椎名誠『活字のサーカス -面白本大追跡-』を読んだ感想

皆様こんにちは、霜柱です。
日本の作家、椎名誠さんの『活字のサーカス -面白本大追跡-』(岩波新書)を読みました。

今回はこの本を読んだ感想を書いていこうと思います。
感想
多種多様なエッセイ、且つ・・・
内容は何か1つの事に統一している訳ではありません。ですが、どの話にも共通しているのは椎名さんが読んだ本が紹介されていることです。
読んでいて、椎名さんは本当に色々な種類の本を多読している方だと凄さを感じました。それだけでなくジャンルの幅広さにも感服したのです。
私も読書は好きですが、本書に登場する本をほぼ読んでいません・・・。
全然読んでいない事を痛感させられました。
あと、椎名さんのエッセイはマイペースでありながらも逞しさを感じます。
色々な国や地域に旅に行っているからかもしれません。
また、時折光る鋭い観察眼には「本当に仰る通りです」と力強く頷きたくなった程です。
ピリッとした意見が時々入るのが椎名さんの魅力と言えるでしょう。
椎名誠の読んだ本
先に書きましたが本書には椎名さんが読んだ本が載っています。
紹介された本を一部挙げると、
- アラン・ムーアヘッド『白ナイル』
- アーヴィング・ストーン『馬に乗った水夫』
- スチュアート・ウッズ『警察署長』
- マリー・ホール・エッツ『もりのなか』
- 山下弥三左衛門『潜水奇談』
- 井上忠司『まなざしの人間関係』
- 加賀乙彦『死刑囚の記録』
- 吉田直哉『夢うつつの図鑑』
- 島田覚夫『私は魔境に生きた』
- 柏村サタ子/斎藤和子『農家の日常料理』
- ネヴィル・シュート『渚にて』
- エドマンド・クーパー『太陽自殺』
まだまだ他の本も載っていましたが、正直読んだ事無いのばかりでした。
椎名さんはSF系が好きそうですが、それに留まりません。ご自身の事を「重度の活字中毒者」と言っていますが、ある意味そうだと言えるでしょう。
2026年になっても変わっていない・・・
椎名さんのエッセイには容赦が無い本質をついた意見が書いてあります。
本書で印象に残ったのを幾つか引用します。
目下の人間の知のレベルは自分たちが理解できることだけを信じる、という形でなんとか保たれているけれど、それはなんだか第二の天動説暗黒時代のような気がしてならないのだった。
これは椎名さんがスプーン曲げが出来る少年の家族を訪ねた時に感じた事です。
近頃のわが国のグルメ狂態に、ぼくはどうもこの中国の「吐き壺」のイメージがダブってしまって気分が悪いのだ。
当時、グルメに夢中になっていた日本人に対してですが・・・。
“危険”というのはむしろ自分にとっての危険でしかないのだ。自分の関係しているところでなにかあったら困る、という、ただそれだけの危険回避安全国家、というのがこの国の「ホントウ」の姿であるような気がする。
シーカヤックで日本一周しようとしたニュージーランド人がいたのですが・・・。
3つ引用させて頂きましたが、いかがでしょうか?
本書は1987年に刊行されましたが、その時点でこんな状態だったのです。
そこから約40年経った2026年の現在はどうでしょうか?
私としては何にも変わっていないと思います。いやもしかしたら当時より悪化しているかも。更に今は日本以外の国もそうなっている気が・・・。
あと、結婚披露宴に関する指摘も言い得て妙でしたね。
簡単なまとめ
本書は椎名さんが読んだ本が紹介されながら、椎名さん独自のエッセイを読めるという興味深い内容になっています。
逞しさやユーモアを交えながら、時に核心を突く言葉が鋭く突き刺さります。
椎名さんの旅や本に興味がある人なら、面白く読めるエッセイになっていると言えるでしょう。
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