香山リカ『イヌネコにしか心を開けない人たち』を読んだ感想

皆様こんにちは、霜柱です。
日本の精神科医/評論家、香山リカさんが書いた『イヌネコにしか心を開けない人たち』(幻冬舎新書)を読みました。

今回はこの本を読んだ感想を書いていこうと思います。
感想
根が深い問題かも
私はペットを飼った事が無いですし、イヌやネコは嫌いではないけれど、特段好きという訳でもないです。なのでペットを飼っている人や、イヌやネコが好きだという人に対して、私はあーだこーだ言う気はさらさらありません。
ただ、一部とはいえ、自分の身近な人間の家族よりペットを優先する人、過激な動物愛護団体を見ると恐ろしく感じるとともに、「一体どうしてそうなってしまうんだ?」と疑問にならざるを得ません。
因みに本書には「これだ!」という結論は出てませんが、それ程複雑で一筋縄ではいかない難儀な問題だからでしょう。
私の知り合いに・・・
本書を読みながら思い出したのが、私が昔いた職場の人の事です。イヌかネコか忘れましたが、ペットを溺愛していました。スマホの待ち受けも自身が飼っていたペットにしていましたし(因みに「見て見て」と半分無理やり見せされた感じです)。
ペットの事を話している時は、デレンデレンだったのを今でも覚えています。
しかし、ある日その人が飼っていたペットが亡くなりました。亡くなった理由は分かりませんが、その人はとても悲しんでいました。それ自体は決して変な事ではないですし、まあ理解に入る範疇でしょう。
ですが、ペットロスになったからなのかは分かりませんが、その後は仕事のミスが増える様になりましたし、それだけでなく、(これは元からというのもありますが)他の人に対してやけにきつい態度を取る様にもなったのです。私にもそういう風に接してきた事があります。
ペットの死が全ての原因ではないのかもしれませんが、やはりそこから、その人は変わった気がします。
ですが、これはあくまで私の知り合いの例です。全員が全員こうだなんて思っていません。
ただ、正直に書くと、当時その知り合いに対しては何とも言えないモヤモヤを感じましたね。
イヌが好きか? ネコが好きか?
本書では書かれていませんが「イヌとネコ、どっちが好き?」という質問って殆どの人が聞かれる質問だと思います。
私も聞かれた事はありますが、正直適当に答えていました。
既に書きましたが、私は特段イヌとかネコが好きではありません。嫌いでもないですが。
ある時、そういう風に答えた事があります。ですが、「どっちかっていったら!?」と半ば強要してくる感じで聞かれたので、本当に答えに困りました。
この質問には「人間なら誰1人例外なく、イヌやネコが好きに決まっている。そうでない人はおかしい」という条件や決めつけが含まれている気がしてなりません。
因みに、その時の私は機嫌が悪かったので(笑)、「どうしてイヌやネコが好きという前提で話をするの? 私みたいに好きでも嫌いでもないという人はおかしいの?」と返しました。
そうしたら「いや、そういう訳じゃないけど・・・」と相手は言いましたが、「あぁ、この人ってちょっと変わった人だ」と相手の目が語っていたのは忘れません。
非常に釈然としない気持ちになった事は言うまでもないでしょう。
とは言っても、私も人の事は言えないんですよね。
昔、学校の同級生に「好きな音楽やアーティストは?」と聞いたら、「いない。音楽には全然興味が無い」と答えた人がいました。当時の私は「変わった人だ」と思っていましたが、よく考えるとこの質問にも「何かしらの音楽が好きで、好みのアーティストは必ずいるでしょ?」という決めつけがあったのかもしれない・・・。
本書の感想とは全く関係ないですが、本書を読みながら思い出したので書きました。
印象に残った言葉
本書を読んでいると色々と「そうなのか!」と思う事がありましたが、中でも特に印象に残った言葉があるので、それを引用します。
「これこそが善」と思えたものにはまったく客観性を失ってのめり込んでしまうほど、日常の中には今や「揺るぎない善」がない、ということなのではないだろうか。
核心を突いていると思います。しかも、これはペットや動物愛護に限らないでしょう。
SNSがある事により、あらゆる善や正義が可視化されやすくなりましたが、その分、それらによる暴走なども可視化しました。
善自体に問題がある訳ではなく、それを扱う人間に問題がある事は言うまでもないですが、何故そうなってしまうのか? という感じですね。
簡単なまとめ
本書はイヌやネコなどを中心としたペットを飼っている人や、動物愛護を優先しすぎてしまう人の事が主に分かりやすく書かれています。
私の知人にもそういう人がいました。
本書では結論は出ていませんが、過程を考える上ではかなり参考になり面白く感じました。
著者の香山さんもネコを飼っていますが、著者自身の複雑な心境や考えを読む事が出来るのも大きなポイントです。
イヌやネコが好きという人は試しに読んでみてほしい気がします。
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