皆様こんにちは、霜柱です。
私は先日、東京宝塚劇場にて花組公演『アルカンシェル~パリに架かる虹~』(作・演出:小池修一郎)を観劇して参りました。
私はこの作品の前に上演されていた星組公演『RRR × TAKA”R”AZUKA ~√Bheem~』『VIOLETOPIA』を観る事が出来なかったので、約3か月ぶりの観劇となります。
ただ、個人的な体感としては半年ぶりではないか? という気がしました(笑)。
ですので、今回はこの作品を観劇した感想を書いていこうと思います。
花組公演デザート『柚アル感ジャム~ケーキにかかる柚子~』の販売
公演の感想の前に、まずは『Café de Repos』で販売している公演デザートの感想を書きます。
現在、花組公演『アルカンシェル~パリに架かる虹~』に因んで、「柚アル感ジャム」~ケーキにかかる柚子~(税込¥500)というデザートが販売中です。
デザート名は勿論、公演名を駄洒落っぽくしたものです。
まずは柚子ジャムを頂きました。
甘さの方がやや強めになっており、爽やかさを感じる味でした。
バスクチーズケーキはクセの無いしっとりとした食感のケーキです。
マスカルポーネホイップは柔らかめの食感で、少量ながらもクリーミーな味を堪能出来ました。
メインとなるのはヨーグルトプリンです。
しっかりとした食感で、仄かな酸味が後を引きます。スッキリとした味わいが良かったですね。個人的にはクセになりそうな味に仕上がっていたと思います。
公演の感想
気持ちが込められた柚香光の開演挨拶
公演が始まる際、トップスターは開演の挨拶をします。今作での柚香光さんの挨拶にとても気持ちが込められていたのを感じました。
勿論、他のトップスターは気持ちが込められていないという訳ではありません。ただ、今作に限りませんが、柚香さんは気持ちを他のトップスターよりも強く込めていると思うのです。
言葉の端々だけでなく、抑揚や息遣いなど、観客の事を思ってとても拘りや工夫を凝らしているんだな、と本当に感嘆しました。
この開演挨拶だけ聴いただけでも「あぁ、観に来て良かったな」という気持ちになります(←早過ぎる、笑)。
しかし、今作は柚香さんにとって最後の作品。もう柚香さんのこの優しい気持ちが込められた開演挨拶が聴けない事を考えると、本当に寂しくなります(泣)。
今までの柚香さんが録音した開演挨拶を全部収録して販売してくれないかな?(ニッチすぎる要望ですね、笑)。
とにかく、柚香さんの挨拶は本当に素晴らしいのです。
私も何かしらの挨拶をする機会があったら、柚香さんの様にしたいですが、早々簡単に出来る事ではないでしょう・・・。
内容は暗め
今作の舞台はナチス・ドイツに支配されていたパリです。ですので舞台上にはハーケンクロイツの旗は出てきますし、「ハイル・ヒトラー」というナチス式敬礼も出ます。
それだけでなくナチスに撃たれて亡くなる役もいるのです。
主演の柚香さんは最後まで生きていますが、ナチス兵に拷問されます。
ですので、人によってはこの作品に対して良い感情を抱かないかもしれません。
それに令和の現在ナチスはとっくに無くなったとはいえ、こうしている間にも、別の地域や国で紛争や戦争が起きています。
宝塚の作品にナチスが登場するのは、今作が初という訳ではありません。過去にもあります。
正直私も観ながら「ここまで表現して大丈夫かな?」と感じましたが、これはあくまで舞台上での事です。
もし、変に表現をごまかしたりオブラートに包んだりしたら、却って話が分かりにくくなりますし、登場人物の対比を上手く表せないとも思うので、これで良かったのでしょう。
ただ、どちらにせよ暗い雰囲気です。
勿論ずっと暗い訳ではありませんが少なくとも「楽しかった」「面白かった」と言える作品ではありません。
内容自体はとても分かりやすく理解しやすいのですが、今のご時世の事も踏まえると、賛否両論の作品になってしまっている気がします。
華美さは無く地味
前述の「内容は暗め」と被る所もありますが、暗いだけでなく地味でもあるのです。
ナチス・ドイツに支配されたパリが舞台なので、パリ市民は日々の暮らしをするのにとても苦労をしています。
それを表現する為か、衣装や小道具、照明が全体的に暗くて地味でした。
レビューをしている一部の場面では明るくカラフルな時もありましたが、ほぼ一貫して飾り気の無い舞台になっていたと私は思います。
勿論、内容が内容なので、そうなってしまった事が悪い訳ではありません。
ただ、華やかな舞台を求めている人にとっては、今作は刺さらない気がします。
トップコンビの退団要素はほぼ0
今作は柚香光さんと星風まどかさんの退団公演です。
トップスターやトップ娘役が退団をする時は、いつもではありませんが、何かしらの「あぁ、辞めるんだな・・・」と思わせる演出があります。
ですが、今作においてはそれを全く感じませんでした。
いえ、強いて言うなら、2幕目最後のデュエットダンスの後に柚香さんが1人で踊る場面があります。そこには柚香さんとお別れする雰囲気をちょっと感じさせましたね。まぁ、あくまでちょっとですが(笑)。
とは言っても、何も知らない人が観たら柚香さんと星風さんが退団するとは思わないでしょう。
勿論、退団臭をムンムン出せば良いという訳ではありません。あまりにもお涙ちょうだいな演出は逆に興醒めする可能性があります。
ただ、柚香さんはトップスターを約4年半、星風さんの場合は宙組時代を含めたら約6年半もトップ娘役を務めました。
トップの長さは関係ありませんが、お2人を送り出す様な演出がもう少しあっても良かったのではないか? とも思います。
2幕目の最初にラテンショーの様な場面があるが・・・
今作を観て気になった事をもうちょっと書かせて下さい。
舞台となっているパリにあるレビュー劇場「アルカンシェル」は舞台演目を強制的に指定されます。ジャズは禁止され、ウィンナ・ワルツを上演しなくてはなりません。
ですがラテンは禁止されてなかったので、2幕目の最初の方でラテンショーを思わせる場面が出てきます。
この場面だけ打って変わって、雰囲気が明るくなりノリノリな気分になりました。カラフルな衣装だった事もあり、とても印象に残った場面と言えるでしょう。
ただ、天邪鬼な私はそれと同時に「無理やりラテンを入れてないか?」と、違和感も覚えてしまいました。個人的な意見ですが、あまりにも急で不自然にも観えてしまったのです・・・。
柚香光の終演後の挨拶
通常は公演が終わったらアンコールや出演者の挨拶は無いので、観客はそのまま帰ります。
しかし、私が観た日は三井住友カードと宝塚友の会の共同開催の公演という事もあり、終演後に柚香さんの挨拶があったのです!
柚香さんは1人で登場し挨拶をされました。
ちょっと早口で喋っていましたが、時折「ハハッ」や「フフッ」とはにかむ様子が、もう可愛らしくて堪らなかったです! また、柚香さんは優しく話すので、それも相俟って客席は和やかで温かい雰囲気になりました。
挨拶が終わった時、柚香さんは客席に手を振りました。それも両手で。これ自体は特筆する事ではありません。しかし幕がもう下に降りようとしている時、その隙間から最後まで手を振ろうとしていた柚香さんは本当にファンの事を思っているんだな、と改めて感じました。
以上、『アルカンシェル~パリに架かる虹~』の感想でした。
ちょっと辛口な意見になってしまいましたが、花組生はとても貢献していましたし、決してつまらない作品ではありません。
何回も書きますが、今作は柚香さんと星風さんの退団公演です。
観に行かれる人は是非、お2人の勇姿を目に焼き付けてほしいと思います。
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