皆様こんにちは、霜柱です。
私はこの間、宙組公演『アナスタシア』を観劇し、ブログに感想を載せました。
今回は、役ごとの感想を書いていきます。
役ごとの感想
ディミトリ:真風涼帆
ロシア革命の中、詐欺や泥棒をして生き抜いてきた青年の役。
ディミトリはヴラド・ポポフと共に、偽のアナスタシアをでっち上げようとし、出国許可証を求めて来たアーニャをアナスタシアに仕立てようとします。
しかし、アーニャと一緒に過ごしているうちに、彼女に恋してしまいます。アーニャが本物のアナスタシアという事が分かった後、報奨金を受け取らずにアーニャの元を去ります。
最後の場面でアーニャと出会いますが、結ばれるのかはよく分からない結末でした。
真風さんは今作『アナスタシア』では歌を歌う場面がとても多かったです。歌唱力も向上していて、目を見張るものがありました。正直、真風さんがあれ程の曲を歌いこなせるとは思ってなかったですが、素晴らしかったです。
ディミトリは格好良い役柄ではなかったので、真風さんの良さを引き出せていた役とは思えず、役柄としては何か中途半端な感じを受けました。ただ、真風さんがカバンを斜め掛けにしている姿は可愛らしかったです。
アーニャ:星風まどか
アーニャは皇女アナスタシアによく似た人物で、記憶喪失です。掃除婦の仕事をしており、地味な格好をしています。
ある日、出国許可証を求めてディミトリの元を訪ねます。そこでディミトリとヴラド・ポポフによって、アナスタシアに仕立て上げられてしまいます。しかし最後は、持っていたオルゴールにより、彼女自身がアナスタシアという事が判明し、マリア皇太后に認められます。
アーニャ(アナスタシア)も歌の場面がとても多かったですが、星風さんは安定した歌唱力の持ち主なので、上手に歌をこなしており、観ていて安心感がありました。
グレブ・ヴァガノフ:芹香斗亜
ロシア新政府の役人。
アナスタシアが生きているという噂を聞き、彼女を亡き者にする為にパリまで追いかけます。しかしアナスタシアに銃を向けますが、引き金を引く事は出来ませんでした。それは(決して言動には出しませんが)アナスタシアが好きだったからでしょう。
グレブ・ヴァガノフは地味な役柄ですが、主演の2人よりも印象に残りました。
特に印象に残ったのはアナスタシアに対して、(正確な台詞は忘れましたが)「一体君は誰なんだ!?」と強く問いかける場面です。とても迫力があり、緊迫感も伴っていました。
グレブは既に彼女がアナスタシアだという事は分かっているはずですが、彼女に問いかけて、実は否定してほしいと思っていたのではないでしょうか? 葛藤しているつらさが観ていて感じました。
芹香さんは歌だけでなく、演技力にもますます磨きがかかっていると感じました。
マリア皇太后:寿つかさ
アナスタシアの祖母の役を演じています。
今作では女役ですが、『神々の土地〜ロマノフたちの黄昏〜』でもマリア皇太后を演じていました。
1幕目では最初の方のみの登場ですが、2幕目になると出番が増えます。
寿さんは女役でも声は男役の時とあまり変わっておらず、正直女役としては微妙でしたが、要所要所で舞台を引き締めていました。
アレクサンドラ皇后:美風舞良
アナスタシアの母親役。
主にロマノフ家が出てくる所でしか出番がなく、特に目立った役でもありませんでした。
しかし、ロマノフ家の皇后という威厳や貫録が全面に出ており、登場シーンは少なくてもインパクトがありました。
イポリトフ伯爵:凛城きら
落ちぶれた貴族の役。ヴラド・ポポフ曰く貴族というだけでなく知識人でもありました。しかし、ロシア革命後はそれが意味のない事となってしまった悲しい役柄です。
イポリトフ伯爵は、1幕の電車に乗る前の場面で登場するのみです。また、舞台上では描かれていませんが、射殺されてしまいます。
しかし、歌の場面があり、凛城さんは最初ソロで歌い、その後周りにいる群衆も歌い始めます。出番は少なかったですが、凛城さんの悲しげに歌う場面は、とても印象に残りました。
凛城さんは落ち着きや風格を伴っており、宙組では既に欠かせない存在です。
ヴラド・ポポフ:桜木みなと
落ちぶれてしまった貴族の役です。ディミトリと共に偽のアナスタシアをでっち上げて報奨金を頂こうとします。
今作の中で、1番雰囲気が異なる役柄です。もじゃもじゃの髪・ひげ・眼鏡をかけている姿が特徴的でした。ただ、貴族というより大学教授の様に見えました。
ヴラド・ポポフも歌の多い役柄でしたが、桜木さんは見事に歌いこなしていました。ヴラド・ポポフは格好良い役柄ではありませんが、ちょっとコミカルな役柄なので、それを演じた事により、また一皮むけた様に思えました。
リリー:和希そら
マリア皇太后の側近であり、ヴラド・ポポフの元恋人でもある役柄。
1幕目では、ほんのちょっとしか登場しませんが、2幕目で沢山登場します。
今作では和希さんは女役です!
声も女声になっており、目を瞑って聴いたら、和希さんだとは分からないでしょう。役柄もあると思いますが、永久輝さんが演じたアイリーンの様に美しいとか可愛らしいとは思いませんでした。しかし、キリっとしたキャリアウーマンの様な感じで、怜悧な雰囲気もあり魅力的でした。
セルゲイ/コンスタンチン:紫藤りゅう
紫藤さんは今作で、2役を演じています。
1幕目ではディミトリの悪友のコンスタンチンを、2幕目ではパリにあるネヴァクラブのギャルソンを演じていました。
コンスタンチンは、秋音光さん演じるミハイル、留依蒔世さん演じるイーゴリ、鷹翔千空さん演じるサーヴィチと共に登場します。コンスタンチン達は公園の場面でディミトリとアーニャをからかった事により、2人にやられて逃げます。
セルゲイはネヴァクラブの場面で登場し、リリーや他のギャルソンと共に踊る場面がありました。
ただ、どちらの役もあまり印象に残る役ではありませんでした。紫藤さんは宙組生としては初の大劇場の作品なのですから、もう少し良い役を与えてほしかったです。
アレクセイ:遥羽らら
アナスタシアの弟役。
目立つ様な役柄ではありませんでしたが、ちょっとわんぱくな少年を表現出来ていました。
ニコライII世:瑠風輝
アナスタシアの父親役。
髭を付けた姿は凛々しく、落ち着きや貫録がありました。今作『アナスタシア』では研9ですが、学年の離れている寿さんや美風さんとも対等に渡り合っていた様に思います。
『El Japón(エル ハポン)-イスパニアのサムライ-』の西九郎の時もそうでしたが、上級生を圧倒するあの落ち着きぶりや風格は凄いと思います。
少女時代のアナスタシア:天彩峰里
役名の通り、大人になる前のアナスタシアを演じています。
とにかく可愛らしかったです。それに尽きます(笑)。
『El Japón(エル ハポン)-イスパニアのサムライ-』で演じたはるも可愛らしかったですが、段々と洗練されて、綺麗になってきていると思いました。
他の役は?
今作『アナスタシア』は主だった役以外の人達は、下級生だけでなく、上級生も含めて、街の男(女)や客の男(女)などのその他大勢として扱われています。
1つの役を通しで演じている人は真風さん、星風さん、芹香さん、寿さん、桜木さんぐらいでした。目立つ役も限られていたので、正直、役ごとの感想に書いた人以外は、あまり印象に残っていません。
海外ミュージカルの作品なので、大幅に演出や内容を変えられないのは分かりますが、もう少し他の人達にも、ちゃんとした役を与えてほしかったと思いました。
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