皆様こんにちは、霜柱です。
私は以前、『月城かなとと海乃美月のコンビで『プラハの春』を再演したら・・・』という記事を投稿しました。
私が初めて観た宝塚の作品が2002年に上演された星組公演『プラハの春』『LUCKY STAR!』です。
ここから私の宝塚観劇が始まりました。
『プラハの春』は暗めの作品でハッピーエンドでもありません。亡くなってしまう役も結構います(笑)。
しかし、私にとっては非常に重要な作品で、再演を願っている今日この頃です。
知人で月城さんのファンという人がいるのですが、その人が「過去に上演した作品で、月城さんに似合う作品て何かな?」と考えているのです。
「『プラハの春』!」と言いたくなりましたが、そればっかり言っているので(笑)、他の作品で月城さんに何が合うのかを私なりに想像(妄想)しました。
月城かなとに似合いそうな作品7選
望郷は海を越えて
2000年に宙組が大劇場で上演した作品。
当時のトップコンビは和央ようかさんと花總まりさんで、脚本・演出は谷正純先生です。
内容は、
戦国時代に名を馳せた九鬼水軍の末裔、九鬼海人の波乱に満ちた半生をスペクタクルに描いた作品。
TAKARAZUKA SKY STAGEのサイトより引用
鎖国と他藩への移封で海を奪われた今でも、海人は大型船を駆って外洋に出帆したいとの夢を抱いていた。由布姫との婚礼の日、日本の漂流者が戻ったとの報を聞いた海人は九鬼水軍の末裔達と出島へと向かう。ところが津波で舵を折られた船は、日本海を漂い、シベリアに漂着してしまう。漂着から3年、海人たちはシベリア総督に帰国の許可を得る為旅をしていたが、極寒の中、一人、又一人と異郷の地に屍をさらしていく。それでも尚、断ちがたい望郷の念から仲間と共に遥か日本を目指す海人たちの、壮大なロマンが繰り広げられる。
和央さんが主人公の九鬼海人を演じました。和央さんは洋物のイメージが強いですが、和物も似合います。また、殺陣の場面も出てきましが、その場面も良かったです。
私はビデオでしか観られませんでしたが、生で観たら惚れ惚れとしたでしょう。
端正で美しい月城さんにはもってこいの役でしょう。ましてや和物の経験が多い月城さんなら、間違いなく似合う作品と言えるでしょう。
それに何しろ月城さんが歌う「漂い人」を是非聴きたい!
再演してほしいですが、当時賛否両論が巻き起こったと聞きました。理由は・・・亡くなる役柄が多いからだそうです。
確かにその通りですが、それでも『EL DORADO』よりはマシと言えるでしょう。『EL DORADO』は、もう最後が凄まじかったですからね(←とはいえ、この作品も再演してほしかったりする(笑))。
とにかく、決して駄作ではないので再演を希望です。
パリの空よりも高く
2007年に月組が大劇場で上演した作品。
当時のトップコンビは瀬奈じゅんさんと彩乃かなみさんで、脚本・演出は植田紳爾先生です。
内容は、
菊田一夫の名作「花咲く港」をモチーフにした、初春らしい明るく華やかなコメディ作品。
宝塚歌劇団公式サイトより引用
1887年、パリは2年後に迫った万国博覧会の話題で賑わっていた。1851年にロンドンのハイドパークで第1回が開催され、続いてパリ。1867年以来2度目の万国博覧会ということで、パリの人々は期待と興味で盛り上がっていた。
パリの場末のホテルに滞在する稀代のペテン師アルマンドとジョルジュは、これを餌に一儲けしようと虎視眈々とその機会を狙っていた。そんな時、ホテルに長逗留する気が弱く売れない建築家のエッフェルが夢見ている、世界一高い塔を作りたいという話に閃いた。これを口実に金を集め、持ち逃げしようと企んだのだ。
二人は、世界的な万国博覧会の会場に、世界一高い塔を建設するという夢のような話をぶち上げた。しかし、それは思わぬ方向に進んでいく。1867年には水晶宮を作り世界中の話題をさらっただけに、第2回の目玉にしてフランスの国威高揚にしようと、人々は動き出したのだ。二人のペテン師の意図が、純粋な人々の熱意に支えられ、思わぬ方向へと展開していく。
そして、春まだ浅い小雪の舞うサクレクールの丘の上で、見事に出来上がったエッフェル塔を眺める二人の姿があった……。
瀬奈さんが演じたアルマンドが主人公です。
この作品は笑いがとても多く、実際に観てとても楽しかったです。ジョルジュを演じた大空祐飛さん、エッフェルを演じた霧矢大夢さんとの掛け合いも息がピッタリで、それがより作品を面白くしていました。
月城さんは真面目そうな見た目ですが、コメディ作品も演じる事が出来ます。『ピガール狂騒曲』で演じたシャルルがそうです。髭を生やしたダンディな見た目でしたが、うろたえたりする場面は笑いを誘っていました。
『パリの空よりも高く』はもっとコミカルです。コミカルな詐欺師を演じる月城さんを観たいです。
因みにアルマンドとジョルジュは一緒にいる場面が多いので、ジョルジュは鳳月杏さんに演じてほしいですね。
カステル・ミラージュ -消えない蜃気楼-
2001年に宙組が大劇場で上演した作品。
当時のトップコンビは和央ようかさんと花總まりさんで、作・演出は小池修一郎先生です。
内容は、
ニューヨークの貧しい移民の少年レオナードは、親友ジョーのために不良少年フランクとクラップの勝負をするが、幼なじみのエヴァ・マリーにもらったペンダントのおかげか、勝利する。
TAKARAZUKA SKY STAGEのサイトより引用
その後、彼はギャング組織のボス、アントニオの子分としてマフィアの世界へ。そして、その世界でめきめきと頭角を現し、西海岸を制覇すべくハリウッドに乗り込む。そこでレオナードは、新聞王リチャード・テイラーのパーティーに出席、偶然エヴァ・マリーに再会する。彼女はテイラーの庇護の元にあったが、二人は急速に惹かれ合う。
そして、ラスベガスにカジノ付きのホテルを建てるという夢が実現したその夜、ある事件が起こる。
和央さんが演じたレオナードが主人公です。
この作品は主人公を含め、最初の場面では少年・少女から登場する役が多いです。通常少年・少女の役は別の人が演じる事が多いですが、この作品では和央さんが少年役から演じているのです。
結構珍しいと思います。ビデオで観ただけですが、あまり少年っぽくなかったかも(笑)。
また、この作品はマフィアが主体となる裏街道の話です。決して明るい話でありません。ネタバレを書いてしまいますが、レオナードはロシアンルーレットで亡くなってしまいます・・・。
正直、後味もあまり良い物とは言えませんが、それでも人生の輝かしい時と絶望に追い込まれた時の落差をしっかりと描かれていると思うのです。
ですので私としては、月城さんにこの様な【裏の人】の役を演じてほしいです。
少し違いますが、『私立探偵ケイレブ・ハント』で演じていたマクシミリアンも悪役でした。その時に早霧せいなさん演じるケイレブに「この三流探偵が!(←この様なニュアンスの台詞)」と見下したような台詞を言った時は「おぉ、月城さんもこういう台詞が似合うんだ!」と感心しました。
是非、月城さんで『カステル・ミラージュ』を再演してほしいです。
因みに、2020年に上演された雪組公演『ONCE UPON A TIME IN AMERICA』が好きな人ならお気に召す作品だと思います。
ラスト・タイクーン -ハリウッドの帝王、不滅の愛-
2014年に花組が大劇場で上演した作品。
当時のトップコンビは蘭寿とむさんと蘭乃はなさんで、脚本・演出は生田大和先生です。
内容は、
20世紀アメリカ文学を代表する作家、フィッツジェラルドが最後に取り組んだ未完の長編小説を舞台化したミュージカル作品。1930年代、トーキーへと移行していくハリウッド映画界で「帝王」と呼ばれた男の栄光と挫折、そして亡き妻と瓜二つの女性との間で揺れる愛を描く。
TAKARAZUKA SKY STAGEのサイトより引用
ハリウッドのタイクーンと呼ばれる若き天才映画プロデューサー、モンローは、かつて自らが見出した大作映画のヒロイン、ミナと恋におちたが、結婚発表から間もなく突然の事故で彼女を喪ってしまう。癒えることの無い傷を胸に抱えながらも、大衆の為の映画創りに更なる情熱を傾けて行く。しかし、モンローの作品にかける熱い想いは度々現場のスタッフ達との衝突を招き、彼を独裁者と非難する者までいた。モンローを育て上げたプロデューサーのパットもまた、彼の才能に嫉妬し、いつの日かモンローを映画界から葬り去ろうと画策していた。そんなある日、撮影中の映画のセットから出火する騒ぎが起こる。そこで、今は亡きミナと瓜二つの女性の姿を目にしたモンローは、一瞬で心を奪われる…。
蘭寿さんが演じたモンローが主人公です。
このモンローという役は1番最初に登場する時、椅子に座り足を組んだ状態で客席に背を向けていますが、その姿勢のまま正面を向くのですが、それがとても格好良かったのです。
役柄としては天才映画プロデューサーで、特段悪い人という訳ではありません。しかし映画に対する情熱が強すぎて、周りと衝突してついにはスタッフ達がストを起こします。
最終的にはスタッフ達と和解し、再び映画作りに取り組もうとしますが、乗車した飛行機が墜落しモンローは帰らぬ人となってしまいます。
月城さんが『今夜、ロマンス劇場で』で演じていた牧野健司は助監督で優しい人柄の役でしたが、『ラスト・タイクーン』のモンローはピリッとした感じの役です。
映画の為なら、周りとの衝突も恐れない厳しい性格ですが、この様な役の月城さんも是非観たいです。
砂漠の黒薔薇
2000年に宙組が大劇場で上演した作品。
当時のトップコンビは姿月あさとさんと花總まりさんで、作・演出は酒井澄夫先生です。
内容は、
アラビアの王国を舞台に、義賊の誉れ高い怪盗「砂漠の黒薔薇」の活躍を描いた作品。
TAKARAZUKA SKY STAGEのサイトより引用
隣国のマリヤーナ姫を招いた宴の席で、バルク王国のハッサン王はハレムのジャミラ妃を第一夫人として迎えると発表。その前日、放浪の旅に出ていたアリシャール王子は王宮に戻っていたが、アリシャールとマリヤーナは幼い頃からの婚約者だった。ジャミラ妃の息子、ハルン王子は義兄の帰国を素直に喜ぶが、ジャミラ妃は大臣カシムと組んで、国を乗っ取ろうと企てていた。アリシャールは実は評判の義賊「砂漠の黒薔薇」だった。道化一座のヤワンとミスカー、戦火に滅びた国のマルシナー姫、マルシナーを探す剣士ゼリム、黒薔薇の右腕シャイザらもからみ、冒険が華やかに展開する。
姿月さんが演じたアリシャールが主人公です。
アリシャールは最初、ボンボンな感じで登場しますが、実は義賊という裏の顔を持っています。
私はビデオで観ただけですが、普通に王子として出ている時は可愛らしいのんびりとした雰囲気ですが、義賊の時はキリっとして迫力がありました。王子と義賊の時の格差をとても上手く演じていたと思います。
月城さんの正義感溢れる義賊を観てみたいです。姿月さんとはまた違った格好良いアリシャールになるでしょう。
また、主題歌の「君の名を呼べば」を是非月城さんの歌声で聴きたいです。
Practical Joke-ワルフザケってことにしといてくれよ-
2001年に月組がシアター・ドラマシティと赤坂ACTシアターで上演した作品。
当時のトップコンビは真琴つばささんと檀れいさんで、作・演出は正塚晴彦先生です。
内容は、
映画界を舞台に、トラブルの内密処理を仕事にしている男が出会った事件と、そこから広がる人間模様。自らの矜持に則って生きている一人の男の美学を描く。
TAKARAZUKA SKY STAGEのサイトより引用
’60年代のハリウッド。ドイルの仕事は、映画界のさまざまなトラブルを内々に処理し葬ること。今日もドイルは、人気スター、デイビッドの女性問題を片づけた後に、映画制作発表パーティの会場にいた。そこには監督のピエール、新人女優のカレンらが顔を揃え、記者のジルも来ていた。その映画のロケがヨーロッパで始まり、デイビッドが事件に巻き込まれて怪我を負う。ドイルは急遽ヨーロッパに飛ぶことになるが、空港でジルに出くわす。ジルもその映画の取材でヨーロッパに向かう途中だった。デイビッドのトラブルを巡り、ドイルとジルの駆け引きが始まる…。
真琴さんが演じたドイルが主人公です。
ビデオで観ただけですが、ドイルを演じた真琴さんがとても格好良いのです! 人生の辛苦を充分に経験した影のある役です。決して明るい役ではありませんが、この様な男性が実際にいたら惹かれる女性は間違いなく続出するでしょう。
衣装や小道具などは最低限という感じなので、舞台自体はシンプルですが、その分内容が濃く、観客を巧みに引き付けるストーリー作りになっています。
ですので、演者の演技力が非常に問われる作品と言えるでしょう。
また、楽曲も素晴らしいのが多いですが、その中でも「幻のように」は宝塚史上屈指の名曲と言っても間違いありません!
聴いた事が無い人は本当に聴いてほしいです。間違いなく感動します!
月城さん率いる今の月組は【芝居の月組】と言われているので、今この作品を再演するとしたら、もう月組以外ありえないと思います。
何故再演されないのかと思う程、素晴らしい作品です。是非月城さんがトップを務めている間に再演してほしいです。
どのキャラクターも魅力的ですが、個人的には大和悠河さんが演じたデイビッドが推しです! この役は彩海せらさんに演じてほしいなぁと思っています。
LUNA-月の伝言-
2000年に月組が大劇場で上演した作品。
当時のトップコンビは真琴つばささんと檀れいさんで、作・演出は小池修一郎先生です。
内容は、
古代人の遺伝子が甦ったカリスマ・ソングライターが遭遇した、ミステリアスでファンタスティックな物語。
TAKARAZUKA SKY STAGEのサイトより引用
イングランドの孤島で巨大遺跡「ルナ・パレス」が発見され、メディア界の寵児ブライアンはそこで島の伝説をイベント化したコンテストを企画。考古学者のアイリーンやハリーらの反対を無視し、審査員に人気歌手ALEXを招く。発掘現場でネックレスを見つけたALEXは、それをアイリーンに送ろうとするが、発掘品が勝手に持ち出されることに怒ってアイリーンは走り去る。夜の遺跡で月笛を吹く彼女を見つけたALEXは、語り合ううちに彼女に惹かれてゆく。ブライアンは密かに遺跡の地下に施設を造り、秘密のセミナーを開いていた。ALEX達は、偶然地下施設に迷い込み、ブライアンの部下に見つかり、謎の玄室に逃げ込む。ALEX達はそこで古代の月笛とナイフを発見する。ALEXが誤って小刀で指先を切り、そして月笛を吹いた時、1万年以上前の月読宮が現れる…。
真琴さんが演じたALEXが主人公です。
ALEXは人気ロック歌手ですが、最初に登場する時は石段に足をかけてサングラスをした状態で登場します。もう格好良いの一言! とてもサマになっています。
ロック歌手が主人公というのは宝塚では結構珍しいと思います。
また、真琴さんは月読という役も演じますが、この月読の魂がALEXの中に入ってしまいます。ただ、完全に月読になってしまうのではなく昼間はALEX、夜のみ月読になるというちょっと複雑な状態になるのです。
後半が結構ドタバタした展開になり、喧しい感じもしなくはないですが、全体的には面白い作品です。
月城さんがロック歌手を演じたらどの様な感じになるでしょうか? 想像するだけでワクワクしますね。
絶対に似合うと思うので、是非観てみたいです。
まとめ(という程の物ではないが・・・)
個人的な想像(妄想)ですが、月城さんに似合いそうな作品は結構ある事に気付きました。まぁ、1番は『プラハの春』ですが(笑)。
上記の作品で私が特に月城さんで観たいのは『パリの空よりも高く』と『Practical Joke-ワルフザケってことにしといてくれよ-』です。
全然違う2作品ですが、どの様な役柄も演じる事が出来る月城さんだからこそ、この様に幅広い作品を候補に挙げる事が出来たと思っています。
宝塚の作品は『ベルサイユのばら』『エリザベート』『ME AND MY GIRL』などの様に再演しているのもありますが、基本的に再演はしません。
新作に取り組んで、それを世に出すのを続けているからこそ、宝塚歌劇団は100年以上続いているのだと思います。
しかし、過去の作品の中には「再演しないのは勿体ない!」という作品も多いです。
過去の作品を今に引き継ぐのも大事だと思います。
ですので、劇団の上層部の皆様、上記の作品をどうか月城さんで再演をお願い致します(←ずうずうしい)。
お読み頂き有難うございました。ブログ村に参加しています。
にほんブログ村