末富晶『不登校でも大丈夫』を読んだ感想

皆様こんにちは、霜柱です。
日本の生け花アーティスト/作家、末富晶(すえとみ しょう)さんの『不登校でも大丈夫』(岩波ジュニア新書)を読みました。

今回はこの本を読んだ感想を書いていこうと思います。
感想
著者の不登校体験が書かれているが・・・
著者の末富さんは小学校3年生から中学校3年生までずっと不登校でした。その頃の体験や心情を読む事が出来ます。
私は不登校になった事が無いので、不登校児の気持ちが理解出来るとは言いません。ただ、本書が不登校児の為の本か? と言われると少し「う~ん」と首を傾げてしまいます。
不登校になった理由や家の事も勿論書かれていますが、主なのは2000年の映画『十五才 学校Ⅳ』で作中詩原案者となった事や、その映画の製作ホームページで不登校の連載を書いた事、生け花との出会いやそれについての活動です。
不登校児と言っても多種多様かもしれません。ただ、末富さんが不登校だった時に出会った人達や、そこでの経験は特殊の様に正直感じます。
末富さんの家族は不登校に理解を示してくれました。でも、不登校児がいる他の家庭の中には不登校に対して無理解だったり、無理やり学校に行かせようとする家庭もいたりするでしょう。
もし、私が不登校児だとして本書を読んだとします。そうしたら勇気を貰えたり安心をするよりも、「この人はそうなったから良いけど、自分はそうじゃない。そんなに上手くいく訳ない」と感じてしまうかもしれません。
ですので、不登校だった時期どういう風にしていたか? という視点から見ると、「こういうパターンもあるんだな」くらいで読んだ方が良い気がします。
出会いを活かす力
ただ、当時の末富さんが子供ながらも、映画や生け花の時の出会いを能動的に受け入れて活かしていた事は凄いと思いました。私は小学生や中学生だった時、そんな能動的ではなかったので・・・。
大事なのは学校に行く/行かないに限らず、可能なら子供の時から、自分で考えて自分で何かを選び、それを活かす力が必要なのかもしれません。
無責任かもしれませんが、不登校を変わった事ではなく、1つの選択肢として普通に挙げられたらな、とも思います。私が子供だった時代も不登校児はいましたが、その人は「普通とは違う」という感じで扱われていたので・・・。
家での出来事をもう少し書いてほしかった
先に書きましたが、本書は映画『十五才 学校Ⅳ』や生け花などについて多くページが割かれています。
ですので、当時自宅ではどの様に過ごしていたのかをもう少し詳しく書いてくれたら、より不登校児の参考になったのではないかと思いました。
印象に残った言葉
個人的に印象に残った言葉を幾つか引用します。
つかみどころのない「客観的正しさ」を採用することをやめ、「自分の真実」を頼りの明かりとして持ち、その先を進みだした。
とても良い言葉だと思います。ですがこれは勇気が必要とも言えるでしょう。「自分の真実」を持つには、まずそれが何なのかを見つける事が必要ですから。大人でもそれを持っている人は少ない気がします。そういう私も持っているとは言い難い・・・。
ですが、それを持っていれば何かあっても自分と言う軸を保てるのかもしれません。
「AかBかCの中から選ぶ権利」はなくなっても、「それを選ぶ世界に行かない」という選択、新しく「AとBの間にあるものを見いだす」選択、「まだないDを作りだす」選択は誰に憚ることなくいつでもできます。
人ってどうしても既存や常識的と言われる選択肢の中から何かを選ぼうとします。
しかし、その範疇に収まらない選択肢があるというのも現実です。そういうのを選ぶのは覚悟がいるでしょう。でも、子供の時ならそういう選択は大人よりも多くかもしれないので、「こういう選択もあるよ」と知る事がまず大切なのかもしれません。
今の私は、大人とは「世界に対して、何か良いものを還元している人」のことなのではないか、という考えに落ち着いています。
これは本当にそうだと思います。自分が与える側になって初めて、精神的に大人になっていくと言えるでしょう。
自分だけ得すれば良い、他の人より多くもらいたいと思っている人が多い気がします。私も人の事は言えませんが、そういう人って何か幼稚だったりするんですよね。
何もボランティアをしろとか、多額の寄付をしろと言う訳ではありません。普段の日常の些細な事で良い。少し人の為にする事を心掛けるべきなのだという事でしょう。
簡単なまとめ
一口に不登校と言っても十把一絡げではなく、様々な理由や状況があるでしょう。末富さんが不登校の時に経験した事もその内の1つと言えます。
ただ、他の不登校児の参考になるかと言われたら、少し違う気が・・・。
しかし、ちょっとした人生論的な事が書いてあり、それは刺さる部分がありました。
本書を読んで、小学校や中学校時代の私って自分で本当に何かを選んでいたか? と思い返しましたね。でも、何も自主的に選んでいなかった気がします・・・。
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