皆様こんにちは、霜柱です。
私はある日『’97宝塚歌劇全主題歌集』を聴いていました。1997年というと、まだ宙組が誕生する1年前の4組体制の頃です。
因みに、当時のトップスターは花組が真矢みきさん、月組が久世星佳さん→真琴つばささん、雪組が高嶺ふぶきさん→轟悠さん、星組が麻路さきさんです。
このCDに収録されている月組公演『EL DORADO』の「失われた世界」と「もどかしい思い」を聴いていた時、ふと思ったのです。
「この『EL DORADO』という作品は柚香光さんと星風まどかさんのコンビに合う作品ではないか!?」と。
また、ビデオでしか見ていないのですが、とても豪華且つ壮大な作品で圧倒されました。
星風さんが花組に異動するというニュースが出た時、宝塚ファンの間では「『エリザベート』を再演するのではないか?」と話題になりましたね。
そういう私も、それにかこつけて、柚香さんと星風さんで『エリザベート』を上演した場合の配役予想をしてしまいました(笑)。
しかし『EL DORADO』こそ今の花組に合いそうだと思うのです。
そうなったら、またもや配役予想(妄想)をせずにはいられなくなりました(笑)。
ですので、今回は花組で『EL DORADO』を再演した場合の配役予想や内容を書いていきます。
『EL DORADO』の内容
1530年ごろのスペイン、アンダルシア地方の古都グラナダ。15世紀末スペインに征服されたその地には、征服者スペイン人以外にもアラビア人やジプシーなどの被征服者たちが虐げられながら住んでいた。だが、そんな被征服者たちと分け隔てなく付き合うスペイン人もいた。スペイン無敵艦隊の将校イグナシオ・デ・ルシア大佐もそんなスペイン人の一人で、アラビア人の従者カシムや、ジプシーの頭ロドリーゴ、彼の娘ラウラ達と兄弟同様に付き合っていた。
そんなある日、グラナダの丘に建つアルハンブラ宮殿では、ヌエバ・エスパーニャの総督に就任したメンドーサ侯爵の歓迎パーティが行われていた。イグナシオは余興にとジプシーの一団と踊りを披露するが、メンドーサ侯爵はじめ一同はジプシーの出現に不快感を露骨に表す。征服した民も兄弟であり、彼らの才能を尊重すべきだと言うイグナシオと、インディオを見世物にした侯爵は真っ向から対立する。しかし、身分の違いはイグナシオの意見を簡単に消し去ってしまった。
イグナシオとラウラ達は見世物にされたインディオ、ウルバンバを助け出そうとするが、ラウラがメンドーサの息子アメリゴらに見つかってしまう。イグナシオに駆け寄ろうとしたラウラは、誤ってアメリゴを傷つける。ラウラに斬りかかるアメリゴ。イグナシオはラウラを庇ってアメリゴを刺殺してしまう。アメリゴの命を奪ってしまった罪に苦しむイグナシオ。密かにイグナシオを想うラウラやロドリーゴ達は、彼を慰めようとする。
罪人として追われるイグナシオ。メンドーサ侯爵は息子を殺された怒りに、イグナシオの家族を襲い処刑してしまう。悲しみに暮れ、自首しようとするイグナシオにロドリーゴとディエゴ中尉はスペインを逃れ、生きることを説く。スペイン脱出を決意する一行に、ウルバンバは争いも憎しみもない理想の帝国❝エル・ドラード❞を教える。
マラガの港では、ディエゴの造った偽の命令書を持って出発したイグナシオ一行の船に、黄金郷に一攫千金を夢見る軍人崩れの船員アロンソ、強欲な船長のドン・リカルド、船員のフェルナンド、トーレスなどがいた。❝エル・ドラード❞を目指しながらも目的を異にする一行は、開演を待つ役者のように感情を抑えていた。
そして2ヶ月後。漸く新大陸に漂着するが、そこは鬱蒼とした密林に囲まれていた。だが、イグナシオはウルバンバの笛の音に導かれ、ついに黄金郷への入り口にたどり着く。そこでイグナシオはインディオの娘レーニャと出会う。怯えるレーニャに優しく微笑みかけるイグナシオ。レーニャは、アクリャ(太陽神に身を捧げた乙女)と呼ばれる太陽神に仕える定めの娘で、異性と話すことも接することも禁じられていた。必死に問いかけるイグナシオだが、レーニャは掟ゆえに答えられない。もどかしい想いの二人。やがて、レーニャは姿を消してしまう。レーニャに心を奪われたイグナシオは彼女を追って、黄金郷へと足を踏み入れる。
黄金で満ちたその帝国は❝太陽の子❞と名乗る皇帝ワルパに治められていた。ワルパは太陽崇拝を民に義務づけ、5000人の妻を持っていた。ウルバンバを助けたことにより、イグナシオは客人として迎えられる。そこで、アクリャたちの中にレーニャを見つけたイグナシオは、禁じられた恋に落ちたことを知るのであった。
見つかれば死罪と知りつつもイグナシオはレーニャに会うためにアクリャの館へと忍び込む。掟を破りイグナシオの情熱に応えるレーニャ。歌と踊りによって、二人は心の中に互いの存在を刻み付けていた。だが、ワルパに見つかってしまい、帝国の掟を破ったイグナシオは国外追放を命じられる。イグナシオは、南米北東部の港に一行と共に停泊していたが、レーニャへの想いを断ち切れず、ラウラは恋の終焉を悟る。だが、イグナシオはラウラによって、レーニャへの愛を改めて確信し、❝エル・ドラード❞へ戻る決心を固めるのであった。
ビデオ『EL DORADO』解説書より引用
一方、アロンソは、黄金郷の存在を知り、仲間と❝エル・ドラード❞襲撃を企み、イグナシオの後をつける。ロドリーゴ、ラウラらのジプシーの一行もイグナシオを追うが、帝国兵士に捕らえられる。ワルパはイグナシオが戻ってきたことを知り、やむなく処刑の命令を出す。
再会したイグナシオとレーニャは、お互いの愛を確かめ合う。二人は捕らえられるが、愛に満たされた二人の心は晴れやかなものだった。
イグナシオは、彼が掟を守らなかったことを嘆くワルパに、掟より大切なのは愛という感情であり、神の子とて感情があるはずだと諭す。ワルパはいつしか芽生えていたラウラへの想いに気付き、ラウラを優しく抱き締めるのであった。だが、その時アロンソ達が帝国を襲ってくる。鉄の兵器の前に兵士は苦戦するが、アロンソらはイグナシオの策に陥り、捕らわれる。イグナシオと和解したワルパは妻達を解放し、愛を妨げるどんな掟ももはや存在しないと宣言する。しかし喜びもつかの間、実はメンドーサのスパイであったディエゴが、スペイン軍が夜明けと共に襲撃してくることを打ち明ける。覚悟を決め、最後の時間を過ごす恋人たち。やがて夜が明け、スペイン軍が攻めてくる。虐殺が行われ、ワルパはラウラを救おうとして殺されてしまう。
太陽の子を失った今、❝エル・ドラード❞には滅亡への道しか残されていないのだろうか……。
『EL DORADO』の主な登場人物
- イグナシオ・デ・ルシア-スペイン無敵艦隊の大佐
- レーニャ-太陽神に仕える乙女
- ワルパ-エル・ドラードの皇帝
- アロンソ-軍人崩れの船員
- ドン・ラファエル・メンドーサ-侯爵、ヌエバ・エスパーニャ王国総督
- ロドリーゴ-ジプシーの頭、ラウラの父
- ベルナルダ-酒場の女将
- ロルカ-神父
- コンチータ-ジプシー
- アメリゴ・ラファエル-メンドーサ侯爵の息子
- ドン・リカルド-船長
- オクリョ-ワルパの妻
- フェルナンド-船員
- ウルバンバ-インディオ
- トーレス-船員
- ガルシア-ジプシー
- ディエゴ-無敵艦隊中尉
- カシム-イグナシオの従者
- ラウラ-ジプシー、ロドリーゴの娘
- エストレリャ-ロドリーゴの孫娘
配役予想(という名の妄想)
※1997年に月組で上演された際、宝塚大劇場と東京宝塚劇場では配役が異なっており、ここでは宝塚大劇場の配役を書きました。
※花組での配役を予想する際、以下の2つを条件にしました。
- 2021年7月9日時点で在籍している花組生が出演
- 専科からは2人出演
役名 | 1997年・月組 | 花組(予想) |
イグナシオ・デ・ルシア大佐 | 真琴つばさ | 柚香光 |
レーニャ | 風花舞 | 星風まどか |
ワルパ | 姿月あさと | 水美舞斗 |
アロンソ | 汐風幸 | 永久輝せあ |
ドン・ラファエル・メンドーサ侯爵 | 未沙のえる | 凪七瑠海 |
ロドリーゴ | 汝鳥伶 | 悠真倫 |
ベルナルダ | 梨花ますみ | 美風舞良 |
ロルカ神父 | 大峯麻友 | 高翔みず希 |
コンチータ | 夏河ゆら | 鞠花ゆめ |
アメリゴ・ラファエル大佐 | 光樹すばる | 舞月なぎさ |
ドン・リカルド | 真山葉瑠 | 飛龍つかさ |
カパック | 越はるき | 航琉ひびき |
オクリョ | 美原志帆 | 華雅りりか |
フェルナンド | 卯城薫 | 和海しょう |
アントニオ | 一紗まひろ | 峰果とわ |
ウルバンバ | 美郷真也 | 羽立光来 |
トーレス | 嘉月絵理 | 優波慧 |
ガルシア | 祐輝薫 | 紅羽真希 |
ワコ | 那津乃咲 | 真鳳つぐみ |
ディエゴ中尉 | 樹里咲穂 | 聖乃あすか |
ビンセント | 高翔みず希 | 泉まいら |
カシム | 成瀬こうき | 帆純まひろ |
ラウラ | 千紘れいか | 音くり寿 |
エミリオ | 大空祐飛 | 侑輝大弥 |
ミゲール少尉 | 大鷹つばさ | 芹尚英 |
モルギアーナ | 檀れい | 都姫ここ |
イレーネ | 南城ひかり | 春妃うらら |
ロメロ | 水夏希 | 一之瀬航季 |
バルカ少尉 | 越乃リュウ | 太凰旬 |
チコ | 鳴海じゅん | 翼杏寿 |
ルナ | 水沢葉月 | 美羽愛 |
ドミンゴ | 大和悠河 | 希波らいと |
エストレリャ | 西條三恵 | 星空美咲 |
当然かもしれませんが、イグナシオ・デ・ルシア大佐、レーニャ、ワルパ、アロンソはすぐに決まりました。
他にすぐ決まったのはドン・リカルドです。強欲でありながらもコミカルな要素もあるこの役が似合うのは飛龍つかささんしかいないでしょう。
イグナシオの部下で、実はメンドーサ侯爵のスパイだったディエゴ中尉。スパイといっても自らなりたかったわけではなく、メンドーサ侯爵側に両親を人質に取られている為、仕方なくスパイになってしまったという、少し可哀そうな役柄。最後はスパイという役割を捨て、イグナシオ達と共にスペイン軍と戦います。
演技力を上げてきている聖乃あすかさんに演じてほしいです。
イグナシオに恋しているラウラ。後にワルパの5124番目(!)の妻になるこの役は準ヒロインの位置です。この役は音くり寿さんが適役です。
実はラウラと同じぐらい重要な役、それがエストレリャです。出番は多くありませんが、とても目立つ役で印象に残ります。この役は、現在ヒロイン路線まっしぐらの星空美咲さんしかいません。
船員のフェルナンドとトーレスもすぐに、和海しょうさんと優波慧さんが思い浮かびました。
ドン・ラファエル・メンドーサ侯爵とロドリーゴも、花組生の中で似合いそうな人を考えましたが、正直、この2役に関しては専科生に演じてもらいます。
まず、メンドーサ侯爵。主人公イグナシオと敵対しており、『EL DORADO』を滅亡に追い込む悪い役です(笑)。しかし難しいこの役を、今やどの様な役柄もこなせる凪七瑠海さんに演じてほしいと思いました。凪七さんの悪役はあまり見た事が無いので、この作品で思いっきり演じてほしいです(笑)。
ロドリーゴは悠真倫さんにしました。ジプシー達の頭で貫禄が必要な役です。また、ロドリーゴは最初と最後でソロで歌う場面があります。正直、悠真さんのソロを聴きたくて、この役をあてがいました。
その他の配役は「この人にはこの役が合うかな? それともこっちかな?」という感じで決めていきました。中には直感で決めた配役もありますが、そこはお許しを(笑)。
因みに『EL DORADO』は1度も再演していないので、今こそ再演して良い時でしょう(←勝手に決めるな(笑))。劇団様、どうかお願いします(笑)。
また、この『EL DORADO』はDVD/Blu-ray化もしていないので、是非DVD/Blu-ray化して再販してほしいです。
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