皆様こんにちは、霜柱です。
この間、『HiGH&LOW-THE PREQUEL-』の感想を書きました。
今回は役ごとの感想を書いていきます。
役ごとの感想
コブラ:真風涼帆
山王連合会総長、バイクチーム「ムゲン」の元メンバーの役。
喋り方が今どきの若者という感じで、「~じゃねーか!」「~だろーが!」の様な口調が特徴的です。
普通の人がこういう喋り方だと、単に粗雑な心証しかありませんが、真風さんが喋るとサマになって格好良いのです。人生は不公平ですね(笑)。
コブラは自身が住んでいる街を誰よりも愛しており守りたいと思っています。
苦邪組との戦いでは、その強い気迫が伝わってきました。
確かに観ていて格好良かったですが、真風さんの代表作になるかというと、正直違う気がします・・・。
何故と言われたら具体的に説明出来ませんが、とにかく「何かが違う」様に感じたのです。
カナ:潤花
コブラの小学校時代の幼馴染の役。
コブラを「キミ」と呼ぶので、かなり親しい関係という事が分かります。恐らくトップスターとトップ娘役が演じる役柄の関係で、ここまで近しい関係というのは無かったのではないでしょうか?
とても可愛らしい雰囲気で登場しただけで、一気に華やかになりました。
ただ、1番最初に登場する時は、「私はclub HEAVENでは働かないわ!!」と怒りながらの登場です。もうこれは『NEVER SAY GOODBYE』のキャサリンの登場と物凄く被りました(笑)。
カナは最後はコブラの腕の中で亡くなりますが、その後すぐに亡霊となって登場します。その時の言葉が「出ちゃった♡」です。まぁ何とも軽い調子(笑)。
ですので、コブラからは「出ちゃったじゃねーよ! 死んだばかりじゃねーか!」とツッコまれる始末です(笑)。
荒くれ者達が多い中で、このカナという役はちょっと軽い所はありますが、『THE ヒロイン』という役でした。
潤さんにはとても合っていた役だと思います。
ROCKY:芹香斗亜
White Rascalsのリーダーの役。
全身が白の衣装というのが特徴です。
他の勢力と比べるとミステリアスで年齢不詳に観えるのが特徴的です。ただ、ちょっとエルヴィス・プレスリーっぽくも観えたのは私だけでしょうか?
あまり感情を表に出さない性格ですが、コブラからの果たし状(実は苦邪組が送った偽物)を読んだ時に「コブラ殺す!!」と言い、やや感情を表していた所に人間っぽさを感じました。
芹香さんは本当に安定感のあるスターです。トップスターになった姿を早く観たいと思いました。
スモーキー:桜木みなと
RUDE BOYSのリーダーの役。
他の勢力と比べると、少しばかり汚らしい風体(失礼!)です。
感情を失っている様な性格で、特に目に覇気が無い感じが印象に残りました。
病弱という設定ですが、ダンスや戦闘のシーンではとてもアクロバティックに動くので、「どこが病弱やねん?」と思わずツッコみたくなったのは私だけではない筈(笑)。
桜木さんは歌・演技・ダンスと3拍子揃った実力派ですが、今回は特に軽い身のこなしに驚きました。
とても私には出来ない動きです(笑)。
日向紀久:瑠風輝
達磨一家の頭の役。
他の勢力の長と比べるととても荒々しい性格で、いかにも喧嘩好きという恐ろしい男という雰囲気が全面に出ていました。
コブラの事を憎んでおり、達磨一家が主催している祭りにコブラが来ているのを見つけた時、ボコボコに殴ります。
その時日向の手下がカナを人質に取りますが、そこまでしてコブラを倒そうとしない所に、芯が1本通っているのを感じました。
とは言っても、近づきたくない役柄ではありますが(笑)。
こんなに荒々しい役を演じた瑠風さんを観た時、「こういう役も演じる事が出来るのか!?」と幅広い演技力に驚きました。
村山良樹:鷹翔千空
鬼邪高校の番長の役。
この鬼邪高校では100発殴られる事に耐えられたら、番長になれるという決まりがあります(何とも無茶な事を考えたものですね)。
村山は見事に100発耐えて、番長になりました。
鷹翔さんは背が高くスラッとしていてスタイルが良い為、舞台上ではとても目を引きました。
見た目も龍真咲さんに少し似ているというのもポイントですね。
ただ、この村山という役は物語上、特に必要に感じなかったというのも事実です・・・。
無名街の医者/ナレーター:寿つかさ
寿さんは今作で2役演じています。
無名街の医者はちょっとだけの出番でしたが、良い味を出していました。
訳があって無名街にいるのかもしれませんが、ちゃんとした病院に務めていたら、良い医者になっていたでしょう。
ナレーターは基本声だけの登場ですが、最初だけ姿も現します。
その時は全身黒のスーツでキメており、貫禄さも相俟って格好良かったです。
GEN:松風輝
苦邪組のNo.2の役。
目の表情や口の動かし方で、いかにも自身の欲の為に動く凶暴性のある役というのが、とても上手く表現出来ていたと思います。
ヤマト:紫藤りゅう
山王連合会のNo.2、コブラの幼馴染で「ムゲン」の元メンバーの役。
普通の状態ですと、スラっとした格好良い美男子です。しかしコブラに詰め寄る時は、話し方に迫力がありました。
コブラや仲間の事をしっかりと考えてくれている、仲間思いのある役だと言えます。
自然体の演技が良かったです。
寿子:花菱りず
ヤマトの母親の役。
肝っ玉母さんという貫禄が出ていました。
コブラに「仲間なら「行ってこい」ではなく、「一緒に行こう」だろ」と説得している場面は、迫力があり印象に残りました。
腕に覚えのあるコブラでも、ヤマトの母親には敵わない部分があるんだという所を、示している場面だったと言えるでしょう。
リン:留依蒔世
苦邪組の頭。
もう見るからに悪党という感じが出ています。
首にはタトゥーシールも貼っていますしね(留依さんの手作りとの事!)。
演技や歌が他の登場人物と比べると、大仰な感じにしていたのが印象に残りました。
この役は『CITY HUNTER-盗まれたXYZ-』で真那春人さんが演じたジェネラル【将軍】に共通する物があるかもしれません。
ただ、コブラにやられる場面は思ったよりもあっけなく終わってしまい、もう少し粘った演出をしてほしかったです。
今作で留依さんは宝塚を卒業します。
留依さんの歌声が宝塚でもう聴けないのかと思うと寂しい限りですが、卒業後もお幸せな人生を歩む事を祈っています。
純子:天彩峰里
苺美瑠狂の総長の役。
気が強く一本気な所がありながらも健気な性格です。また、勇ましくも健気であり、娘役が普段なかなか演じる事のない役だと思いました。
特攻服を着ているというのも大きな特徴です。
しかし、他にも似た様なタイプのキャラクターがいるので、案外埋もれやすいキャラクターかもしれません。
もう少し、他のキャラクターとの差別化をしてほしいように思いました。
ララ:栞菜ひまり
無名街に住む女性の役。
今作は娘役が演じる役が結構埋もれてしまう傾向が高いです。しかし、その中でもララという役は印象に残りました。
具体的な描写はありませんが、スモーキーからは実の妹の様に可愛がられています。
透き通った声と、少女と大人の女性の中間の様な何とも言えない雰囲気が、少ない出番と台詞の中でもとてもインパクトがありました。
仁花:山吹ひばり
床屋ピューマの店員。
出番や台詞はそれ程多くはありませんでしたが、ストーリー上の清涼剤の様な役目を果たしていると思いました。
可憐で嫋やかな雰囲気がとても良かったです。
この様な方が床屋で働いていたら、もう通い詰めたくなりますね(笑)。いえ、用が無くても顔を出すかも(笑)。
もっと山吹さんの色々な舞台姿を観たくなりました。今後が益々楽しみです。
登場人物の個性はあまり出ていないかも・・・
今作は無法地帯を5つの勢力が治めているという話で、宝塚ではなかなか描かれないストーリーとなっています。
愛や友情が描かれているとはいえ、基本は抗争の話なので、通常の作品よりも乱闘や戦闘のシーンが多かったです。
その為、登場人物も荒くれ者や腕っ節が強い登場人物が多かったです。
ただ、その分登場人物も似た様な性質になっている印象を受けました。
勿論、性格や衣装や言動などは違っていますが、それでも登場人物同士の個性が被っている様に観えてしまい、差別化が上手く図れていなかったのではと思ってしまいました。
その中でも、凄みのある演技をした瑠風さん、可憐で作品中の清涼剤の様な役目を果たした山吹さん、そして(姿は)最初だけの登場でしたが渋みのあったナレーター役の寿さん。
この3名が特に良かったですね。
好き嫌い分かれる作品になるとは思いますが、印象に残る事は間違いないと言える作品だと私は思います。
お読み頂き有難うございました。ブログ村に参加しています。
にほんブログ村