田丸雅智『E高生の奇妙な日常』を読んだ感想

皆様こんにちは、霜柱です。
日本の作家、田丸雅智さんの『E高生の奇妙な日常』(角川春樹事務所)を読みました。

今回はこの本を読んだ感想を書いていこうと思います。
感想
E高校って変わった生徒や先生が多いなぁ(笑)
本書には18の短編が収録されており、舞台は殆どがE高校です。高校が舞台だと青春小説とかを連想しますが、そういった類ではない。
読み終わって思ったのは「このE高校って何故こんなにも変わった生徒や先生が多いんだろう?」という事です。本書のタイトルに❝奇妙な日常❞って付いているので、「これが日常だと毎日飽きなさそうだな」とも思ったりとか(笑)。
変わった人物は1人とか2人っていうレベルではありませんので、どの様にしてこの高校は成り立っているんだ?と思った程です。
非現実を軽いノリで現実に変える感じ
詳しい事は省きますが、本書ではどの短編を読んでも、現実ではおおよそ起きない事が発生しています。まあ、現実で起きたら大ニュースになってしまうでしょうね。
ただ、そういった非現実を今風の軽いノリで現実に変換している印象を受けました。突飛な事が描かれていますが、だからと言って、物凄い不自然か?と聞かれたらそうは感じないのです。
それどころか、「そういう捉え方があったのか!」「その様な展開だとは思わなかった!」と感じさせてくれる部分もありました。
各短篇について
先に書きましたが、本書には18の短編が収録されています。ここでは、それぞれの短編について思った事を書いていきます。
層人間
物理的に自分を統合したり分離させるのは便利そうな気がしました。
でも、別々に住んでいたら家賃とかはどうするのでしょうか?
数学アレルギー
確かに数学アレルギーに罹っている方は現実にいるでしょう。本書の様な症状は出ないでしょうけど・・・。
M先生の様な人が数学の先生だったら、私ももっと数学を楽しめたでしょうか?
埃の降る日
「ど・・・どんだけ埃が溜まっているんだ?」というのが率直な感想です。
結末は意外さがありました。
燃える男
「耐熱性や防火性がある制服って、かなり金額が高いのではないか?」と、まずはそこを心配しました(笑)。
同じクラスの生徒は大変でしょう。特に夏は。
かと思えば隣のクラスでは、その逆の事が起きている・・・。
これもまた結末はビックリしました。でも、主人公は手慣れていそうな気がしないでもない。
青葉酒(あおばしゅ)
この話は特に気に入りました。
私もこのお酒を飲んでみたいですね。私だったら何を思い出すかな?
落葉酒というのも試してみたいですが、上司が自分の学校の同級生として登場したら、複雑な気分になりそう(笑)。
水丸
何とも不思議な話でしたね。
気になったのは、主人公に水丸を売っていた人も実は人間ではなく・・・?
櫓を組む
自分を高める訳ではなく、むしろ相手を蹴落とす為の気合い、根性、成長とかを皮肉っている様に感じました。
二人の自転車
「二人」というのはそういう意味だったのか。驚く事が起きましたが、最後は良かったと言えます。
友人Iの勉強法
ドラえもんのひみつ道具の1つである、アンキパンより便利そうに感じました。
「勉当」という言葉は言い得て妙です。
同じ窓の人々
同窓会の話ですが、「同窓」というのはもう文字通りの意味だったのですね。
ただ、心配性の私としては「もし、戻れなくなったら?」と怖気づいて行くのを躊躇ってしまうでしょう。
彼女の中の花畑
綺麗な話でした。
「人は誰でも頭の中に花を咲かせている」は名言です。
身体(からだ)のバネ
これも文字通りのお話し・・・。
便利そうですけど、怪我をしたら通常より大変な事になりそうです。
船を漕ぐ
実を言うと、私も現代社会の授業の時、寝てしまってちゃんと聞いていなかった事を覚えています。ですので、この話はそれを思い出させてくれました。
登場人物の藤村先生は声が心地良いか、それかハッキリ言って授業がつまらないのでしょう・・・。
しかし、だからと言って椅子に座ったまま・・・。
ロケットに乗って
滝花火がもし現実にあったら、とても鮮やかで綺麗な気がします。でも、その分危ない気もしますが・・・。
ロケットに乗った生徒は無事に帰ってこれたのでしょうか?
椅子男
その体の強さをもっと別の場所で活かせそうな気がしましたが、多分ここでの世界はそうはいかないのでしょう。
テニス部の序列
個人的にはこんなキャプテンは嫌ですね。結局は「文句を言わず俺に従え」という事なのですから。
「櫓を組む」と同傾向の話だと言えるでしょう。
明らかに上は間違っているのに、それに意見を言えない、従わざるを得ない・・・。
盲目的な支配をする人に対しての風刺だと感じました。
穴埋め問題
突飛な話の様に感じましたが、なかなか面白かったです。
「テスト用紙はどういう仕組みになっているんだ?」と感じましたが、こういったテストがあったら興味深く感じるかもしれません。
鳴らないトランペット
指揮者が謎な存在でしたが、感動的な話だと感じました。
ジワジワと来る余韻が良いですね。
簡単なまとめ
どの短編も突飛だったり不可思議だったりしますが、軽いノリで描いているので、スラスラと読む事が出来ました。
確かに面白かったです。
しかし、同時に「1回読めば良いかな・・・」という気がしないでもない。
とは言っても、「鳴らないトランペット」は少し涙を誘う話でしたし、「彼女の中の花畑」は綺麗で淡い話だったので、単に奇々怪々な話ばかりという訳ではありません。
ですので、「ちょっと変わった話を読みたい。でも難しくなくて読みやすい本が良い」と思っている方にお薦めと言えるでしょう。
是非とも、本書を読んで、E高校という一風変わった高校の世界を味わってみて下さい。
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