中野孝次『生きることと読むことと 「自己発見」の読書案内』を読んだ感想

皆様こんにちは、霜柱です。
日本の作家、中野孝次さんの『生きることと読むことと 「自己発見」の読書案内』(講談社現代新書)を読みました。

今回はこの本を読んだ感想を書いていこうと思います。
感想
著者の読書遍歴の様な内容
本書は主に著者の中野さんがいつ何の本を読んでどう感じたのかが書いてあります。
書き方は時系列になっている訳ではなく、章ごとにテーマみたいのを決めて書いている気がしました。
特に薦めているのが古典です。
古典と一言で言っても色々な作家や作品がありますが、中でもバルザックとスタンダールを強く推していました。
中野さんが読んだ本を少し挙げると、
- スタンダール『パルムの僧院』
- バルザック『人間喜劇』
- 夏目漱石『坊っちゃん』
- ホフマンスタール『帰国者の手紙』
- 大岡昇平『俘虜記』『武蔵野夫人』
- アラン『バルザック』『スタンダール』
- 『歎異抄』
- 『平家物語』
- ノサック『文学という弱い立場』
- リルケ『マルテの手記』
などなどです。
恥ずかしながら、私は上記の本を殆ど読んでません・・・。あぁ・・・。
対して流行本に対しては良い感情は抱いていないです。
ただ、当時ベストセラーになったロバート・ジェームズ・ウォラーの『マディソン郡の橋』、ピーター・メイルの『南仏プロヴァンスの12か月』は気に入った様です。
印象に残った言葉
本書を読んでいて、印象に残った言葉がありますので2つ引用します。
(古典は)いい加減な、日常的な気分で、近所そこらのおじさんを訪ねるくらいの気持で、冷やかし半分近づくのが、一番いいような気がする。
どうしても古典と言うと、身構えてしまったり、「よし読むぞ!」と気合いが入りすぎたり、「絶対に何かを得なきゃ!」と焦ってしまうでしょう。
そうではなく、「もっと気楽に読んで良いんだよ。そうしないと寧ろ中身を誤解してしまうかもよ」という事なのかもしれません。
ぼくはなんと多くの本を単なる情報として読んでいることか。また出版される本の中にはなんと情報を伝えるだけの本が多い事か。
正直、読書をしている人の多くはそういう風になっていると思います。私も正直、情報を得る為に本を読む事があります。
読書って本当は知識がどうのこうのよりも、自分の人生を豊かにしたり厚みを持たせる為に必要なのかもしれません。
とは言っても、そこが上手くいかなかったりするんですよね。読書をする上で悩ましい点だと言えます。
気持ちは分かるけど・・・
日本は漫画大国なので、漫画(コミック)を読む人は多いでしょう。
因みに本書は1994年に刊行されましたが、その当時もコミックを読む大人が多かった様です。しかし、中野さんはこれに対して容赦がありません。
多分、コミック好きの人がその部分を読んだら憤慨する可能性が無きにしも非ず・・・。
気持ちは分かります。私も昔はそういう風に思っていた事があるので。ですが、2026年現在は漫画でも内容が濃かったり、為になる作品もあったりするので、漫画が本に劣るという考えはもう古い気がします。
流行りに便乗しただけで中身の無い本だって沢山あるのですから。
漫画と本はもう比べるものではないのかもしれません。
古典は読んだ方が良いとは思うが・・・
古典を殆ど読んでない私が言っても説得力は0ですが、確かに古典は読まないより読んだ方が良いでしょう。でも、ただ読めば良いとは思いません。
古典に限った事ではないですが、本を読んだらそれがしっかりと、自分の精神の成長に繋がる事が重要だと思います。そうでなかったら、古典だって単なる情報になってしまうでしょう。
いや、それならまだ良いです。
酷い場合は古典が「どうだ、俺はこういうのを読んでるんだぜ」「古典を読んでる僕ってイケてるだろう?」みたいな、単なる装飾品になっちゃっている場合もあります。
実は昔の職場にそういう人がいたのです・・・。
古典の知識はありましたが、じゃあ人間としてどうかと言ったら・・・、それはもう言わずもがなです。
私としては古典だろうが流行本だろうが、まずは文句を言わずに偏見も取り払って読んでみる姿勢が大事だと思います。
簡単なまとめ
繰り返し書きますが、古典は読まないより読んだ方が良いです。そこには先人達が書いた普遍の内容が書いてあるでしょう。だからこそ、今日まで絶える事無く語り継がれています。
確かに古典を読むことによって精神や人格形成の成長に繋がると思いますが、それだけでは息苦しくなったり、頭が痛くなったりします。私の場合は。
ですので、私としてはエンターテインメント系の本とかも充分に良いと思います。
読む本のジャンルのバランスが大事かもしれませんね。一辺倒に偏らずに。
自分にとっての面白い本は何か?
それを見つけるにはとにかく片っ端から読むしかないです。読書に王道や近道は存在しません。理屈や好き嫌いをどれだけ言っても、読まなきゃ始まらないのです。
とは言っても、現代には途轍もない数の本があります。
「どういう本を読めば良いか全く分からない」と言う人は、本書を読んで、その中で気になったのがあれば、それを読んでそこから自分の興味をどんどん広げていけば良いと思います。
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