに溢れている姿(註:他人の家族連れやカップル)を前に、あまりにも自分が惨めになってすこし泣いた。
私も同じ様な経験があります。1度そうなると、自分を責め続ける様な感じになりました。他人は「そんな事をしてどうするの?」と思うかもしれませんが、そういう状況になってしまうのです。
症状が後退したんじゃないかという不安が、さらなる不安を呼ぶのである。
もう「本当にその通りです!」としか言いようがありません。
どんな病気もそうだと思いますが、うつ病の様な病気は「症状が後退したのかな?」と感じると、「良くなってきた筈なのに、どうしてこうなる!? もしかしたら治らないのか?」と一気に不安になるのです。私もあります。
こういう時は・・・、これは人によって対応の仕方は違うと思うので何とも言えませんが、私の場合は「そういう気持ちが起きた」という事を真正面から受け止めて、目をそらさずに認める。その様にしています。
あと、悔しい気持ちになってソファを蹴り飛ばして凄く泣いたという出来事も痛い程分かります。
簡単なまとめ
身近にうつ病の方がいたり、うつ病に関心があるなら、是非とも本書を読んでほしいと思います。
医者の視点ではなく、実際にうつ病に罹った方の書いた本なので、より真に迫ったうつ病の症状や辛さが分かると言って良いでしょう。
それにうつ病は決して他人事の病気ではありません。「自分は大丈夫だ」なんて思ってはいけません。
是非とも、本書をキッカケにうつ病について知って頂けたらと思います。






