皆様こんにちは、霜柱です。

日本の小説家、瀬尾まいこさんの小説『その扉をたたく音』(集英社)を読みました。

今回はこの本を読んだ感想を書いていこうと思います。

感想

人生を少し考えさせられた

ページを開いて少しだけ読もうと思ったら、あっという間に進んで読み終えてしまいました。面白くて分かりやすかったです。

人生に何も意味を見いだせていない主人公の宮路が、老人ホームで働いている渡部(わたべ)と出会って、自分の人生をしっかり生きようとする話でした。
希望を見いだせた結末が良かったですね。

また、渡部は宮路より地に足がついている感じですが、彼にもちょっとした苦悩があります。ですので、宮路と出会った事により、彼も自身の人生に向き合えたのではないのでしょうか?

宮路が高校生だった頃の描写がありますが、そこを読むと高校時代の頃を思い出しました。同じ状況ではないですが、楽しかった記憶があります。なので、ちょっとホロリとしました。

水木静江のばあさんと、本庄のじいさんが良い味を出している

舞台が老人ホームなので、色々なばあさんとじいさんが登場しますが、上記の2人が良い味を出していて重要な存在でした。

水木静江は口の悪いばあさんで、宮路を「ぼんくら」と呼びますが、段々と2人は仲良くなっていきます。

本庄は宮路からウクレレを学びます。

この2人と出会った事により、宮路は自分の中で変化が起きていくのです。
もし、出会っていなかったら、自分の人生と見つめ合う事はしなかったかもしれません。

名言

本書を読んでいて、胸を打たれた言葉がありますので引用します。
渡部が宮路に言った言葉です。

時がいろんなことを解決してくれるのは、ちゃんと日常を送っているからですよ。こんなふうに、布団の中で時間をやり過ごしているだけで薄れる痛みなんて、何一つありません

これは胸を打ちましたが、同時にガーンと身体全体を揺さぶられた気持ちになりました。

渡部って口調は丁寧で冷静ですが、なかなかハッキリと物事を言うキャラです。でも、それが私には好感が持てました。

私も昔、自分自身の現実に向き合わずに逃げていた時期がありました。詳しくは書きませんが、その結果どうなったかと言うと「もっとあの時、ちゃんと向き合っていれば…」という後悔の気持ちが大部分を占めたのです。

この場合の「ちゃんと日常を送る」と言うのは、「自分とちゃんと向き合う」のとほぼイコールな気がしました。

登場した音楽

宮路と渡部が老人ホームで演奏をする場面があります。懐かしい曲や知らない曲が出てきました。

例えば、日本人ならどこかで聞いた事があるであろう、笠置シヅ子の「東京ブギウギ」。

実は私はこの曲をちゃんと聴いた事がありませんでした。ですので、聴いてみて思ったのは「ノイズが多いな」という事(笑)。ですが、何故かやはりワクワクする様な曲なんですよね。

坂本九というと、「上を向いて歩こう」「見上げてごらん夜の星を」のイメージが大きいですが、本書では「心の瞳」と言う曲が登場します。
私はこの曲を知らなかったので聴いてみました。

こういう曲なのですね。優しく響き渡る歌声と、優しくて綺麗なメロディが良いですね。

簡単なまとめ

ハートフルな感じの小説で、最後は希望を見いだせた結末が良かったですね。少し心温まりました。同時に、自分の人生をしっかりと見つめる事の重要さを教えてくれた気がしました。

奇を衒わない優しさがある文体も惹き込まれます。書けそうで書けない文体ではないでしょうか?

そういった物語が好きな人は読んでみてはいかがでしょうか?

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ABOUT ME
霜柱
宝塚(全組観劇派)を観たり、読書(特にジャンルは決めず)をしたり、HR/HM(特にメロハー・メロスピ・シンフォニック)を聴いたり、スイーツ(特にパフェ)を食べる事が好き。これらを主に気儘なペースで記事にしています。 Xやインスタも気儘に投稿中。