皆様こんにちは、霜柱です。
私はこの間、東京宝塚劇場で星組公演『めぐり会いは再び next generation-真夜中の依頼人(ミッドナイト・ガールフレンド)-』の観劇の感想を書きました。
今回は役ごとの感想を書いていきます。
- 役ごとの感想
- ルーチェ・ド・オルゴン:礼真琴
- アンジェリーク:舞空瞳
- マダム・グラファイス:万里柚美
- エメロード:美穂圭子
- フォーマルハウト:美稀千種
- ブラン:白妙なつ
- ユリウス:天寿光希
- レオニード・ド・ローウェル:音波みのり
- ヴィゴー大司教:大輝真琴
- ローウェル公爵:輝咲玲央
- レグルス・バートル:瀬央ゆりあ
- コーラス王:朝水りょう
- 宰相オンブル:綺城ひか理
- ティア・シモニー:有沙瞳
- セシル・ピーター・ウェルズ:天華えま
- ジュディス:小桜ほのか
- ロナン・ヴェリタス・オンブル:極美慎
- ヴァルター・オルレイン:碧海さりお
- ルベル:天飛華音
- リドル・ル・カイン:咲城けい
- アニス・メレル:水乃ゆり
- アージュマンド(アンヌ):瑠璃花夏
- ポルックス:詩ちづる
- カストル:稀惺かずと
- 登場人物が多く、あちこちに目が行く
役ごとの感想
ルーチェ・ド・オルゴン:礼真琴
オルゴン伯爵の次男の役。年齢はもうすぐ25歳になろうとしている所。
大学の同級生レグルスの探偵事務所に居候兼手伝いをしています。
アンジェリークとは9歳頃からの付き合い。喧嘩と仲直りを繰り返しているうちに15年も経ってしまいました(笑)。年齢・立場・場所などは全く異なりますが、『ガイズ&ドールズ』のネイサンとアデレイドみたいですね。
特段格好良いという役柄ではありませんが、等身大で親近感のある役でした。この役は礼さんでないと出来なかったと言えるでしょう。
頼りない感じはありますが、母性本能をくすぐり見捨てておけない雰囲気でした。作品では描かれていませんが、他の女性にも結構モテたのではないでしょうか?
アンジェリーク:舞空瞳
ルーチェのガールフレンド、レオニードの従妹、実はコーラス王の娘という役。
フルネームはハルモニア・アンジェリーク・コーラス。
ルーチェとは15年付き合っていますが、なかなか彼が告白してくれない為、それに対してややもどかしい思いを抱いています。
しかし、なんやかんやありながらも無事に結ばれます。
可愛らしくちょっと気の強い女性という感じが出ていました。役柄的には『めぐり会いは再び』の第1弾と第2弾で夢咲ねねさんが演じていたシルヴィア・ド・オルゴンに似ていたと思います。
個人的にはビールをジョッキで注文し、更にお代わりをしていた場面が面白かったです。この時は可愛い女の子というより、仕事で上司に不満を持っている会社員みたいな感じに観えました(笑)。
マダム・グラファイス:万里柚美
プリンセスの花婿選びの行儀指南役・審査委員長の役。
あまり出番は多くはないですが、最後の方の場面では宰相オンブルとコーラス王を諭したりしており、重要や役割を果たしています。
ただ、花婿選びの行儀指南役というのはあまり重要な役ではない様な・・・。
しかし、万里さんが登場すると一気に舞台が上品になっていく気がしました。また、万里さんは星組がやはり合いますね。
エメロード:美穂圭子
旅芸人一座「コメット座」の歌姫の役。
沢山出番がある訳ではありませんが、美穂さんが歌い始めると一気に【美穂ワールド】の様になっていきます。
コメット座は最強の歌姫を手に入れた事になりますね(笑)。
やはり歌での存在感は他のタカラジェンヌと比べて、一線を画していると改めて思いました。
フォーマルハウト:美稀千種
旅芸人一座「コメット座」の座長の役。
花婿選びと原稿を書くスピードが遅い劇作家(セシル)という組み合わせが重なった事により、過去のトラウマを思い出します(笑)。
いつも何かしらの不安の種を抱えていますが、それでも座長として団員を纏めているのが伝わってきました。
エメロードと一緒に歌う場面があったので、「おぉ、座長も歌うのか!」と思いました(笑)。
美稀さんの歌声を聴く事が出来たのは嬉しかったです。
ブラン:白妙なつ
オルゴン伯爵家のメイド長の役。
基本的に執事のユリウスと一緒に行動しています。
ただ、台詞も出番も少なめで「正直、この役必要?」というくらい目立たない役でした。
もう少し目立たせても良かったのでは?
ユリウス:天寿光希
オルゴン伯爵家の執事の役。
ちょっとコミカルな動きや台詞回しですが、ルーチェの悩みについて助言をする場面はジーンときました。
特に「過去は逃げれば逃げるほど追ってきます」という台詞は私の中に刺さったのです。
また、礼さん、舞空さん、音波みのりさんと共に歌う歌は胸に響きました。
今作で天寿さんは退団です。まさか天寿さんが退団する日が来るなんて少しも思いませんでした。このまま星組に残り、後に組長になるとばかり思っていたので本当に寂しいです。
卒業の日まで応援をして参ります。また、退団後もお幸せな人生を歩む事を祈っています。
レオニード・ド・ローウェル:音波みのり
ローウェル公爵の姪でアンジェリークの従姉の役。
『めぐり会いは再び』の第1弾の時もそうでしたが、可愛らしさは全く変わっていません。
第2弾から10年経ったという設定なので、その分大人っぽくなった部分はありますが、初々しさは残っています。
第1弾では男装して花婿候補に参加しましたが、今回も男装する場面がありました(花婿候補に参加した訳ではありません、笑)。第1弾を観た人なら懐かしい気持ちになったでしょう。
この役は音波さんにとって本当に打って付けです。
音波さんも今作で宝塚を退団します。
新人の頃は娘役スター街道を走っていましたが外れてしまいました。
トップ娘役になる事は出来ませんでしたが、その分音波さんが出演している作品を観る事が出来たので、その点は良かったです。
宝塚を卒業されるのは寂しいですが最後まで応援をして参ります。
また、卒業後もお幸せな人生を歩む事を祈っています。
ヴィゴー大司教:大輝真琴
大司教兼花婿選びの進行役。ジュディスの父親。
最初は落ち着いた雰囲気で登場しますが、途中で花婿選びのルールの説明が早口になったり、娘のジュディスがロナンと一緒に去ってしまった事に対して落ち込んだり、人間的な面もある役です。
コミカルさがあったのが良かったですね。
この様な大司教なら協会に通いたくなるかもしれません(笑)。
ローウェル公爵:輝咲玲央
コーラス王の甥でアンジェリークの継父の役。
落ち着きのある佇まいで貫禄があり、ハスキーな低い声も魅力的でした。
少しですがソロで歌声が聴けたのは嬉しかったです。
輝咲さんは貫禄が必要な役を演じるのが上手いと思います。今後もその円熟さを武器に星組を支えていってほしいです。
レグルス・バートル:瀬央ゆりあ
ルーチェの大学時代の同級生で探偵の役。
ルーチェとは特に仲が良く、気が置けない友人という関係が出ていました。
少し『ロミオとジュリエット』のロミオとベンヴォーリオの関係に似ているかもしれません。
最後の方の場面ではティアに「事務所の上の空き部屋を借りて一緒に住もう」と言います。実質の告白ですね。
瀬央さんは歌も演技も上手く、このレグルスという役も印象に残りました。しかし残念ながら2番手としては扱われていない事が明確に分かります。
2番手として前面に出してほしかったですね。せめてソロを歌いながら1人で銀橋を渡らせるとかをさせても良かったと思います。
コーラス王:朝水りょう
その名の通り王様でアンジェリークの父親の役。
とても落ち着きのある優しい王様という雰囲気が出ていました。
朝水さんは端正なお顔立ちで、華があります。
演技も上手く若者の役だけでなく、貫禄や悠々さが必要な年がいった役もこなします。
どちらかというと個人的には、後者の方が向いていると思います。
髭を付けた姿も似合っていました。
宰相オンブル:綺城ひか理
コーラス王の重臣の役。
元々はコーラス王の為に忠義を尽くしていましたが、いつしかコーラス家にオンブルの血を混ぜたいと思う様になってしまい、その邪心を何が何でも叶えようとします。
最後はルーチェに説得させられ、過ちを認めます。
今作で唯一の悪役です。その分この役は他の役よりも異彩を放っていました。
また、物語を進める上で絶対に必要な存在とも言えます。
ソロで歌う場面もややあり、朗々とした歌声は迫力がありました(ちょっと活舌は悪かったですが・・・)。
ただ、他の役柄の関係や相性もあるのかもしれませんが、もっと「悪役!」という雰囲気を出しても良かった気がします。
ティア・シモニー:有沙瞳
ルーチェの大学時代の同級生で女優志望の役。
プライドは高いけれど、オーディションに落ちまくっています。それでも落ち込んだり腐ったりはしていません。
レグルスが依頼を受けた迷い犬、マカロンちゃんを探すのにも協力してくれています。
レグルス、セシル、アニスとも同級生ですが、彼らと比べると、やや姐さん的な雰囲気を醸し出していました。
有沙さんはこの役を上手く演じており、また、歌の上手さでも観客を引き付けたと言って良いでしょう。
セシル・ピーター・ウェルズ:天華えま
ルーチェの大学時代の同級生で劇作家の役。
旅芸人一座「コメット座」の座付作家ですが、原稿を書くスピードが遅く座長のフォーマルハウトを不安にさせています(笑)。
この役は『めぐり会いは再び』の第1弾と第2弾で真風涼帆さんが演じたエルモクラート・オズウェル・マーキスを彷彿とさせます。
いつも原稿の事を考えてはいますが、役柄的にはアクが強かったり特別な特徴がある訳ではないので、その分印象付けるのが難しかったと言えるのではないでしょうか?
しかし、しっかりと印象に残り、新境地とまでならなくても「こういう役も天華さんに合うよね」と思いながら観ていました。
ジュディス:小桜ほのか
ヴィゴー大司教の娘の役。
ロナンとは相思相愛の仲ですが、ロナンの父親の邪心により、ロナンは王女と結婚させられそうになります。
しかし、最後の場面でロナンが「ジュディスと結婚したい」と言った事により、無事にロナンと結ばれます。
今作を観て思ったのですが、小桜さんは不思議な魅力を持った人です。
正直個人的には小桜さんは特別に綺麗でもなければ、可愛いという感じの人ではないと思っています。
しかし引き付けられるのです。一体何故なのでしょうか?
もしかすると魔性の性質があるとか(←誤解を招きそうな言い方ですね)?
小桜さんは歌、演技、ダンスなどの実力がある娘役という認識でしたが、今後はその不思議な魅力にも注目していきたいと思います。
ロナン・ヴェリタス・オンブル:極美慎
宰相オンブルの息子の役。
王女の花婿選びに参加しますが、本当に好きな人はジュディスです。しかし支配欲の強い父親にその事を伝える事ができません。
しかし最後の方の場面で、ルーチェに問われた事により、ジュディスと結婚したい事を父親に言いました。
父親に自分の感情を抑圧されていた役ではありました。しかし、
今作の中で1番格好良くてキリっとしていたのです。
花婿選びの試験で空手の突きをしていたのは極美さんらしいですね(台本にそうするよう書かれていたのだとは思いますが)。
また、ルーチェに「恋人の好きな花くらい覚えておけよ」と言ったのも素敵でした。極美さんだからこの台詞が似合ったと言えるでしょう。
台詞の時は感じませんでしたが、歌うと凪七瑠海さんっぽい声になった事に驚きました。歌も上手くなってきているので、今後の活躍が益々楽しみになります。
ヴァルター・オルレイン:碧海さりお
王立騎士団準筆頭騎士の役。
ルーチェやロナンと同じ様に王女の花婿候補に参加。
はっきりとしっかりとした声で、騎士という感じが出ていました。
最後の方の場面で宰相オンブルに「行きましょう」と促してた所も、味が出ていて印象に残っています。
もっと碧海さんの演技をみたくなる、素敵な役でした。
ルベル:天飛華音
コソ泥だが後にコメット座に入団するという役。
奏碧タケルさん演じるカエルレウスと、大希颯さん演じるフラーウスと共に行動しています。
最初は逃げ回っていますが、攫われたカストルとポルックスを助けるのに一役買いました。
台詞が多く、スター性が出ていて登場するたびに惹き付けられました。
リドル・ル・カイン:咲城けい
ル・カイン王国の第128王子の役。
『めぐり会いは再び』の第1弾で美弥るりかさんが演じていたアジス・ル・カインと同じ衣装でした。これは第1弾から観ている人にとっては嬉しかったでしょう。
因みにアジスは第24王子で、リドルは第128王子。
ルーチェに自分は第128王子と言ったらとても驚かれていました。そりゃそうですよね(笑)。
第128王子って一体どういう事?って思ってしまいます。
キャラクター的にはちょっと軽いノリの性格で、気軽に話せる高校の同級生みたいな雰囲気でした。
今作を最後に雪組に異動しますが、雪組でも活躍する事を祈っています。
アニス・メレル:水乃ゆり
ルーチェの大学時代の同級生であり、発明家の役。
今作では事件が起きますが、それを解決するのにアニスが発明した機械が役立っていました。
アニスはライトノベルに出てきそうな理系の女子という感じでした。
やや訛ったイントネーションで話しているのが特徴的です。
ほんの少しですが、ソロで歌う場面もあり、とても目立つ役でした。
また、水乃さん自身が段々と可愛らしくなってきているのが観ていて分かりました。
アージュマンド(アンヌ):瑠璃花夏
アンジェリークの侍女の役。
やや高めの声で慌てている感じの演技が上手かったです。役の雰囲気が第1弾の『めぐり会いは再び』で白華れみさんが演じたリゼットを彷彿させました。
ポルックス:詩ちづる
カストルの双子の妹で、ルーチェの姉の侍女の娘の役。
可愛らしい女の子という感じが出ていました。台詞はまあまああり、歌はほんの一部ですがソロもありました。ただ、子役という事もある為、しっかりと歌を堪能は出来ませんでした。それは次回作に期待するとします。
気になったのはメイクです。もう少し自身をより可愛らしく、綺麗に魅せるメイクをすればより良くなると思います。
カストル:稀惺かずと
ポルックスの双子の兄で、ルーチェの姉の侍女の息子の役。
泣き出す妹、ポルックスに手を焼いたりしていて、等身大のお兄ちゃんを体現していたと思います。
稀惺さんは入団前から注目されていましたが、可愛らしく華があり既にスターのオーラも出ています。研4でこの様な感じなのですから、更に磨きがかかったらどうなっていくのか? 研10の頃にはどの様な男役になっているか? それがとても楽しみです。
今作では子役でしたが、オーソドックスな男性を演じる姿も早く観たいですね。
登場人物が多く、あちこちに目が行く
今作『めぐり会いは再び next generation-真夜中の依頼人(ミッドナイト・ガールフレンド-』は登場人物が多く、1回観ただけでは把握が出来ません。
ですが、下級生にまで役を振り分けられているという事は、観ている側にとってはやはり嬉しい事と言えます。
ただ、登場人物が多いのは良いのですが、ちょっとごちゃごちゃしすぎた感がなきにしもあらずです。
とは言え、楽しく明るい作品でしたし、『めぐり会いは再び』の第1弾・第2弾を観ている人なら、より楽しむ事が出来ると思います。
個人的には小桜さんの不思議な魅力、稀惺さんのスター性を発見できたのが大きな収穫です。
こういう事があるので、観劇は止められないのです(笑)。
皆様は今作で、好きな登場人物や、新たな魅力を見つける事は出来ましたか?
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