皆様こんにちは、霜柱です。
私はこの間、雪組の東京宝塚劇場公演『fff-フォルティッシッシモ-』『シルクロード~盗賊と宝石~』を観劇しました。
ここでは『fff-フォルティッシッシモ-』の感想を書いていきます。
↓『シルクロード~盗賊と宝石~』の感想はこちら。
感想の前に・・・
現在(2021年3月時点)、東京宝塚劇場の2階ロビーでは、2001年から20年間の雪組の東京宝塚劇場公演のチラシと舞台写真が展示されています(写真がピンボケしていてすみません)。
轟悠さんと月影瞳さんのコンビ作『猛き黄金の国』『パッサージュ』から展示されています。
とても懐かしいですね。特に朝海ひかるさんと舞風りらさんは、私が青春時代だった頃のコンビだったので、チラシを見ただけで、当時の事が蘇りました。
皆様も思い出に残っている作品やトップコンビはいますか?
全体的な感想
まずは全体的な感想を書いていきます。
今作『fff -フォルティッシッシモ-』の作・演出は上田久美子先生です。
全体的に壮大で力強い作品でしたが、それだけでなく繊細で細やかでもあり、それぞれの役柄を深く掘り下げていました。舞台の雰囲気ですが、どちらかというと重めでシリアスな感じです。それでも、笑いを誘っている場面はありました。それは望海風斗さん演じるベートーヴェンが、真彩希帆さん演じる謎の女を女中の様に扱っている場面です。謎の女が渋々と手伝わされている感を出しており、観ていてほっとした気持ちになりました。唯一の緊張感が解ける場面だったのではないでしょうか?
今作は望海さんと真彩さんのトップコンビの退団公演となります。お2人は歌がとても上手いので、過去の作品でも歌で観客を魅了してきました。今作でも、それを確認する事が出来ます。
特に望海さんの歌は素晴らしかったです。ただ中には「望海さんの声が出ていなかった」「望海さんの声がカスカスだった」という感想がありますが、少なくとも私が観劇した際は、その様な事は全く感じなかったです。声が衰えているどころか、むしろ今の方がより声に力と迫力があった様に感じました。「まだまだ歌えるのでは?」と観終わった後に思った程です。
先に書きましたが、今作は雰囲気がシリアスです。ただ、ベートーヴェンの有名な曲が使われていたり、複雑な人と人の関わり合い、それぞれの人生や国に対しての考え方が緻密に表現されています。
ベートーヴェン・ナポレオン・ゲーテなどの実在の人物が登場しますが、良い意味で人間臭さを感じる様なキャラクターになっていると思いました。
気になった事
最後の方の場面で、ほぼ全員が白い衣装で登場し、まるでショーの中詰の様な場面があります。その場面では、全員、歌・踊りを一丸となり迫力のある舞台を魅せています。しかし、ベートーベンが銀橋に出て来て「アンコール」と言って、もう少し続ける所がありますが、正直そこからは蛇足の様に感じました。それだけでなく終わり方もいきなりブツっと切った様な雑な感じだったので、正直この部分は残念でなりません。
また、あれ程苦悩していたベートーヴェンを無理矢理喜ばせている様にも感じました。
もう少し余韻を持たせて終わらせられなかったのでしょうか?
印象に残った事・良かった事
個人的に1番印象に残った場面は、ロシアの雪原でベートーヴェンと彩風咲奈さん演じるナポレオンが出会い、対話をしている場面です。この場面での、望海さんと彩風さんの演技がとても印象に残りました。特に派手で目立つ場面ではないですが、その分、お2人の息をのむ演技・台詞回しが舞台に良い意味での緊迫感を与えていると思いました。望海さんは歌、彩風さんはダンスというイメージがありますが、深みのある演技も出来るという事を、この場面で完全に証明した事は間違いないと言って良いでしょう。
私はこの場面を固唾を呑んで観ていましたが、同じ様に観ていた方は多いのではないでしょうか?
卒業されるという理由もあると思いますが、メッテルニヒを演じた煌羽レオさんの出番が多かったのが嬉しかったです。また、ソロで歌う場面もあり結構目立っていました。後半はあまり出てこないですが、大きいインパクトを与えたと思います。
先に望海さんと彩風さんの演技に深みがあったと書きましたが、ゲーテを演じた彩風翔さんも、お2人に負けず劣らずの演技や存在感を舞台に放っていました。ゲーテという役柄の影響もあると思いますが、堂々とした落ち着きっぷりです。専科生と言っても通用するでしょう。
また、歌も過去の作品と比べると聴きやすい歌声になっていました。今回で卒業されるというのは本当に寂しいです(泣)。
以上が、私が『fff -フォルティッシッシモ-』を観て思った事でした。因みにざっくり言うなら、結末以外は良かったという事です。
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