木村泰司『美女たちの西洋美術史 肖像画は語る』を読んだ感想

皆様こんにちは、霜柱です。
日本の西洋美術史家、木村泰司(きむら たいじ)さんの『美女たちの西洋美術史 肖像画は語る』(光文社新書)を読みました。

今回はこの本を読んだ感想を書いていこうと思います。
感想
カラーで色々な美女たちの肖像画が載っている
本書で主に取り上げられているのは、以下の人たちです。
- マリー・ド・ブルゴーニュ
- イザベッラ・デステ
- アニエス・ソレル
- ディアーヌ・ド・ポワティエ
- アン・ブーリン
- エリザベス1世
- メアリー・スチュアート
- ガブリエル・デストレ
- マリー・ド・メディシス
- ヘンリエッタ・マリア
- マルガリータ王女
- ポンパドゥール夫人(ジャンヌ・アントワネット・ポワソン)
- マリー・アントワネット
- ジャクリーン・ケネディ・オナシス
これらの美女たちの色々な絵がカラーで沢山掲載されているのが良いですね。当たり前かもしれませんが、同じ人物を描いても画家によって全然雰囲気が変わります。
私は美術には疎いですが、それでも何枚か見た事がある絵が載っていました。
本書はちょっとした西洋の歴史の勉強にもなると思います。
ただ、登場する人物は似た名前の人が多いので、慣れていないとこんがらがるかもしれません。私はこんがらがりました(笑)。
内容に目を通さなくても絵が沢山載っているので、美術が好きな人なら見ているだけで楽しめるでしょう。
宮廷の世界は・・・
宮廷の世界って華やかで優雅な感じがしますが、その裏はかなりドロドロな気がします。本書を読むとそう感じざるを得ませんでした。
魑魅魍魎、いや、もっと強い言い方をするなら蟲毒かもしれないです・・・。
場合によっては誰が味方で、誰が敵なのか分からない時もあるでしょうし。
表面は笑顔でも、腹の底は分からないですからね。まあ、これは当時の宮廷に限った話ではありませんが。
私だったら宮廷での生活は3日と持ちませんね。
貴族に生まれなくて良かった(笑)。
美女といっても色々
印象に残ったのはまずメアリー・スチュアートですね。
賢い人でディアーヌ・ド・ポワティエからも教育を受けたとの事ですが、途轍も無い程の波乱万丈な人生でした。最後は処刑されてしまいますが、本書を読みながら「ここでもし別の道を歩んでいたら、もう少し穏やかな人生になり処刑される事も無かったのでは?」と思ってしまいました。
人生って自身の決断1つで運命が大きく変わる時がありますが、周りの環境にもかなり左右されます。メアリー・スチュアートの章ではそれを特に感じました。
アン・ブーリンも頭の回転が早くて聡明だったと思いますが、傲慢・横柄にならなければ、別の人生があったかもしれません。
ポンパドゥール夫人はフランス文化にかなり貢献した人物との事。平民出身というのは驚きましたが、芸術的環境に恵まれていた様です。
う~む、やはり環境が物を言う時があるんですね・・・。
フランツ・クサーヴァー・ヴィンターハルターが描いた肖像画は・・・
先に書きましたが私は美術について全くもって疎いです。なので、ヴィンターハルターというドイツの画家がいた事も本書で知りました。
ただ、彼が描いた作品って簡単に書くと「美しく理想化して描く事は出来るが、内面を描けていない画家」らしいのです。
肖像画ってただ顔を似せて描くのではなく、描かれている人の内面も表現出来ないといけない様です。でないとただの似顔絵になってしまうとの事。
本書に載っているヴィンターハルターの絵と、他の画家の絵を見比べてみましたが、本当の事を言うと、私にはあまり違いが分かりません・・・。
単に私が絵を見る目が無いだけだと思いますが。
ですが、「おお!!」となった事が。
彼は『オーストリア皇后エリザベート』を描いているのです。この絵は私も見た事があります。
多分、『エリザベート』というミュージカルが好きな人ならほぼ間違いなく知っているかもしれません。そうでない人もどこかで見かけているのではないでしょうか?
美術界での評価はイマイチらしいですが、この肖像画を描いただけでもヴィンターハルターは、途轍もない偉業を成し遂げたと断言して良い気がします。
簡単なまとめ
西洋の女性が描かれた肖像画に興味がある人なら、本書を面白く読めると思います。沢山の絵が全てカラーで載っているのもとても良いですね。
肖像画を通して色々な美女たちの人生模様を垣間見れるのが興味深いです。
ちょっとした歴史の勉強にもなりますし、美術が好きならパラパラとページをめくっているだけでも面白く感じるかもしれません。
西洋の女性の肖像画に関心がある人は、1度読んでみてはいかがでしょうか?
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