中本千晶『宝塚歌劇に誘う7つの扉』を読んだ感想

皆様こんにちは、霜柱です。
フリージャーナリスト、中本千晶さんの『宝塚歌劇に誘(いざな)う7つの扉』(東京堂出版)を読みました。

今回はこの本を読んだ感想を書いていこうと思います。
感想
宝塚歌劇を7つのジャンルから分析している
本書は歌舞伎、歌劇、レビュー、バレエ、日本舞踊、ミュージカル、2.5次元ミュージカルといった7つの芸能ジャンルから宝塚を分析しています。
とても面白くて為になる内容でした。これらのジャンルから宝塚がどの様な影響を受け、またどの様な影響を与えたのかが記載してあります。
他の劇団や作品も登場するので、舞台が好きな人なら興味深く読み進める事が出来るでしょう。ちょっとした近代以降の日本の舞台史の様にもなっているので、勉強にもなりました。
本作を読んだ後に宝塚(他の劇団でも)の作品を観たら、違った見方が出来てより楽しく観劇が出来るのではないでしょうか?
印象に残った諸々
当たり前ですが、宝塚に限らず舞台を作るのは途轍もなく大変な事です。
ですので読んでいて、当時の人達の思いや状況に馳せたりした、と言ったら大袈裟かもしれませんが、そんな気持ちになりました。
ここでは印象に残った事や思った事を、箇条書きで書いていきます。
- 松竹の創業者、白井松次郎と大谷竹次郎の双子の兄弟の活躍が興味深かった
- 歌舞伎がベルばらのパロディをしていたとは驚き
- 西洋音楽の導入は明治政府の国策
- もし、小林一三がオペラ「熊野(ゆや)」を観てなかったら?
- 雑誌『歌劇』の英語表記に変遷があったとは知らなかった
- 『男はつらいよ 寅次郎わが道をゆく』にSKDの貴重な舞台映像や楽屋風景が入っている
- 秦豊吉(はた とよきち)は舞台史で欠かせない存在だと思った。また、彼が「ミュージカル」と言う言葉を日本で1番最初に使った
- 日劇の『ビバ! アメリカ』と『ボンジュール・パリ』ってどんだけの作品だったのか気になった
- 小林一三の「エロ」に関しての意見は確かに今でも通じると思う
- 昔の宝塚は組に所属している人より、専科に所属している人の方が圧倒的に多かった時代があった
- 楳茂都陸平(うめもと りくへい)がもし宝塚にいなかったら、西洋音楽で日本舞踊をするのはもっと後になってしまっていたかもしれない
- 「日本郷土芸能研究会」は内容が濃そう
- 『モルガンお雪』が最初の国産ミュージカル
- 帝国劇場も順風満帆ではなかった
- 劇団四季の浅利慶太が、もし『ウエストサイド物語』を観ていなかったら、四季の歴史は大分変わっていただろう
- 初演の『ベルサイユのばら』が2.5次元ミュージカルの元祖の様な存在らしい
- 原作派とミュージカル派で2.5次元ミュージカルの定義が違うのは、面白い現象
- 小柳奈穂子の2.5次元の意見は的を射ていると思った
舞台と一言で言っても、その裏では色々な挑戦や出会いがあるんだな、と感じました。
読み終わって思ったのは「宝塚って色々なジャンルを上手くミックスしている稀有な劇団」という事です。
簡単なまとめ
宝塚と他の舞台ジャンルとの比較や、互いの影響など知る事が出来て、非常に勉強になりました。
歌舞伎、日劇ダンシングチーム、松竹歌劇団、劇団四季などにも触れています。
ですので、ちょっとした近代以降の舞台の歴史に触れられた気持ちにもなりました。
本書は宝塚を文化や歴史などの観点から書いているので、そういったのに興味がある人、舞台が好きという人なら、興味深く楽しく読める内容だと言えるでしょう。






